概要
野球の中継ぎ投手にはワンポイントやロングリリーフ、敗戦処理など様々な役割があるが、その役割分担において主に接戦で勝っている時にクローザー(抑え投手)の前に投げる救援投手をセットアッパーという。
クローザーに対するセーブのように、セットアッパーにも個人記録としてホールドがある。
「自チームが3点以内の点差でリードしている状況で登板し、1イニング以上投げる。または、任意の点差でリードしている状況で登板し、3イニング以上投げる。この状態でかつ試合途中で降板する(セーブの条件を満たさない)」などの場合にホールドが記録されるが、試合速報などで発表されることがない地味な記録である。
なお、自身がリードを保つことが条件の1つなので、降板後に逆転されてもホールドは記録される。
一般には、一軍当確線上のセットアッパー・凡田夏之介を描いたマンガグラゼニ、さらにかつての読売ジャイアンツのエース上原浩治はメジャー移籍後にリリーフ投手に転向し、ボストン・レッドソックスのセットアッパーとして好成績を挙げたことで注目を浴びることになった(上原はその後クローザーに移り、2013年レッドソックス世界一に大きく貢献した)。
また、元阪神の藤川球児はジェフ・ウィリアムス、久保田智之とともに鉄壁の救援陣「JFK」を形成し、当初はセットアッパーとしてブレイクした選手である。その後久保田と役割を入れ替えてクローザーとなり2011年に通算200セーブを挙げた。メジャーを経て阪神に出戻り後の2019年には中継ぎで23ホールドを挙げたことで通算150ホールドも達成し、NPB史上初となる通算200セーブ&150ホールドを達成している。
その他、9年連続60試合以上登板を達成し、通算273ホールドを挙げた山口鉄也(元巨人投手)や、2010年にクローザーの岩瀬仁紀に繋ぐセットアッパーとして当時のプロ野球日記録となる1シーズン47ホールドをマークした浅尾拓也(元中日投手)などがセットアッパーとしては有名な選手である。