大柳賢
おおやなぎけん
「今のぼくはぜんぜん負ける気がしないッ!」
概要
ジョジョの奇妙な冒険第4部「ダイヤモンドは砕けない」の登場人物。小学6年生の11歳。通称「ジャンケン小僧」。
全体に巨大安全ピンのような意匠の付いた黒または紺色のワンショルダーサロペットに、ヒッピー風ヘッドバンド(ヒッピーバンド)という個性的なファッションだが、
どこにでもいるごく普通の男子小学生。
「写真のおやじ」によりスタンドの矢で頬を射抜かれ、スタンド使いとなった。頬に開いた穴からは口に含んだものがこぼれたりするが、本人は何も気にしていない様子。言動からして「尊敬に値する大人に勝ち乗り越えることで成長できる」という人生観を持っている模様。
吉良吉影を探す岸辺露伴の前に現れ、「ジャンケンをしよう」としつこく絡んでくる。
スタンド能力の影響があったのかどうかは不明だが、彼自身は純粋に「社会的成功者である露伴を打ち負かして乗り越えたい」と思っていた模様。
当然露伴は相手にしなかったが、喫茶店で一瞬立った隙に席を奪う、タクシーの列に割り込むなどの
嫌がらせをする事で無理矢理ジャンケン勝負に持ち込んだ。
1戦目では普通に負け、2戦目では何らかの攻撃を仕掛けてくる事を警戒した露伴に
「ヘブンズ・ドアー」を使って次の手を確認されたうえ、「岸辺露伴に攻撃できない」と書き込まれたために敗北した。
しかし、書店で露伴が買おうとした画集を横取りする事で勝負させた際に1勝。
スタンド能力(後述)が発動し、ヘブンズ・ドアーの能力を1/3奪い取る事に成功した
(この時の口ぶりからして、ジャンケンに勝つことで相手の能力を奪い取れる事は知らなかったと思われる)。
ここで彼の持ちかけたジャンケン勝負が5本勝負(=3本先取で勝ち)である事が発覚し、
2敗の状況からの逆転を目指しジャンプ史上どころか漫画史上類を見ないレベルの
超スタイリッシュジャンケンバトルを繰り広げた。
ヘブンズ・ドアーの能力が吸収された事によってスタンド能力を使ったイカサマが
できなくなった真剣勝負の4回目は大柳少年が勝利。運の流れは完全に自分に来ていると
ギャンブル漫画めいた事を豪語し、ガラスのシャワーを浴びても傷一つ負わない様を露伴に見せつけた。
しかし、これに対し露伴は「自分の『運』を乗り越える事こそ最も難しい事」と反論し、
先程敗北した「悪運のグー」であいこを取り、乗り越える覚悟を見せた。
そして最終戦、露伴は最初からパーを出すと宣言し、対する大柳少年はチョキ。
露伴の敗北か…と思いきや、策によりチョキ→グーに変えられてしまう。
この負けに納得せず、赤ん坊を人質に取って再勝負を望んだが、力づくで運をモノにした
露伴の前にはもはや相手にならず、あっという間に3連敗してしまう。
ヘブンズ・ドアーによって「一生ジャンケンに勝てなくなる」「スタンドはボロボロになる」と
書き込まれそうになるが、「自分の精神を左右されるぐらいなら自殺した方がマシ」と
爆走してくるトラックの前に身を投げ出し自殺を試みた。
しかし、露伴はこの劇画じみた根性を気に入り、自らもトラックの前に飛び込み彼を救う。
自ら危険を犯してまで自分を救った露伴の姿に感銘を受けた大柳少年は完全敗北を認めた。
なお、この直後のシーンではいつの間にかどこかに行ってしまった赤ん坊を
一緒に探すような素振りを見せており、根っからの悪ガキなわけではなく、
どうしても露伴と勝負したかったが為に数々の挑発を行っていた事が窺える。
その後、露伴が釘を刺した通り能力を悪用せず、普通の少年として過ごしたようだが
頬に開いた穴はなぜか塞がる事はなかったらしい。たまに食べた物がそこから出たりするが、
本人は特に気にしなかったようである。
露伴とのジャンケン勝負時における演出のオーバーぶりと、ぶっ飛びっぷり(物理)は有名で、しばしばパロディに用いられる。
TVアニメ版では3部最終戦もかくやという描かれ方をしており、視聴者の笑いを誘った。
なお余談だが、原作では初登場時に民家の塀に登って庭先の柿をこっそり味見していたのに対し、
アニメ版ではなぜかイチジクに変更されているというものすごい細かい修正が入っている。
基本的に原作の描写を踏襲しているのになぜここで…と思うところだが、
仗助と露伴がチンチロリン勝負をした回では「サマーシーズン到来」と言われている事などから、
10月~11月が旬の柿の実がなっているのは時期的に不自然という判断があったのかもしれない
(イチジクは夏果が6月~8月、秋果が8月~11月前後まで実がなるため、
このエピソードの時期が夏寄りだったとしても秋寄りだったとしても不自然ではなくなる)。
実写ドラマ版では、「四つ辻」で転び、気絶したことでスタンド能力が「ギフト」として発現。その後の展開は概ね原作通りである。