「お前の全てを秤にかけろ 引き返せぬ道を指し続ける お前の折れた秤にな!」
「お前は……………友を助けに行くべきだ……………」
CV:梅原裕一郎
この記事はネタバレ情報を含みます。原作やアニメ未視聴の方は注意してください。 |
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巻頭ポエム
痛みは無い
その天秤から
眼を逸らせぬ事以外に(70巻)
概要
見えざる帝国の精鋭部隊星十字騎士団の一人であり、その団長及び、最高位(グランドマスター)の地位に君臨する実力者。事実上国家のNo.2として皇帝であるユーハバッハの補佐を務めている。
同じ騎士団のメンバーであるバズビーとは幼なじみであるが、後述する過去から彼とは大きな因縁がある。
人物
ユーハバッハから授かった聖文字は「B」で、騎士団の仲間達からは「次期皇帝」と称されている。
作中ではユーハバッハをはじめ多くから「ハッシュヴァルト」と名字で呼ばれることが多く、下の名前であるユーグラムと呼ぶのは(正確には渾名のユーゴー)親友だったバズビーのみである。
身長は189cm。11月5日生まれ
外見は長い睫毛に腰ほどまである金髪が特徴で、髪型やシルエットがユーハバッハに酷似している。マントの下には騎士団員の例に漏れず白いダブルのロングコートを着用し、襟元には緑色のファーが付いている。左腰には鍔の辺りに天秤の意匠のあるロングソードを携えており、これを用いて一護の天鎖斬月を破壊した。
非常に冷静沈着な性格の持ち主で、ユーハバッハの命令を絶対視するほどに忠実。仲間内にはドライな態度で振る舞う(主に問題児のバズビーやバンビエッタには特に厳格)姿が印象的。
能力
The Balance(ザ・バランス)
「世界調和」の名を持つ、聖文字"B"の能力。
世界に起こる不運を幸運な者に分け与えることで、世界の調和を保つ。
彼を中心に一定範囲内で起こる「不運」を、「幸運」な者に分け与える能力。例えばハッシュヴァルトの攻撃を防げばそれを幸運とし、次の攻撃は不運に見舞われ対処不可能になる等、事象の反転とも言える現象が発生する。
また、『身代わりの盾(フロイントシルト)』という逆五芒星の意匠がある盾を所持しており、盾の能力で自身に起こる不運(ダメージ)を盾に移し替え相手に跳ね返し、さらに世界調和の能力で自分にダメージを与えたという幸運と同等の不運(ダメージ)を相手に与えるというチートプレイをやってのけた。
即ち、ハッシュヴァルトにとっての「不運」は全て他者へ「分け与えられる」ことになり、本人は常に「幸運」に守られた状態でいられる。
武器の両刃の長剣による剣術を使い、一護の卍解である天鎖斬月を破壊するほどの力量を持つ。
また、ユーハバッハとリンクしており、ユーハバッハが眠りについている間は彼がユーハバッハの力を有する。
過去と本編での動向
過去篇
約千年前、現世にてユーハバッハが君臨する「光の帝国(リヒトライヒ)」の管轄下であった村に生まる。両親はおらず、同居する叔父に怯えながら二人で暮らしていた。ある日、弓でウサギを仕留めようとするも失敗。そこに現れたバズビーがそのウサギを仕留めるという形で彼と出会い、ネガティブな性格で腕に傷痕がある(叔父による虐待と推測される)ハッシュヴァルトを案じたバズビーに子分にさせられる形で友人となり、彼から必要とされたことで喜びを見出だす。
その後、光の帝国全域を制圧せんとするユーハバッハに村を焼かれて叔父を失い、同じく住処を失い怒るバズビーからユーハバッハへの復讐を薦められるが、叔父から解放されたからか消極的な態度を示すが、それでも友でいてくれるバズビーのために復讐を手伝う形で力を磨いた。ユーハバッハの「右腕」として近いて彼を殺害することを目標に鍛練を続けるも、しかしながらいつまで経っても滅却師としての能力は開花せず、霊子を集めることはおろか弓の一つも作れなかった。
