概要
定義としては、70年代後半から80年代まで流行したポップ音楽である。ニューミュージックに分類される音楽であり、都会的なイメージを電子音を多用して連想させる曲調を特徴とする。「シティポップ」という単語自体は和製英語ではあるが、海外でも広く浸透している。
一方、日本国内で伝統的だった歌謡曲(演歌)は、これ若者ファンが付かないジャンルとなっていく。また、反戦歌としての要素を含んだ国内フォークソングも駆逐し、これ以降、社会問題へ意見するメッセージソングが日本で影をひそめ、タブーとされる遠因を作った。
ジャンルが勃興した80年代には企業の広告タイアップとして多数の曲が制作され、後のJ-POPに続く礎を築いた。
超高層ビルの夜景が新しかった頃の好景気な時代とマッチしFM放送の開始も相まって人気を得たが、ニューミュージック歌手のテレビ嫌いもあり、商業的にはアイドルソングや非演歌化した新しい歌謡曲の牙城を崩せず、バブル期以降はバンドブーム、J-POP・小室ブームなどにより衰退する。後述のvaporwaveブームにおいてはシティポップにバブル期のアニメ映像を被せる動画が流行ったが、これは若干時代がズレている(もっとも滅んだわけではなく細々と出ていたので間違いで無いとも言えるが)。
ジャパニーズシティポップブーム
シティポップの陽気な旋律は何かと暗い21世紀日本には合わず、またその音楽スタイルも当時の洋楽ブームを受けた日本離れしたものであったため親しみにくいところがあった。ニューミュージック歌手のテレビ嫌い傾向に加え、懐メロと言うには現代的すぎることなどから、テレビで取り上げられることも少なかった。
こうして長らく不遇の時代を過ごしたが、2010年代に日本の80年代のシティポップやファンクが動画サイト等を通じて海外でブームになった。もともと洋楽風であるので海外で受けるのも当然かもしれない。
このブームでは、VaporwaveやFutureFunkなどのモチーフやサンプリングが一般にも浸透していった。
特に、フランスのハウスエレクトロデュオ・ダフトパンクが竹内まりやのPlasticLoveをフィーチャーした楽曲を発表して話題を呼んだ。