ライオン丸G
らいおんまるじー
概要
この番組はピープロダクションが製作した『快傑ライオン丸』のリメイクである。オリジナルが戦国時代を舞台にしたアクション時代劇だったのに対し、本作は2011年の新宿・歌舞伎町(作品ではネオ歌舞伎町)を舞台にした現代劇となっている。深夜での放送であるため、ホストやキャバクラといった水商売関連、パチモンや闇金融や人身売買といったヤクザ的な要素、そしてインキンとかキ〇タマ等といった下ネタと、一般放送では見せることの箇所が多々見受けられている。そもそもタイトルの“G”は「Ghetto(貧民街)」である。
物語は売れないホストがライオン丸に変身して戦うことになり最初は逃げてばかりいたものの最終的にはその宿命を受け入れて悪に立ち向かうという筋立てだが、上記のような風俗的な要素に加え従来の特撮ヒーロー番組とは違う作風だったために『快傑ライオン丸』もしくはピープロダクションについて知っているファンからは批判され飽きれられていたが、その独特の作風に惹かれたファンも少なくなく一部でカルト的な人気を誇っている。
基本的には『快傑ライオン丸』関連ネタや下ネタを中心におちゃらけたギャグが展開されるが、終盤では従来のピープロ作品に見られたシリアスな展開がなされている。
製作したのは『スレイヤーズ』や『新世紀エヴァンゲリオン』や『蒼穹のファフナー』、『魔法先生ネギま!』等、数多の名作アニメを世に送り出したスターチャイルドで、実写特撮番組の本格的なプロデュースは本作が初である。監督及びシリーズ構成は『アキハバラ@DEEP』等を手掛け熱狂的な支持を受けている大根仁が務めた。OPでオリジナルの主題歌である『風よ光よ』は数々のアニメソングや特撮主題歌を歌ってきた串田アキラがカバーしている。
役者に関しては、主役である売れないホストの獅子丸を「幻星神ジャスティライザー」の悪役デモンナイト/リゲルを演じた波岡一喜が担当し、デモンナイトとは一味違うコミカルな演技を見せている。ライバルである錠之介役を本作が初出演となる大田恭臣、一連の騒動に巻き込まれるヒロインのサオリとコスKをグラビアアイドルの小林恵美と小田あさ美、コスプレが趣味のヤクザである豪山ジュニアに『忍者戦隊カクレンジャー』や『特捜戦隊デカレンジャー』等で悪役を務めた遠藤憲一が演じている。その他、バナナマンやハリセンボン等の人気コメディアンが出演しているのも本作の特徴である。
あらすじ
時は西暦2011年10月。新宿のネオ歌舞伎町では、それを付けたものを発狂させる謎のコンタクトレンズであるスカルアイが町中で売買されていて問題となっていた。スカルアイを付けた者達が徒党を組み暴れ回っていて騒動を起こしているが中々対処しようがなかった。
そんな中、ホストクラブ“Dreamin'”に努めており万年最下位に甘んじてる売れないホスト獅子丸はヤクザである豪山興業から多額の借金返済を求められていたが、当然返済できる金はなかった。そこで若頭である豪山ジュニアから借金帳消しとして、ホスト狩りをしているスカルアイを付けた暴徒集団スワンキーズの囮になるため、同じく借金を抱えているきゃば上のサオリと用心棒の錠之介と共にスワンキーズのアジトに向かう。
アジトに辿り着いたのは良いが、スワンキーズの暴行に遭った獅子丸達は錠之介に助けを求めるも何故か彼は現れてこなかった。次第に追い詰められていく獅子丸だが、そこに謎の老人である果心居士が現れ、獅子丸にキンサチを与える。彼は怯えながらも果心居士の言うとおりにキンサチを抜くと、獅子の仮面を被ったライオン丸に変身した。
自分が変身してしまったことに戸惑いキンサチを投げ捨てて逃げ回る獅子丸だが、果心居士に“選ばれしもの”と見られて追い回される羽目になる。そんな獅子丸に執着する錠之介、スワンキーズの件を発端にスカルアイ関連の騒動に巻き込まれるサオリ、彼女の妹で獅子丸が変身するライオン丸をネタとして追っているコスK。彼ら4人にはやがて数奇な運命に巻き込まれることを最初は知る由もなかった。