直球

ちょっきゅう

野球,ソフトボールの球種のひとつ。ストレート。

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1 概要

2 投げ方

2.1 直球も「変化球」

3 転じて

4 関連タグ

4.1 球種全般

4.2 野球関連（守備位置関連）

4.3 野球関連（守備動作関連）

5 参考リンク

概要

直球（straight）とは、野球,ソフトボールの球種のひとつ。真っすぐ進む球筋から、またの名を「ストレート」とも呼ぶ。投球の基本となる球種で、全球種の中で球が一番速く初速と終速の差が少ない。ホップするような変化を見せる。

NPBで主流な直球は主にフォーシーム・ファスト・ボールであり、他にはツーシーム・ファスト・ボール、ジャイロボールなども直球に含まれる。

先述のとおり、どの投法においても最もリリースが容易なので、投球の基本となる球種とされている。投手の投球に限らず、野手のスローイング、キャッチボールなど、野球で送球とされるものはグラブトスなどの例外を除けば基本すべてストレートであるため、全ての野球選手が使用するのみならず、野球において多くの選手がまず最初に習う基本動作でもある。

「手首や指をボールを前に進ませるために最大限使う」特徴のため最も球速を出しやすく、速球自慢の投手の武器は大体ストレートである。また、一部では、ジャイロ回転をかける「ジャイロボール」なるものに挑戦している選手もいると言えばいる。

直球は投手の基本中の基本であり、変化球の教則本でも「直球を満足に投げられない投手は変化球を投げる資格が無い」としばしば注意喚起されるほどである。

投げ方

人差し指・中指・親指の3本で握り、薬指と小指は折り曲げて添えるだけ。握って人差し指中指を上にした場合、親指が下に来るように握る。野球ボールには糸がひょうたん型に縫い付けられており、この縫い目に3本の指がくるように握る。これがすべての球種に通じる基本的な野球ボールの持ち方であり、野手も基本的にはこの握りで投げる。投げる瞬間は手首を使ってできるだけ指の先端の速度を稼ぎ、最後は人差し指と中指で球をバックスピンをかけながら前方に押していく。手からボールが離れる直前までは親指が球を安定させる重要な役割を果たす。こうして投げられた球は綺麗なバックスピン回転をしながら飛んでいく。この回転が直球のキモであり、マグナス力を揚力にして本来の放物線軌道よりも上に上がるような力を働かせながら前進していくのである。

直球も「変化球」

ストレートといわれると、何の工夫や変化が無いように思われてしまうが、上述のように「敢えてまっすぐに飛ぶようにする」という変化を付けるため、立派な変化球の一種である。

とはいえプロ野球の世界では直球が変化球と呼ばれることは少なく、その数少ない例は藤川球児（元阪神）の通称「火の玉ストレート」である。彼の直球は通常の直球に比べて大幅に浮き上がるため、異質とされた。

ちなみに、野球ボール程度の大きさと重量の物を投球する場合、本来の意味でのホップ（投球後に上方に変化）どころか完全な水平飛行させることさえも人間の力では速度もバックスピンもまるで足りないため不可能であり、前述の火の玉ストレートであってさえも完全な直線軌道よりも実は徐々に下方に落ちている。だが、通常より落ち、沈みが少ないのは確かであるため、いわゆる通常のストレート、直球に慣れた目からは「真っすぐに飛んできた球が手元で浮き上がってくる」ように錯覚して見えるのである。

『おおきく振りかぶって』の三橋廉は独学で投球を修得したため、正式なストレートが投げられなかったものの、逆に独特の癖玉を無自覚に習得し、バッテリーを組んだ阿部隆也から「立派な武器」として見出されている。

なお、直球で綺麗な縦のバックスピンがかかるのはほぼ真上からオーバーハンドで投げた場合の話であり、スリークォーター、サイドハンド、アンダーハンドで投げる場合はバックスピンの方向が斜めになっていくため、マグナス力のかかる方向も変わり、直球であっても厳密に真っすぐには飛んでいかない。多少手首を立てるなど、腕を振る方向そのままではないが、横投げの投手は直球であっても横方向に変化していく。