概要
彼女はティーパーティーの一人だった。
彼女は兎に角ゲヘナ学園が嫌いだった。だからゲヘナと協力関係になるエデン条約の存在が許せなかった。
だからアリウス分校との和解を提案したが、その案が通る筈はなかった。
彼女はティーパーティーのホストになる為にアリウス分校をけしかけ、百合園セイアを殺害した。(実際は失敗した)
同様に桐藤ナギサを殺そうとしたが失敗して捕まった。
しかし彼女の親友だった桐藤ナギサは、心に深い傷を負った。
ティーパーティーの資格を剥奪された彼女であったが、アリウス分校によって結果的に彼女の望んだ通りエデン条約は破綻した。
しばらく後、百合園セイアは彼女と話をしている途中に突然倒れ、意識不明の重態に陥った。
シャーレに知らせようにも何故か連絡が取れず、何かあった事は明白だった。
そして何を思ったのか、はたまた気が狂ったのか、監獄の壁を素手で破り、トリニティから飛び立った。
誰も彼女の考えが読めず、誰も彼女を理解出来なかった。
いたずらに災いを振り撒く彼女の在り方と振る舞いは、まさしく魔女のようだった。
【※この先、ネタバレ注意】
正体
トリニティの裏切り者とは聖園ミカの事である。
本人はこんな事になるとは全く思っていなかった。そもそもほぼ考えなしだった。
身も蓋もない事を言ってしまうと、聖園ミカは、羽沼マコト以上の大馬鹿だった。
アリウスに唆されたとはいえ、風紀委員会とトリニティを一網打尽にする為にエデン条約をエサにしたマコトの方がよっぽど考えていた。
セイアやナギサを殺すつもりなんて毛頭なく、せいぜい閉じ込めてホストの座を乗っ取るぐらいだった。(それでも十分な裏切り行為ではあるが)
エデン条約の破綻を確かに望んだものの、その過程でナギサが大怪我する事を望んではいなかった。(命は取り留めたものの、ナギサ曰く「ヘイローが壊れかけた」)
ついでに言うとナギサが心に深い傷を負ったのは疑心暗鬼による凶行から来た自業自得であり、ミカは直接関わってない。
セイアが倒れたのはただただ間が悪過ぎただけで全くの無関係。突然倒れたセイアに驚きミカは助けを呼んだだけだった。
しかしセイアは倒れる前に、切羽詰まっているとはいえ心にもない事をミカに言ってしまった。
「先生が……スクワッドに狙われている……。君が、先生を連れてきたから……!」
この言葉と共にセイアが倒れる瞬間を目の当たりにしたミカは自分を追い詰める。
加えて監獄の外から自分を「魔女」と罵る声も加わり耐え切れなくなったミカは正気を失い、共犯者である錠前サオリに憎悪を向けた。
暴走を始めたミカは力づくでトリニティから脱獄し、アリウススクワッドを追跡した。
全てを失った(と思い込んでる)自分と同じ目に遭わせる為に。
これは最早、復讐ではない。自暴自棄になった少女による、ただの八つ当たりである。
「私が失った分だけ、あなた達も失ってよ。そうじゃないと――――不公平でしょ?」