あすか組見参!
概要
東映少女ドラマシリーズの第6作目に当たり、1988年4月11日から9月26日にかけてフジテレビ他で全23回が放送された。制作は東映東京撮影所。原作の全国中学裏番長連合編を映像化し、同年夏に公開された同名映画のプロモーションも兼ねていた。
これまでの木曜夜7時半枠から月曜夜7時半枠へ放送枠を変えて再起を図るも、ローカル枠だった為、遅れネットをはじめ、ローカル帯再放送枠での後日纏めて放送や、未放送が発生している。
この作品を以て東映少女ドラマシリーズは終了。
過去シリーズとの違い
過去の東映少女ドラマシリーズとは以下の点が違っていた
- 主人公が中学生(過去シリーズは高校生)
- アウトロー同士の戦い(少女コマンドーIZUMIもアウトローだったが、正義の味方や勧善懲悪の範疇からは離れなかった)
等の新機軸でシリーズの新たな潮流を作ろうとしたが、如何せんローカル枠の放送だった為、遅れネット、纏めて放送、未ネットの地域が多く、当初より2クール半年の放送予定だった(逆を言えばヒットしていたら放送延長の可能性もあった)とは言え、意図通りには行かなかった。また、裏番組の「(雪印アワー・板東英二の)わいわいスポーツ塾」(TBS系列局)の存在も大きかった。
スケバン刑事シリーズが宇宙刑事シリーズ、少女コマンドーIZUMIが巨獣特捜ジャスピオンなら、本作は時空戦士スピルバン(シリーズ集大成)か超人機メタルダー(新機軸を打ち出すも、メタルダーは打ち切られた)と言った趣か。
キャスト
主人公
- 九楽あすか:小高恵美 24金の金貨を武器に戦う主人公(1号キャラ)
- 堂本美子:小沢なつき ポップコーンを武器に使う最後の2号キャラ、いつも何か食べている描写が多い
- 香月はるみ:石田ひかり 泰山学園生徒会長、最後の3号キャラだが、戦闘より知略がメインで、あすか組の鎹の様な存在。ドラマ版のオリジナルキャラクターで原作には登場しない。
- ナレーション:中西龍
全中裏
東京都内中学校裏番組織の略。全員女子中学生で構成される。
- ひばり:佐倉しおり 言わずと知れたラスボス。西洋貴族風ドレスでいつも人形を持ち歩いている。あすかには特別な思い入れがあるようである。
- 春日:本田理沙 ひばりの腹心。原作では男性であるが、ドラマ版では男装をした女性である。
- 紅:加藤麻里 いわゆるザコキャラ、私利私欲で動く為全中裏の悩みの種になっていて、人望が全くない。ひばりに心酔しているが、自身がひばりの手の上に踊らされていることに気づいていない。あすかに自慢の顔を傷つけられたことから、あすかのことを逆恨みし、あすかに決闘をしかけるも失敗。その責任を取らされる形でひばりによって蘭塾入りさせられた。
風林火山
ひばりの部下、いつも4人一緒に行動することが多い。当初はあすか達の敵として登場したが、最後はあすか達に協力する。
- 風:速水昌未 本名は中津川風子
- 林:千葉美加 本名は衣田青葉
- 火:和久井映見 本名は赤間真琴、演者の和久井は当時17歳でこの作品が俳優デビュー作となる。
- 山:蜷川香子 本名は山川京子
余談
第13話で、映画版のあすかがドラマ版の世界へタイムスリップ(または次元転送)し、夢の共演を見せた一方、ドラマ版のあすかと映画版のあすかとの関係は視聴者の解釈に委ねられる。
スタッフ
- 原作:高口里純(角川書店(現:KADOKAWA)月刊ASUKA連載)
- 企画:前田和也・中曽根千治
- シリーズ構成:武上純希
- 音楽:津島利章
- 監督:田中秀夫・大井利夫・前嶋守男
- 制作:東映・フジテレビ
主題歌
「Get a chance!」(第1話-第8話)
作詞:森雪之丞 作曲:中崎英也 編曲:中村哲 歌:BaBe
「BLUE WIND」(第9話-第16話)
作詞:許瑛子 作曲・編曲:後藤次利 歌:小高恵美
「悲しげだね」(第17話-第23話)
作詞:許瑛子 作曲・編曲:後藤次利 歌:あすか組(小高恵美・小沢なつき・石田ひかり)
挿入歌
「早春の駅」
作詞:許瑛子 作曲:都志見隆 編曲:中村哲 歌:小高恵美
「きれい?」
作詞:川村真澄 作曲:筒美京平 編曲:鷺巣詩郎 歌:小沢なつき
「少女・熱風・天然色」
作詞:売野雅勇 作曲:芹澤廣明 編曲:鷺巣詩郎 歌:石田ひかり
関連タグ
花のあすか組!(映画版)・放送が後半の88年8月に公開されたが、時代設定等は別物である。
少女コマンドーIZUMI:前々作で東映少女ドラマシリーズ第4作目。視聴率不振で打ち切られた。
藤子不二雄の夢カメラ:前作で東映少女ドラマシリーズ第5作目。「少女コマンドーIZUMI」打ち切りを受けて制作された。
じゃあまん探偵団魔隣組:制作元と放送局繋がりで作中テレビに映る番組として登場。魔隣組のメンバー・田トシカズが熱心な視聴者である。