概要
初登場:『Journey into Mystery』#83(1962年8月)
マイティ・ソー(Thor)の人としての身「ドナルド・ブレイク」の同僚である女性看護士。
ドナルドは彼女に好意を抱いており、ジェーンも彼に思いを寄せていたが、ドナルドが自身の片足が不自由な事がコンプレックスとなって告白できずにいた。その後、ソーとしての己を取り戻した後に告白し、晴れてカップルとなった。
その後、ドナルドは彼女に自身が神であることを明かし、故郷アズガルドに連れ帰ろうとするが、オーディンから課せられた試練に失敗。
記憶を消された彼女は、地球に戻され、ソーと別れる事になり、別の男性、キース・キンケイド医師と結婚し息子を授かる。
ソーとしてのジェーン
『What if』では彼女がムジョルニアを持ち上げソーとなり、ソーディス(Thordis)と称した。その力でドナルド・ブレイクを助け、ラグナロクの危機からアスガードを救った後、オーディンは彼女からムジョルニアを奪い、ドナルドに戻した。
ジェイソン・アーロンが描く新たなコミックシリーズでも彼女がマイティ・ソーとして登場する。
この作品世界では、彼女が唯一無二の「ソー」である。
そのため彼女は「女性版ソー」「レディー・ソー」「ソーリタ(Thorita、ソーの女性形)」ではない。更に言うと、別次元の「女性として生まれたドナルド・ブレイク」でもないため女体化でもない。
彼女は乳癌を患っており、抗がん剤のため髪の毛が抜け落ちている。
ムジョルニアを持ち上げて雷の女神となったジェーンは重い病を抱えながら、アスガードにふりかかる災い、10の世界を巻き込む戦争と対峙する事になる。
なお、ソーとなったジェーンに再会したオーディンソン(この時はムジョルニアを持ち上げる資格とソーの名を失なっている)は、新しいソーの正体が誰か判らず、
「どこかで会った事が無かったか?……いや、この高貴な雰囲気に覚えが有るぞ。もしや母上ですか?」
という大ボケをかましている。
映画(MCU)版
者:ナタリー・ポートマン、日本語吹替:坂本真綾
看護師ではなく、天文物理学者となっている。
自身の研究のために、時に犯罪(ソーを自動車で轢いてしまった)をごまかしたり、S.H.I.E.L.D.のエージェントに食って掛かったりと、かなり強気な性格。
なお、映画版ではソーとドナルド・ブレイクは全くの別人であり、ドナルドはジェーンの元カレという設定になっている。
マイティ・ソー
ダーシー・ルイス、エリック・セルヴィグらと天文物理学の研究としてエネルギー観測を行なっていたところ、アスガルドから追放されたソーが地球に墜落。そのことを知らず車で現場に向かったため、ソーを轢いてしまうという衝撃的な出会いを果たす。
地球の常識について無知だが、それゆえに豪放磊落で純朴なソーの人柄に惹かれ、ソーもまた母や故郷の女戦士たちと違い、王子という立場と関係なく接してくれるジェーンに惹かれる。
ソーとロキの戦いが終結したあと、ソーがアスガルドに帰還したため離れ離れになるが、ソーは再び地球に戻り、ジェーンと再会した。
マイティ・ソー/ダーク・ワールド
再び天文学者として、惑星直列の影響による次元の歪みを観察していたところ、誤って次元の裂け目に入り込み、アスガルドの地下奥深くにあるエーテルの封印場所へ移動、エーテルを吸収してしまい、その対処に来たソーと再会する。
『アベンジャーズ』後の話であるため、アスガルドでロキとも再会したとき、「ニューヨークの仇よ!」と彼をぶん殴った。
またソーの母フリッガとも出会い、彼女が如何に素晴らしい母親であるかを知り、ダークエルフに殺された彼女の死を悼んだ。
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
直接は登場しないものの、アベンジャーズタワーでのパーティーにて、ソーが「ジェーンは素晴らしい天才だ」と、ペッパー・ポッツを褒めるトニー・スタークと張り合っていた。
以下、ネタバレ注意!
