概要
英語:Nevrean
別名:ネヴリャン
SF世界観シェアワールド及びウェブ漫画『ビロウス』に登場する架空の人種。エルタス人という人種の一つ。
他のエルタス人の例に習って、明らかに獣人の姿をしてはいるが、原作の世界観では「人間」の存在に該当する。
ただし、ネウリアの場合、作中では長らく「人間扱い」されていなかったという側面もある。詳しくは後述。
大人のネウリアは男女で全く別の種族と言えるほど大きな性別の違いがあり、姿だけでなく能力や性格や役割も真逆と言えるほど異なる。
男女共通して言えるのは他のエルタス人より小柄で細身で、羽毛恐竜と鳥類の中間的な姿をしていること。
女性はヴェロキラプトルなど小型の恐竜に似ていて恐竜により近く、男性は始祖鳥などに似ていて鳥類により近い。
簡単な見分け方では、強そうなほうが女で、綺麗なほうが男。
左:女性|右:男性
なおサーガル同様に乳房(乳首も)と授乳能力は無い。また、エルタス人で唯一の卵生種族。
ネウリア族の代表的なキャラクターには、女性は「矢桐ゆん」、男性は「冠窮太朗」の2人がいる。
男女差に纏わる誤解や間違い
大きな男女差が特徴のネウリア族であるが、これらを表面的にだけ見て「女性が男性的で、男性が女性的な種族」などと解釈されることが多い。
しかし、これは一部分だけの印象でしかなく、総合的には全く正しくない。
サーガル族に対する誤解「サーガルは凶暴な人食い種族」と同じくらい間違った認識であるので要注意。
ネウリアは人間の性社会とは根本的に異なる文化を持っており、単純に男女差が逆転したような種族ではない。
そのため「男女役割が逆」というのはかなり的外れな表現になる。
人間の性別基準と厳密に照らし合わせるなら、男女どちらとも中性的というのが正しい。
その上で、男性を「陽」、女性を「陰」に添えた、陰陽と表現できるような二極性を持った種族である。
「光と影」、「太陽と月」、「空と大地」のように、対になる特徴を男女別で備えている。
住む地域(主に都会)によっては、明らかに「男性的な女性」、「女性的な男性」も確かに存在はする。
ただし、これは現実世界の人間にもあるように、本人の意図でそのような振る舞いをしているものであり、元々の性質から発生しているわけではない。
男性ネウリアは特に「男の娘」のように扱われがちで、実際にそうと言える者もいるが、勿論これも男性ネウリア全体の傾向ではない。
ネウリアの素体はあくまで「中性的」であるため、本人次第で男性風・女性風どちらにも簡単に装えるのである。
また後述するが、明確な男女差があるのは大人のみで、子供の頃は男女差が外見能力ともに存在しない。
原作において
舞台である「惑星タル」の西の果ての地、「ネヴ山脈」が故郷でありネイティブ達の暮らす地。
惑星タル全体を揺るがす世界戦争が起こるまではこのネヴ山脈と、北西部の一部にしか存在せず、ほとんど西に引きこもっていた種族と言える。
ネヴ山脈のネイティブネウリア達は非常に排他的で、他国や他種族との文化交流や受け入れを一切行わず、古くから非常に独特の伝統文化を守り続けている。
特に恋愛と生殖に関する考え方が他の種族とは全く異なる。
「真面目な生殖目的以外の性的行為は一切行わない」
「性行為を決して単なる快楽のために行わない」
など、大凡普通の感覚からは遠く離れた独自文化と、美や性に関する感覚を持つ。
北西部に住んでいたネイティブネウリア達は唯一西方サーガル達との交流があり、南部最大の街「ゴールドリング」へも祭りや催しの時に年に数度訪れていた。(原作3話『縁日にて』でもこの時代の様子が少し描かれている)
戦前までは、彼らが他の種族たちの目に触れた唯一のネウリア族であった。
やがてレイン将軍が起こした戦争によって西方サーガル達が大虐殺され、北西部のネウリア達も西方サーガルのわずかな生き残り達と共にゴールドリングへ亡命する。
この時の難民達はゴールドリングの住民として根付き、ネウリア種族の新たな系統「都会ネウリア」に至る。
しかし、これまで長らく辺境の地で独自文化と共に過ごしてきたネウリア達は、異種族と異郷の地で文化間のギャップによる苦悶の時代を送ることなる。
ネウリア差別時代
ゴールドリングの先住民であるサーガルとアグドナ達にとってネウリア族特有の特徴や性差はなかなか理解し難く、そこから発生した大きな人種差別や偏見に揉まれることとなる。
