薬物(やくぶつ、やくもつ)とは、
- 薬の呼び方の一つ。生体に投与することによって特殊な生理作用を発生させることを期待する物質。
- 上記のうち、特に依存性や異常な精神撹乱など、生理的に問題のある生理作用を発生させる物質。
多くの場合、前者のうち後者に収まらないものは単純に薬、または薬品、医薬品と呼ばれ、その名前の通り医療現場において、傷病の治療や殺菌などを主目的として投与される。「薬物」と特に呼んだ場合、ほとんどの場合は後者を示している。
狭義では麻薬、覚醒剤。広義では酒類やタバコも含まれることがある(あくまで杓子定規に定義を当てはめた場合であり、一般的に酒類やタバコを薬物に定義することはあまりない)。
人体に投与することにより、精神の高揚や酩酊、場合によっては幻覚などの知覚異常を伴う精神撹乱作用が発生することが多い。また、多くの場合はきわめて強い依存性を持ち、投与が長期にわたることで薬物の作用を渇望するようになったり、薬物を得るためであれば違法行為にすら手を染めるようになる、または蓄積した作用・副作用で健康被害が出たり、酷い場合には廃人化することすらある。
当然ながら、一般人の理由なき所持はほとんどの国において固く禁じられており、製造、流通、所持には特別な許可が必要である。日本では覚醒剤等取締法において製造、流通、所持、使用には規制がかけられており、違反すれば重大な法的責任を問われることとなる。日本では懲役刑になることが殆どであるが、国によっては極刑が課されることすらある(例えば中国では麻薬類の流通は例外なく死刑である。同国はかつて外国によって流し込まれた阿片による汚染が深刻な問題になり、これによって流通元凶となった国と戦争になったことすらあるため)。
また、多くの場合、暴力団やギャング等の不法集団が日銭を稼ぐ手段となっている。通常の方法では流通させることが不可能であるため、既に中毒化している、または何らかの詐術により中毒化させた人間が病的に薬物を求めることを悪用したものであり、──卵か先か鶏が先か、ではあるが──これも厳しい規制が敷かれる理由の一つである。
社会的経験が浅い、または悪びれて見えるものを好む傾向がある若年層が、ダイエットに効く、手軽に気持ちよくなれるなどと騙されたり、あるいは単純に悪そうに見えて格好良いから、などの理由で手を出そうとすることがあり、このため若年層に対する教育と啓蒙が対策として重要な位置を占める(こういった層を狙う場合、違法薬物として知られた名前や和名を避け、異なる名前を使用することが非常に多い)。
関連タグ
麻薬原料植物として規制あり: ワライタケ
ジョークで合法麻薬と言われる菓子: かっぱえびせん(やめられないとまらない) ハッピーターン(ハッピーパウダー)