マイティ・ソー バトルロイヤル
冒頭、ロキを伴って地球・NYに来たとき、アベンジャーズの一員でもあるソーは、近くの市民からの写真撮影に応じるが、その市民が去り際、『ジェーンとは残念だったね』との言葉だけかけ、ソーとジェーンが破局した事が分かった。
問題は、前二作であれだけ気にしてたのに、今作でジェーンが触れられるのは、これだけであり、その後ソーはドクター・ストレンジと出会い、物語が進んでいく。
こうなった背景には、どちらかといえば落ち着いた展開ではあったが、盛り上げりに欠けた前二作に対して、よりテンポ良く、盛り上げれるような展開を『バトルロイヤル』は目指したので、ジェーンとの関係性について触れる尺がなかったという事がある。(映画を見た人なら分かるが、確かに『バトルロイヤル』ではかなり早いペースで次々と展開が移り変わる。)
とはいえ、これだけでは、あまりにフォロー不足な印象があるので、その後のMCUで何らかの補足があればいいのだが…
アベンジャーズ/エンドゲーム
アベンジャーズの最終決戦を描いたMCU第22作にて、まさかの再登場を果たした。
ただし、本作のジェーンは、ソーとロケットが過去のエーテル/リアリティ・ストーンを回収するためにタイムトラベルした2013年(『ダーク・ワールド』の時代)の頃のジェーンである。
監督を勤めたルッソ兄弟によれば、声は新規収録(エンドクレジットにもちゃんと名前が載っている)だが、映像は『ダーク・ワールド』の未使用映像をそのまま再利用しただけとのこと。
とはいえ6年ぶりにスクリーンに登場したことには変わらない、と言えるだろう。
その後、アメリカ本土現地時間2019年7月20日、サンディエゴ・コミコンにて社長のケヴィン・ファイギがMCUフェイズ4の新作ラインナップを発表した。
なんと『マイティ・ソー』シリーズ4作目の製作が決定!(MCU初の、単独映画4作目である)
しかもフェイズ4の作品としてカウントされ、ナタリー・ポートマンがジェーン・フォスター役で、しかも主人公役で復帰することが決定した!
さらにファイギ社長は、『ナタリーはジェーンとしてだけでなく、女性版ソーとして復活する』と明らかにしたのである。これは、前述の「What if?」を踏まえたものであろう。
やはり『エンドゲーム』でジェーン・フォスターが登場したのは今作への布石だったのだろうか。
ホワット・イフ...?
「ソー4」こと「Thor:Love and Thunder」への出演発表から2年後に配信された、MCUのIFを描いたアニメにも、ポートマン演じるジェーンが登場。
特に第7話ではほぼ主人公と言って差し支えないポジションである。
ロキが弟とならずに一人っ子として育ち、結果すっかりパリピとなったソーが地球に遊びに来たことから出会いが始まる。
最初は不思議な異星人として接していたが、すっかり意気投合。
だがソーの存在が地球全体をパリピ化してしまっていることから、S.H.I.E.L.D.のマリア・ヒルによって強制的にソーを追い出すことに協力させられてしまう。
最後には、フリッガにソーが地球にいることをチクり、S.H.I.E.L.D.が彼に向けて核弾頭を打ち込むのを阻止した。
ソー:ラブ&サンダー
特報では事前情報通り、初期のソーの格好で登場。
持っているムジョルニアについては、ソーが元々使っていたものは『バトルロイヤル』でヘラに壊され、『エンドゲーム』の最終決戦で使用したものも今は無いが、その外見や予告編で見せた破片を飛ばす攻撃などから、「一度粉々にされたものを修復した」ようにも見える。
また2人の会話
「3,4年ぶり?」→ ソー「8年7か月と6日だ」
から、指パッチンで消滅していた可能性が指摘されているが、こちらも現状不明。
また、予告編公開時には、ナタリー・ポートマンがこの役の為に体を鍛えまくった事が判る腕の太さも話題となった。