エルタス人(サーガル・アグドナ・ネウリア)はこの世界において「人間」と見なされる存在。
しかし、サーガルとアグドナ達が築いてきた文化圏であるゴールドリングでは、基本的人権が保証されているのはこの二種族に対してのみで、全く新しい存在であったネウリア族は範囲外であった。そこに文化的な大差もあり、結果的にネウリア達は長らくの間「人間扱い」されていなかった。
世代交代の中で様々な努力や異文化に順応するための変化を経て、最終的には差別を解消し、近代になってようやく、ゴールドリングの新たなる住民として受け入れられる。
男女差早見表
♀女性♀ | ♂男性♂ | |
---|---|---|
雌雄図 | ||
全体像 | 恐竜寄り | 鳥類寄り |
体格 | 骨太で強靭、体重は重い | 脆弱で華奢、体重は軽い |
色合い | 地味で彩度低め | 色鮮やかで彩度高め |
背の高さ | 平均150cmほど | 平均140cmほど |
腕の翼 | 短くて飛行に関した能力は一切無い、子供の頃にだけ長い翼があるが大人になると抜け落ちる | 一生を通じて長い翼があり、滑空や飛行が可能 |
ツノ | 大きく、目立つ | 薄く、小さい |
キバ | 目立つ大きさで、上顎の牙ははみ出ていることが多い | あまり目立たないため、口は単なる嘴に見えることも多い |
ツメ | 手足共に長く、足にはデイノニクスなどにある大きな鉤爪がある | 手足共に小ぶり |
脚 | 芯が太く強靭 | 細長く華奢 |
尻尾の先端 | 小さい飾り羽根があり、シンプルで、目立つ模様はほとんど無い | 大きな飾り羽根があり、孔雀のオスのような特徴的で目立つ模様がある |
性格 | 受動的でクローズドな気質。真面目で寡黙な働き者。現実的な思考の持ち主で、口が重く秘密主義。素性を悟られないようにする姿勢が基本で、感情もあまり表に出さず、無口無表情気味。必要なことや大事なことを伝える時にだけ口を開く | 能動的でオープンな気質。陽気でポジティブ、天真爛漫としており、お喋り好きでなにかと騒がしい。発想力が豊かで、夢見がちな傾向もある。楽観的思考で口が軽く、情報の伝達や拡散に秀でている。自己主張が激しく、感情も顔に出やすく、軽口気味 |
声 | 低めで、高い声を出すのは不得意 | 高めで、非常に甲高い裏声を出せる |
特技 | 戦闘や仕事などのシリアスな事柄 | 音楽や演技などの美や芸能に関する事柄 |
象徴的な比較 | 影、裏方、静、地などの「陰」の性質 | 光、表方、動、天などの「陽」の性質 |
性の役割 | 黒子のように生きつつ、過酷な現実と向き合い、あくせくと働き戦い男性ネウリア達を守る | 幻想を抱えて自由奔放に生きつつ、美しい姿や様々な娯楽を提供し女性ネウリア達の心の癒しになる |
生殖器 | 乳房(乳首)と授乳能力は無い | 女性同様に乳首は無い。また、ペニスはスリット収納式だが、自然体のままではあって無いようなもので、特別な肉体改造などをしないと外に出てこない。※詳しくは後述 |
※古いデザインでは指の数に男女間の違いがあった。現在は性別関係なく手足ともにすべて4本。
以上の基本傾向に合わせて個体差もあり、必ずしもすべてのネウリアが上記の特徴を完全に満たすとは限らない。
また突然変異や病気などにより、綺麗じゃない外見の男性や、脆弱な体つきの女性など、各性別の重要な要素を持ち合わせていない者もいる。
そのような例外的な個体は、通常の個体に比べてやや苦難に満ちた人生を送ることが多い。
女性ネウリア
地味な外見だが強靭な身体、戦いや仕事に向いた能力、物静かで受動的な「陰」の属性を持つ。
主なキーワード:
「恐竜」「戦闘」「現実的」「大人」「仕事」「地の属性」「影」「裏方」「受動」「陰の属性」
能力
真面目で寡黙な働き者の素質を持ち、地道な裏方仕事に適する。
慎重さ、真面目さ、秘密主義な性格を活かしての法関係や銀行員などが天職。
また、勇敢で体が大きく強靭であるため、戦闘や狩りにも向く。
現実的、実用的、シリアスな事柄に特化しており、歌を歌ったり音楽を作るなどの娯楽に関した事柄には向いていない。
歌や音楽など娯楽に関してはほぼ聴く側見る側に徹する。
