データ
1899年にオーストラリア・クイーンズランドで下顎の一部が見つかり、1924年にクロノサウルス・クイーンズランディクスと命名された。1992年には2種目となるK.ボヤセンシスが記載されている。
プリオサウルス類の首長竜で、その巨大な頭は2.7メートルにもなる。全長はローマーの研究で12.8メートル、2003年のキアーの研究では10.5メートルだったとされている。顎には25センチもの歯が生えており、胃の内容物などから他の首長竜やウミガメや魚類や恐竜などを捕食していたことが判明している。当時の生きとし生ける動物なんでも喰らう最強の頂点捕食者である。戦闘力は白亜紀後期のティラノサウルスより強く、咬合力もティラノサウルスより高い。
また、同時期のオーストラリアに棲息したプレシオサウルス類のエロマンガサウルスの頭骨には、クロノサウルスのものと思われる歯形が残っていた。
属名はギリシャ神話の神クロノスに因んで命名された。これは本種の巨大な顎が、我が子を飲み込んだクロノスを彷彿とさせたために採用された。クロノスは時の神のクロノスもいるため、クロノサウルスを「時のトカゲ」と訳すケースもあるが、正しくはゼウスの父親のクロノスの方である。