そして5年後、部隊を率いてやってきたユーハバッハに右腕として抜擢され、そこで初めて自分が「分け与える能力を持つ滅却師」であることを知る。ユーハバッハに近づけたことで当初のユーハバッハ殺害という目的に近づけたと思う中、右腕に選ばれなかったバズビーから鋭く睨まれ、祝福されないことに困惑する。その直後にユーハバッハから「お前が必要だ」と自身の存在を受け入れてもらったことを嬉しく思い、彼に仕えることを決める。しかしその選択は実質友であるバズビーを裏切ることになるが、ハッシュヴァルトにとってはユーハバッハに選ばれた自分を受け入れないバズビーこそが裏切りであり、激昂するバズビーが放った神聖滅矢からユーハバッハを護ったことで訣別の道を選び、その後星十字騎士団に入団した。
星十字騎士団結成から3年後、ハッシュヴァルトは騎士団の団長となる(3年の間に昇格したか最初から団長だったのかは不明)。バズビーが入団した頃には今のようなドライな性格になっており、バズビーに対しても一定の距離以上踏み込ませないような雰囲気を醸し出していたが、気性の荒いバズビーを粛清しようとした副団長のヒューベルトを規則に則った形ながらも制していたことから、バズビーへの情は失ってはいない様子だった。
第一次侵攻
侵攻時に対峙した可城丸秀朝を真っ二つに斬り伏せて殺害し、ユーハバッハと共に侵攻の戦局を見ていた。
侵攻の終盤にキルゲの監獄の能力を突破した一護の天鎖斬月の刀を破壊するも、時間制限が来た事をユーハバッハに伝えて退却。
第二次侵攻
新たに着任したばかりの一番隊隊長・京楽春水と対峙するも七緒が張っていた結界に阻まれ、戦況を覆す為に力を解放しようとした時にユーハバッハから帰還命令を受けたために退却。
ユーハバッハの勅令によって負けたBG9、蒼都の処刑を行い、処刑後はユーハバッハの傍で戦況を見守るが、味方もろとも殲滅せんとするグレミィの隕石落としには流石に焦りをみせて「陛下を守れ」と聖兵達に指示をだす。
そして新たに騎士団入りした石田と共にユーハバッハの霊王宮侵攻に同行。
真世界城
1度目の「聖別」で満身創痍になりつつも霊王宮に突入してきたバズビーに対しても心配するような言動はせず、むしろユーハバッハに仇なす敵として対峙し、感情を捨てたような態度で打ち倒し、そこでユーハバッハと同じ目(目に瞳が3つある状態)を開眼した。
その後は、あらかじめ裏切ることを予想していた石田との一騎打ちに入り、Bの能力で石田を圧倒していたものの、ユーハバッハが(もはや自分以外何も必要ないと判断したため)行った2度目の「聖別」により戦闘不能になった。
実は、バズビーを裏切ってしまったことに対して彼なりの後悔や葛藤はあったらしく、自分と同じ「命か友か」の選択をしなければならなくなった石田に対し、「秤にかける事もできず、迷いに追われて決めたことは、すべて後悔になる」と告げた後、死亡した。また、バズビーに対する敬意か、彼の持つ剣の柄には、かつての友情の証である『B』のイニシャルが入ったバッジが埋め込まれていた。
後日談
小説では直接の出番はなかったものの、生き残った星十字騎士団を助けるよう部下に遺言を遺していたことが判明。それによりバンビーズが生還した。
仲間を次々と静粛してきた彼だが、陛下と違い、何だかんだで仲間思いの一面もあったようだ。
余談
ところどころ白哉を彷彿とさせるシーンのあるキャラであり、死神代行篇の白哉と同様に一護の斬魄刀を折っていたり、バズビー戦の雰囲気がどこか白哉VS恋次と似ていたり、身内を始末するようなドライキャラであったり、ラスボス一歩手前の敵であったりと共通点が存在する。