概要
僅差の場面で9回にリリーフ登板し、逃げ切りを図る際に起用される投手。
3点差以内でリリーフ登板し最後の打者まで抑えきった場合セーブという個人記録が付く。
日本では1977年、江夏豊が当時南海ホークスの選手兼監督であった野村克也に「日本球界に革命を起こそう」と促され先発から転向したのが有名。当時は先発に良い投手を置き、継投の度に投手のレベルが下がるという時代であり、江夏本人も「革命を起こそう、と言われなかったらやらなかった」と語っている。
当時既に投手分業制が進みつつあったメジャーから調整法を学び、5回まではベンチにもブルペンにも入らず別室でマッサージなどを受け、7回あたりから肩を作り始める、という今では常識となっている手順を確立した(当時江夏の腰痛が酷くベンチに座って出番を待つのはキツい、という裏事情もあった)。
令和初頭現在ではどのチームにもクローザー専門の投手が控えており、特に優れたクローザーには「守護神」の呼び名が与えられる。
なお、導入された当初は「ストッパー」と呼ばれていたが、近年になってメジャーに倣い「クローザー」と呼ぶよう改められた。
有名なクローザー
NPB
- 江夏豊(元阪神・南海・広島・日本ハム・西武)
上記、クローザー第1号と言える選手。広島初の日本一に導いた「江夏の21球」が特に有名。
- 津田恒実(元広島)
通称「炎のストッパー」。ストレートを武器に広島黄金時代を支えた。
- 高津臣吾(元ヤクルトなど)
ヤクルト黄金時代の絶対的守護神。日本シリーズでは胴上げ投手4度を記録。
- 佐々木主浩(元横浜など)
通称「ハマの大魔神」。多彩なフォークボールを武器に横浜を38年ぶりの優勝に導いた。
- 岩瀬仁紀(元中日)
通算最多セーブ日本記録保持者。「死神の鎌」の異名を持つスライダーが武器。
- 藤川球児(元阪神など)
阪神ではセットアッパーからクローザーに。打者の前で浮き上がる異質なストレートが武器で、「火の玉ストレート」と呼ばれた。
- マーク・クルーン(元横浜など)
Max160km/hのストレートを投げることで話題になった。
- デニス・サファテ(元ソフトバンクなど)
NPBシーズン最多セーブ記録(54)保持者。通称「King Of Closer」。
- 上原浩治(元巨人など)
MLBでは、クローザーとして日本人初のワールドシリーズ胴上げ投手に。
MLB
- マリアノ・リベラ(元ニューヨーク・ヤンキース)
MLB歴代最多の通算652セーブ。この記録はギネスにも認定されている。
- アロルディス・チャップマン(シンシナティ・レッズなど)
左腕ながら170km/h近い豪速球を投げる。MLBでは最速。
局地的場面でクローザーを担当した投手
2013年。リーグ優勝を決めた9月26日の試合、そして日本シリーズ第7戦でクローザーとして登板。
2016年のクライマックスシリーズファイナル第5戦にて、指名打者を解除し登板。WBC第5回大会でも決勝戦でクローザーとして登板した。
pixivでは
クローザーで検索するとネットゲームのクローザーズが引っかかってくる。かつての呼び名であったストッパーで検索すると時間停止関係のイラストしか出てこない。「野球」とのアンド検索や投手個人の名前で検索して出てくるイラストも少ないというマイナージャンルである。
一応「ストッパー」の方はこの人がこの人のことをこう表現したので、少し話題にはなった。恐らく昔から使っていたためにクローザーではなくストッパーが自然に出てきたのだと思われる。