概要
1974年11月10日生まれ、愛知県出身。西尾東高校、愛知大学、社会人野球・NTT東海を経て1998年のドラフト会議にて中日ドラゴンズを「逆指名」する形で入団した。
ポジションは投手。得意な球種はスライダーで、決め球もスライダー。基本的に直球とスライダーのみで相手打者を倒すため、シュートやカットボールは投げてこない。
実は彼の直球はストライクゾーンの外側にナチュラルに切れていくいわゆる動く速球であり、主戦捕手の中村武志が捕り損ねて親指を突き指したほどの威力もあった。なお当人は引退するまで綺麗なフォーシームだと思い込んでいた模様。
現役後半ではシュートも覚え、主に左打者相手に効果的に使っていた。
他にも球種を増やす努力をしてはいたが、実戦で初めて投げたカーブを井口資仁に、フォークを桧山進次郎にそれぞれスタンドに叩き込まれ、それ以来「初めて投げる球は打たれる」とサインを出してもらえなくなった。
中日ドラゴンズでは「守護神」として活躍。淡々と9回を抑えていく様は、畏怖の意を込めて「死神」とも、背番号に掛けて「DEATH13」とも呼ばれる。しかし、近年では衰えが見られ、一時期は浅尾拓也が2アウトまで抑えてから登場、というシチュエーションも多かった。それでも、2010年には、日本プロ野球史上3人目となる通算250セーブを達成し、名球会入りする。現在、彼が持っているセーブ記録・試合登板数記録は通算で歴代1位。
2007年の日本シリーズ第7戦では、8回まで山井大介が好投していたが、突如岩瀬に交代となり、無事継投による「完全試合」を成し遂げ、53年ぶりの日本シリーズ制覇に大きく貢献した。しかし、この「勝利こそが最大のファンサービス」の極みとも言える落合采配は大きな論議を呼び、公式アンケートで「英断か非情か」とファンの声を集めたところ、「非情」の票が「英断」を上回った(実際には山井が指のマメを潰しており、無理して続投しても炎上すると落合が判断したとのこと。山井も「岩瀬さんにお願いします」と進言し交代となった)。しかし、日本シリーズでの岩瀬は6回出場・17回1/3登板して一度の失点もないという記録を持つ。
上記の交代騒動に関しては似たようなことが2022年シーズンの佐々木朗希の時も起こり、しかもこの時は2登板連続の完全試合が懸っていたが、この頃になると「ローテーションを崩さない事」の重要性が野球ファン一般に認知されていたため、この時の交代は肯定意見が多数を占めた。
また、普段はほとんどプロ野球選手というオーラがないことでも有名。沖縄キャンプでタクシーに乗った時、同乗した川上憲伸のマネージャー扱いされたことも。
2016年に三浦大輔が引退したために、2017年時点では球界最年長選手となり、この年同学年の井口資仁が引退したため、2018年には、昭和40年代生まれはNPBでは岩瀬ただ一人となった。9月28日の対阪神戦で1点リードの9回に登板し1イニング無失点に抑えてセーブを挙げ、前人未到の1000試合登板を達成。その後10月2日に記者会見を開き、今季限りでの現役引退を発表。通算1002試合登板となった10月13日の対阪神戦で、ドラフト同期入団の元同僚福留孝介を三振に切って現役生活の最後を締めくくった。
彼が持っているプロ野球記録
(2018年10月13日時点)
- 通算1002試合登板(歴代1位)
- 通算407セーブ(歴代1位)
- シーズン46セーブ(2005年、デニス・サファテに抜かれるまでは1位タイ記録)