概要
燦然党党首の政治家にして、日本を暗部から守ってきた日ノ元家の当主。そして真祖の一角。
人物
表向きは公明正大な人物であり、カリスマ性溢れる熱血漢だが、その本性は日ノ元家が長年日陰から泥をかぶって必死に守ってきた平和を当然に享受する一般人を愚民と忌み嫌う選民思想の権化。
公正を掲げつつもその内実は能力による差別であり、その理想の先にあるものを部下は「強者だけが生きられる世界」と評している。
かつて日ノ元家を終わらせようとし、士郎によって殺された祖父が言い残した「傲慢。それが貴様の本質よ」という言葉が最も端的に日ノ元士郎という男を表していると言えよう。
一方で身内や見込んだ人物へは敵であっても肩入れしたり、身内には甘い一面もある。
戦闘能力
変身体は黄金に輝く仁王の如き荘厳な姿。
高熱の光を放ち、ビームとして飛ばすのは勿論、攻防を兼ね備えた鎧として見に纏う等、遠近共に隙が無い。
しかしその真価は士郎本人の圧倒的な武才による格闘戦であり、近接格闘では真祖最強と言っても過言では無い。
妻子との関係
「明が、苦手だ」
政界への足掛かりとして娶った政治家の娘の妻。穏やかで優しく、血生臭い世界とは無縁で、日向で生きてきた彼女は正に士郎が忌み嫌う愚民そのもの。
そんな彼女が産んだ実の娘もまた平和を当然として生きる愚民であり、にも関わらず才能も無いのに武の道を歩む明は士郎からすれば理解できない存在であり、子供の頃から仕事にかまけてろくに構わなかったのは明への接し方が分からなかったからである。
ある日、そんな内心を妻に漏らすと、彼女は「明が、可愛いのですね」と宣う。妻の言い分に絆された自分を、結局は忌み嫌っていた筈の「平和を享受する愚民」と認めて自嘲する士郎の前に、ゴアは真祖の力を与えるべく姿を表した。
そして富士山噴火の日。ゴアの宣告通りに始まった戦いの狼煙に際し、自分を探しにきた妻のほっとした笑みと呑気な口ぶりに思わず釣られて笑った瞬間、ヴァンパイア化した直後で暴走した葛によって妻は輪切りの死体とかした。
一瞬の油断によって守ることもできず死んだ妻の姿に、激情に駆られた士郎は濁りきった目で、側にいた娘にも気づかず妻の遺体を踏みつけ、修羅の道へと足を踏み出した。