実用性と無駄のなさを優先する思考に特化しているため、無愛想な一面もあり、他の種族からはあまりいい印象を受けず対人において損をしやすい。
また普段の仕事も地道で目立たない分野のものが多いために過小評価されがち。
「あまり話題にならないが非常に重要な仕事」を彼女達は得意分野とするのである。
日頃から感情を表に出さず、不満なども全て内に隠しているため、心が荒れると途端に凶暴で残忍な傾向に至りやすい。
ネウリア差別時代での境遇
前述した特徴から、ゴールドリングへ移り住んだ当初は他のエルタス人からは一方的に悪い印象を受けてしまう傾向があった。
寡黙で無表情な性質も「何を考えているかわからなくて不気味」という謂れなき理由で忌み嫌われるに至ってしまった。
これらの不当な扱い、また男性ネウリア達が悪い意味で都会流の生き方に染まってしまったこと(後述)も相まって、心が荒み果てた女性ネウリアが激増。
地道に真面目に生きることを破棄し、窃盗や殺人など凶悪な手段をとってでも生きる道に転落してしまう。
悪の道が極まった女性達は「アウトリング」という砂漠の盗賊組織に属し、容赦ない略奪と殺戮に手を染める。
これによって他の種族達からの「ネウリアの女は姑息で陰湿」という偏見が更に強化され、ネウリア差別時代においては一括りに悪者扱いされるという悲壮な経歴を持つ。
戦闘能力
「弓矢」を始めとする武器は女性の属性。
ネウリア達の文化では「武器は女性が持つもの」とされている。
身軽ですばしっこく、弓矢や短剣などの軽い武器や飛び道具でトリッキーに戦う。
筋肉質というわけではないが骨が丈夫で、爪や牙は男性より発達している。鋭い鉤爪付きの足による蹴りは強力で、クリティカルに入りやすい。鋭い牙が並ぶ強靭な顎での噛みつき攻撃はサーガルの噛みつきよりも威力が高い。
生殖能力
排卵期が決まっており、無精卵も産む。
乳房と授乳能力は無いため、子供には現実世界の鳥類同様に吐き戻し(つまりゲロ)を与える。
男性ネウリア
派手な外見だが華奢な身体、美と芸能に向いた能力、活発で能動的な「陽」の属性を持つ。
主なキーワード:
「鳥」「美」「幻想的」「子供」「娯楽」「空の属性」「光」「表方」「能動」「陽の属性」
能力
歌手や俳優など表舞台に立つ派手な役柄に適する。
発想力豊かな美的センスを持ち、アーティストやミュージシャンが天職。
明るく陽気で口上手なため、対人業務やお笑い芸人なども向いている。情報の拡散が得意な能力から、広告屋も多い。
容姿も性格も子供の頃からほとんど変わらず、いつまでも若々しく無邪気。
戦いや狩りなどの物騒な事にはあまり参加せず、声高々に歌い喋りながら自由に空を舞って遊んでいる。
「歌」などの音楽に関することは男性の属性。
ネウリア達は種族全体で音楽が好きだが、特に男性にとって歌と踊りはほぼ必修科目。
都会では豊富な楽器を用いて、前衛的な電子音楽を手掛けるミュージシャンの男性もいる。
ネウリア差別時代での境遇
ゴールドリングにおけるネウリア差別時代において、ネウリア族全体が就職難に陥っていた際、男性達は可憐な容姿を活かして性風俗に就く者が多くいた。
また客層である他の種族達に受けるため、媚びた口調を使ったり派手な化粧をするなど、一般的な視点での「女性的」な振る舞いを好んで装う者も目立った。
男性ネウリアに対する「男の娘」という印象は、主にこれらの男娼ネウリア達が原因である。
勿論これは後天的に装っているものであり、男性ネウリア本来の基本性質ではない。
男性ネウリアの本来の役割は、美しい姿や歌声で女性達の心の癒しや支えとなり、ネウリア族全体の平和を保つこと。
しかし、ネウリア差別時代では生活のためにそのような美貌を全て性風俗に流してしまい、他の種族からは単なる性の捌け口としてしか見なされなくなる。
これによりネウリア族の文化が従来から尊んできた「男性ネウリアの神聖な美」は汚され、このような事態に我慢ならなくなったネウリアの女性は更に荒むという悪循環が発生した。
ネウリア族の伝統文化は性行為を娯楽として扱わない、種族全体が極めて健全な社会が大基本にある。その中心となる男性ネウリアの美が、いやらしい目的に変えられることなど言語道断なのである。
戦闘能力
戦闘能力に関しては強い女性と違って全くの非力。
生身の身体で武器になるものは飛行能力や悲鳴くらい。
