「オレはおまえ達が"世界"と呼ぶ存在」
「あるいは"全"、あるいは"一"」
「そして、オレは"おまえ"だ」
「ようこそ 身の程知らずのバカ野郎」
概要
本作品の主人公であるエドワード・エルリック及びアルフォンス・エルリックが、母親を人体錬成しようとした結果、真理の扉の前に辿り着いたシーンで初登場した白い影のような存在。
全て者達の真理の扉の前に、必ずそれぞれ彼等は存在している。
外見はのっぺらぼう、というよりは肌そのものが無く、その周囲に漂う黒いもやのようなものが無ければ、おそらくは肉眼では見えないであろうくらい真理の中の白い空間に溶け込んでいる。
人体錬成を行う事により、真理の扉に到達して通過した錬金術師が通行料として持っていかれた肉体は、その者が持つこの真理達の体の一部となって保持される事になるが、この肉体は真理の中に存在する為に、「等価交換の原則」に従って「代価」を払う事で取り戻す事はできる。作中ではマスタングが、マルコーから譲られた賢者の石を代価に奪われた視力を取り戻した他、後にエドも真理の扉そのものを代価として支払う事でアルを取り戻している。ただし、真理は錬金術の力の全ての源である為に、真理の扉を代価にするともう錬金術が使えなくなり、真理のところに行く事も2度と不可能となる他、そもそもこれは精神の混線でアルの扉と繋がっていたエドだからできた芸当であり、普通の者が扉を代価にすると帰り道も無くなるので、現実世界に戻れなくなる。
彼等は、この世の生きとし生ける全ての生物の中に「真理の扉」がある事と同様に、全ての生物の中の扉に存在する。そして「オレ(私)は"おまえ"だ」と自身の事を評している通り、実際にその扉を持つ本人を投影したような外見(主に身長)と性格(一人称を含む)をしている。
エドワード・エルリック→本人とほぼ同じ身長。年相応の少年のような性格で、人を小馬鹿にした態度をとる。一人称は"オレ"。初登場以降は通行料として奪ったエドの腕と脚を持っている。
アルフォンス・エルリック→冷静で物静かで、やや悲観的な性格をしている。一人称は"ボク"。最初の人体錬成後は全身を通行料として奪った為に、痩せ細っている以外は完全に元のアルと変わりない姿になっている。また、奪った肉体の量が多かった為か、真理としては珍しく持ち主であるアルやその兄のエドに対しても友好的で、元のアルにより近い性格になっている。
ロイ・マスタング→本人とほぼ同じ長身。性格及び一人称は不明。
お父様→本体と同じ球状で、高圧的で厳格な性格をしている。一人称は"私"。
また、お父様は人体錬成の禁忌を犯して真理に辿り着いた者が、通行料として肉体を持っていかれる事を「思いあがった者に対して正しい絶望を与えるため」と語っているが、実際に通行料として奪われる肉体を選定しているのは、錬金術師本人の現身とも言える彼等の意思である模様。
基本的には、禁忌を犯した者に対しては徹底して否定的で、特に真理を利用する事を考える人間に対しては、一貫して愚かだと言い捨てそれに相応しい罰を与える。まさしくお父様の言う「正しい絶望」を与える存在である。またこのような存在なので、人体錬成を行って扉にやって来た者には非常に嫌味な言動で接してくるが、あくまでも「等価交換」というこの世の原則を守る立場の存在なので、相手がそのルールを守る以上は基本的には必要以上の干渉はしてこない。また、アルの真理はアル本人やエドを信頼している言動を見せ、エドの真理はエドが最後に行った選択に関して称賛とも取れる言葉を贈るなど、やはり本人の人格も各真理にはかなり反映されるようである。
また、真理の語る言葉は全て残酷ではあるが、正しい。
それ故、相手の問い掛けに対しては正論を述べる。逆に相手の言っている事が真理を突いている場合は一切返答せず、黙っている。
お父様が真理に対して「私はこの世の全てを知りたかった!完全な存在になりたかった!欲して何が悪い!?望んで何が悪い!?願い求めて何が悪い!?」と問いかけた際には、一切何も言わず黙ったままだった。
旧アニメ版
本作では錬金術師が持つ力の核は、そもそも「真理の扉」ではなく「真理の門」なので、原作のような人型の真理自体が存在しない。ただし、門の世界に入った幼少期のエドに対しては台詞は無いものの、必要な「通行料」と「等価交換」を門自体が心に語りかけている。
余談
なお、何気にカバー裏や巻末4コマなどではコメディー担当。
関連イラスト
シリアス
笑いにも理解がありマス
混ぜるな自然