演:加藤和樹
概要
IT企業の社長という設定で、性格は本家以上にキザな所があり、敬語で話す。
若くして巨万の富を築いたものの、ショッカーに目を付けられて彼らのナノマシン散布テロに巻き込まれてショッカーの操り人形にされてしまう。そのため、本作におけるV3はダブルライダーに改造されたわけではなく、純粋に悪の組織の手駒として生まれたことになる。妹はアイドル歌手の風見ちはるで毎日のように彼女の自慢話をしたり、世捨て人になってからもシャワー中に歌のPVを見たりと溺愛している模様。テロ事件以降は私有地にある別荘で隠遁生活を送っている。
ワインを嗜んでおり、本郷との初戦では「年代物のワインが若い」と理不尽な難癖をつけて襲い掛かる。
改造人間となってからはナノロボット散布による殺戮を「偉大なるショッカーの崇高なる実験」と称賛し、「富や名声を得ても空しいままだった心をショッカーの授けてくれた力が満たしてくれた」と語る等ショッカーの信奉者となってしまったが、肉親であるちはるの事は心配しており、彼女の親友である菊間琴美には手が出せずにいる。
その琴美からは「着飾っているだけで自分の力で輝こうとしていない」、一文字隼人からは「かつての俺と同じ空っぽの人形」と罵倒されたことで徐々に自分自身に苛立ちを募らせていく。
そして事務所に逢いに行ったちはるが、志郎がプレゼントと偽って渡したかつて彼女が形見として送った時計を平然と受け取った事から今のちはるが偽物であることを知り、琴美に連れ出された偽ちはるによって本物のちはるの悲劇を知り、絶望のどん底に落とされてしまった。
ちはるの時計に刻まれていた時刻がショッカーが輸送するナノマシン到着の時刻と一致した事からちはるがショッカーの陰謀を止めてほしいと願っていることに気付くも中々一歩踏み出せずにいた。だが諦めずに戦い続けるダブルライダーの姿を見た事で心境が変化し、ショッカーを裏切り追い詰められたライダー達の窮地を救い、かつての秘書であるチェーンソーリザードを撃破。変わり果てた姿となった妹と邂逅し、ダブルタイフーンを高速回転させて炎を身に纏って放ったパンチでちはるを苦しみから解放した。
その後はダブルライダーに助けられて爆発する基地から脱出。これからは本郷達の様に自分の力で生きていくことを告げた。
ゲーム『ライダーレボリューション』では完結後の設定で登場。彼の世界ではV3は「バージョン3」と呼ばれているので、『V3』の略称に困惑する一面も見られた。しかし、自分以外にも"風見志郎"(本家の方)がいる事を理解したらしく、本家の仮面ライダー1号に出会った際には自分を風見志郎であると肯定しつつも、別の存在であることを語っている。
グレムリン相手には『つまらない希望は持たない方がいい。人を超える力を持った者はその運命からは逃れられない』(※)と忠告するなど、改造人間としての自己と向き合う事を決めた"仮面ライダー"としての姿を堪能できる。
(※)ファントムになったということは魔法使いになった者たちとは違い、(強制的とはいえ)"絶望"を受け入れたということである。なのにも関わらず、人間に戻りたいという"希望"を得てしまった彼に対しては痛烈な皮肉となる。加えて、本来はファントムが人々の希望を捨てるよう促す側の存在なのに、よりにもよって人々の希望を守るライダーに希望を捨てるよう忠告されている姿もその皮肉さを強調していると言える。
余談
加藤和樹氏は過去にV3と同じトンボのライダー・仮面ライダードレイクを演じている。