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概要編集

アメリカサンフランシスコに本社を置くリンデンラボ(Linden Lab)社が

運営する仮想世界メタバース)。


リンデンラボ自身はSecondlife内の多くの事をユーザーの自主性に任せており、

一般的なオンラインゲームにおけるイベント・クエスト等の要素は存在せず、

デジタルコンテンツの製作、コミュニケーション・コミュニティの形成、

イベントの開催、その他の活動に至るまで全て、ユーザーが行う事で作り上げられている。

こうした特徴はオンライン版どうぶつの森と例える人もいれば、

映画『サマーウォーズ』や『レディ・プレイヤー・ワン』に登場した仮想空間に例えられる事もある。


ただし、原則的に自由であるとは言え他のユーザーに迷惑をかけたり

嫌がらせをするような行為はBIG 6と呼ばれる6つの重要なルールとして禁じられており、

これに反した場合はアカウントの凍結やBANと言った措置が行われる事もある。


なお、後述するような日本のメディア上での扱いとSLを開発・運営する

Linden Labには全く関係性がなく、一言で言うと

「Linden Labの運営するサービスに日本の広告業界が目を付け、新媒体として勝手に売り込み、失敗して去っていった」という経緯がある。

こうした実態を知らない人がインパク等と同じ経緯を辿ったとする事があるが、

SLは2003年のサービスイン以来、今日に至るまでサービスを継続しているため事実誤認である。


SLの特色編集

前述の通り、一般的なオンラインゲームと異なり、いわゆる「運営」が提供するのは

料金支払いサービス、土地や公道・公海などの整備などにとどまっており、

それ以外の部分では表立ってユーザーに干渉したり何かをやらせようとする事はない。


その一方で、ユーザーには非常に多くの自由が与えられており、

上記のBIG6に反する行為でない限りはSL内で何をするのも自由である。


ユーザーはSL用に自作のモデルデータなどをアップロードする事ができ、

アップロードしたデータの著作権は作成者であるユーザーに帰属する。

モデルデータは自分で使用する以外の他、値段を付けて販売する事も可能になっており、

現在のSL内で販売されているアバター、ファッション、建物、景観等の大半は

こうして他のユーザーによって作りあげられ、売買されているものである。


モデルやテクスチャ以外にも、LSL(Linden Script Language)というC系の

スクリプト言語を使用する事が可能で、作ったモデルにこのスクリプトをあわせる事で

簡単な仕掛けのあるものから複雑な挙動をする乗り物まで様々なものを作る事ができる。

このLSLに関してもユーザーが作成したものはユーザーに著作権が帰属するほか、

単体で販売する事も可能になっており、「メッシュやテクスチャは作れるがLSLは作れない」という人が

この単体販売されているLSLを購入して利用したり、逆にLSLを作れる人が

他の人に素材として販売したりする事ができる。


SLにはリンデンドルという通貨があり、米ドルと相互に換金する事ができる。

このリンデンドルは商品の対価として他のユーザーに支払ったり、

サービスの見返りに受け取るといった事もできる。

SL内での取引に限っては手数料等は発生せず、支払った額の100%が相手に渡る

(通販型でアイテムを販売できるマーケットプレイスではシステム利用料として一部が引かれる)。


かつてはこれに目をつけ、換金業や貸金業、株取引などを営むユーザーもいたものの、

2007年にSL内最大の銀行が倒産し、預金者が預金を失うといった騒ぎがあった事などから

2008年以降は現実の政府登録証や金融機関憲章が無い限りユーザーの金融業運営は停止されている。


日本国内のメディア上での扱い編集

2003年にサービスインし、一般ユーザーも利用できるようになったSLだが、

日本国内では電通を筆頭とするマスコミ・広告業界が主体となって2005年~2007年頃に

一斉にビジネス雑誌等で「新たな商売の場」として取り上げられた。

広告業界が仕掛けたブームによって様々な企業が参入したが、

仮想の土地転がしで一攫千金、宣伝利用、リアルマネートレード等

SLの実態からは大きくかけ離れた点が喧伝される事となった。


流れに乗った企業の多くがSL内に自社パビリオンのようなSIM(土地)を持ったが、

これに関してもSLユーザー達にウケるコンテンツを発信できた企業と

できなかった企業で非常にはっきりと明暗が分かれた。

当然、後者は飽きられるのも早く、数年が経過した頃には宣伝効果が薄れたとして

撤退する企業が相次ぎ2010年頃までには煽っていた張本人である電通以下広告業者も撤退。

日本のメディア主導によるSLブームは終焉した。


こうした一連の流れや、インターネット上では広告業界への手厳しい意見が多い事もあり、

「SLは大失敗だった」「ブームを捏造しようとして失敗したオワコン」などと

酷評される事が多かったり、後発のVR系サービスなどと比較される際に

「なぜSLは失敗したのか?」という切り口で語られる事が多いが、

上述のようにこうした日本の広告業界の動きとリンデンラボ運営のSL自体に関連性は無く

この2つを混同して語るのは事実誤認である(SL自体のユーザーはこの間も増加傾向)。


日本人ユーザーに限って言うと、2009年時点では23,000人程度と公式発表で言及されており

当時から日本人ユーザーによるコミュニティの形成、SL内アイテム販売ショップ等が

盛んに作られており、のちのSL日本人ユーザーの基盤となっている。

それ以降では、後述するような別コミュニティからの集団移住や

個人で制作しうる3Dコンテンツのクオリティの上昇、SL自体の新機能追加等が

継続的に起こっており、サービスインから17年経過した2020年現在でも

多くのユーザーが日々新たな物を作り出している。


日本人コミュニティの成立・他ネットコミュニティからの日本人の移住編集

早い段階からSLに興味を示し定着している日本人ユーザーは

少なからず存在しており、外部のSNSやブログサービス等を介して

情報の共有や交流などが持たれていた。


後にVIPふたば☆ちゃんねるニコニコ動画の特定ジャンルといった

ネットミームを中心とするコミュニティがきっかけとなってまとまった数の

新規ユーザーが現れるという事もあり、それぞれ新たなユーザー層を発掘している。


こうして誕生した新しいコミュニティが先発していたコミュニティや

日本人ユーザーと出会う事で緩やかな繋がりが形成され、

物作りのノウハウの授受やイベントでの交流・合同開催がなされるなど

日本人ユーザー界隈は緩やかな拡大傾向にある。




pixiv上におけるSL作品編集

SL上のデジタルコンテンツは製作者に著作権が帰属するシステムとなっているが、

こうした商品を購入して組み合わせる事でアバターや風景などを制作し、

その制作したものを被写体に静止画・動画作品を投稿する事が原則的に容認されているため

pixiv上に投稿されている作品も自身のアバターを被写体としたものが多い。


なお、SLはメタバースとしては珍しくR-18的な表現に非常に寛容で、

リージョンによる制限(=TPO)を遵守する限りは基本的に容認されている事などから

R-18要素のある作品も数多く投稿されている。


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