ただし噛み付きはそこそこ強力で、本気で噛まれると指を持っていかれる。
また弓矢はネウリア族全体にとっての伝統文化であるため、男性も弓矢なら使える。
生殖能力
スリット収納式のペニスを持つが、自然体のままでは外に出すことは出来ない。
ネウリア族は本来、現実世界の鳥類のような至って簡素な交尾を行うため、ペニスを使わなくても生殖可能。
ネイティブネウリア達の「性行為を娯楽として行わず、男性の美を純粋に神聖なものとして尊ぶ文化」は、このような生殖方法の仕組みがあることも大きい。
ペニスを外に出すことが出来る男性はみんな特別なトレーニングや肉体改造を施した者で、更にそういう者達は都会にしかいない。
つまりネウリアの男性はペニスは本来あって無いようなものであり、「ペニスがある(使用出来る)」男性はみんな都会流の生き方に染まったネウリアである。
男女共通の特徴
男女共に他の種族よりも小さい。手先が器用で、音楽を愛する。
「弓矢」と「音楽」はネウリア達の伝統的な文化である。
音楽に関して、基本的には男性が奏でる側で女性は聴く側。
肉食で、主食は肉類だが豆類や果実などは食べる。
子供の特徴
これまで述べてきたように大きな男女差を持つネウリアではあるが、子供の頃は男女差が無い。
男女ともに全身灰色の地味な羽毛に覆われていて、長い翼があって空を飛べる。
大人になるにつれて、女性は体が丈夫になるかわりに翼が抜け落ちて飛べなくなる。
男性は全身美しい羽根に生え変わるが体はより脆くなる。
ファンアート(二次創作)において
ファンアート(二次創作)において
ビロウス公式の規定によると、グッズ製作などの一定の規模を超える商用利用以外の二次創作物は全て無許可で行うことができ、またビロウス公式イラストについても無料公開されているものに限って模写、トレース、転載、コラージュ作成、他サイトでの利用等を全て許可している。
このため、ネウリア族も様々な二次創作が行われており、ビロウスファンの界隈ではサーガルに次いで作品数が多い。
詳細は以下のリンク先を参照。
pixivなど国内でのファンアートは全体的にまだ少ないが、FurAffinityなどの海外SNS上においては男性ネウリアのほうが人気な傾向にある。
二次創作において作られるネウリアのキャラは何故か男性女性問わずマゾヒストだという設定がたまに見られるが、これは初めて発表されたネウリアのキャラである矢桐ゆんが極度のマゾキャラであったことが影響している。勿論これも矢桐ゆんというキャラクター特有のものであり、ネウリア族そのものの特徴ではないことに注意。
また海外ファンの間では矢桐ゆんや盗賊ネウリア女の設定のみが先行し、「ネウリアの女性=陰湿で卑怯で口汚い悪女またはサイコパス」というイメージが根付いていた時期があった。
サーガルにおけるレイン将軍の例と同様に、ネウリア族にも部分的なイメージのみの浸透による誤解や間違った認識の問題が多かれ少なかれある。
セカンドライフのアバター
セカンドライフ(SecondLife)において、サーガル同様にファン製作のネウリア族のアバターが販売されており、性別の違いも再現されている。
ただしパーツ単位で女性用・男性用と分かれており、それぞれ自由に切り替えることが出来るため、「翼のある女性」や「鉤爪のある男性」なども作れてしまう。
更に、羽毛の色は用意されているカラーリングに依存し、一つのカラーリングにつき男女パーツがセットで入っているため、派手なカラーを買えば男女関係なく派手な外見になり、地味なカラーを買えば男女関係なく地味な外見になる。
つまり、原作基準通りに「派手な外見の男性」「地味な外見の女性」を揃えたければ、派手なカラーのものと地味なカラーのものをそれぞれ別々に購入する必要はある。
もっとも、セカンドライフの仕様上、男女関係なく自由自在に空を飛べるため、原作基準の厳密さを求めるのは少し野暮かもしれない。
なお、女性用の胴体には乳房がついているため、外見だけでも原作遵守にしたい場合は胴体のみ男性用にすると原作基準を再現可能。
関連イラスト
左:女性ネウリアがメインのもの 右:男性ネウリアがメインのもの
関連タグ
ビロウス エルタス(Eltus) サーガル(sergal) アグドナ(Agudner) タリクシアン(Talyxian)