概要
ハドソンが1987(昭和62)年に発売したファミコン用シューティングゲーム。タイトルのヘクター(HECTOR)はメインプログラマのあだ名からきている。
敵が異様に堅い上にいやらしい動きをしてくることや、耐久力制でありながら敵の攻撃で最低でも4ポイント(ゲージの4分の1)食らうなど何気に難易度が高いことで有名。そのためか人によって評価が大きく分かれるソフトでもあるが、BGMについては評判は良いようである。
ちなみに、敵のその異様な堅さから「全国ファミコンキャラバン」では使用禁止であった連射機能つきジョイパッドの使用が許可されていた。
pixiv内ではどういう訳かメイン画像のイラスト以外は、クリーチャーのイラストにつけられている。
ストーリー
星暦4622年、時間旅行社(タイムハープ社)の調査船団は太古の地球へ調査に向かった、しかしそこで待ち受けていたのは異様に発達したバイオメカの大群であった。バイオメカの大群の攻撃を受け、自機である「ノア号」一隻残し全滅してしまった。
一隻残ったノア号はバイオメカの大群相手に孤独な戦いに向かうこととなる。
システム
各面は"HISTORY n"(nは数字)で表記され、各面最後に待ち受けるボスを倒せばステージクリアとなり次の面に進む。自機は耐久力+残機数制で、16ポイントある耐久力(画面左にゲージがある)が0の時に敵の攻撃を受けたり、地形に衝突すると1ミス。残機数が0の時にミスするとゲームオーバー。コンティニューは無い。1ミスした場合はその面の最初からリスタートとなる。
最終面をクリアするとエンディングの後2周目になり、自機がノア号からボンバーキングの主人公「ナイト」に変わる。(ただし、武装はそのまま)
自機「ノア号」
Bボタンで光粒子砲、Aボタンでクラスター爆弾(※)を発射する。光粒子砲は空中の敵にクラスター爆弾は地上の敵を攻撃するが、奇数面と偶数面では若干異なり奇数面では光粒子砲は空中の敵専用、クラスター爆弾は地上物専用(挙動は両方とも敵などに当たるか画面外に出て行くまで画面上方向に直進)であるが、偶数面では光粒子砲が自機からまっすぐ右に発射されクラスター爆弾は右斜め下に落下した後、着地すると上り坂か壁に当たるまで右に地形に沿って進むという挙動の違いがあるだけでどちらでも敵を倒すことが可能。
※・・・本稿における「クラスター爆弾」は、実在する兵器である「クラスター爆弾」(親子爆弾)とは異なる。
キャラバンモード
「TDK全国ファミコンキャラバン」で使われるゲームモードと同じ仕様のゲームモードが実装されており、制限時間内の得点を競う2分モードと5分モードがある。2分モードはHISTORY 1(通常モードより少し短い)、5分モードはHISTORY 1とHISTORY 3になる。1ミスするか時間切れ、時間内にクリア(5分モードはHISTORY 1とHISTORY 3合わせて5分以内)すると終了。クリア後に時間が残っていた場合は最大10秒分までボーナス点となる。
面構成
奇数面は縦スクロール、偶数面は横スクロールで構成されている。
奇数面
当たり判定は空中の敵と敵弾のみで、地上物には自機との衝突判定が無い。地上物として砲台や機雷発射口があり、これらはシャッターが開いているときにクラスター爆弾を打ち込むと撃破できる。また所定の場所に配電盤が隠されており、クラスター爆弾を打ち込むと出現し、再びクラスター爆弾を打ち込むと画面内の地上物(敵のみ)が連鎖的に爆発し、普通に倒したときより高得点が得られる。また盛り上がっている箇所にクラスター爆弾を何発も打ち込むと枠が出てきてさらに打ち込むとアルファベットが書かれたパネルが現れボーナス点が得られる。このパネルは各面ごとに"H"と"E"、"C"と"T"、"O"と"R"となっており、アルファベットを揃えると"HECTOR BONUS"というボーナス点が得られ高得点が得られる。また地上にある像はクラスター爆弾を何発も打ち込むとカプセルを出し、取ると耐久力が回復する。耐久力が満タンのときは得点が得られる。
面の最後にいるボスには4~8門の援護砲台がおり、クラスター爆弾で破壊することもできる(HISTORY 5のみ不可能な模様)がボス撃破時の連鎖爆発に巻き込むと普通に破壊するよりも高得点が得られる。ちなみに、HISTORY 1のボス「イオタキャノン」のみ本体が地上物のボスであり、HISTORY 3と5では空中物である。
偶数面
奇数面と異なり「地形」が存在し、ぶつかると1ミスとなり、またカプセルを出すオブジェクト(偶数面では機械でできたミミズのような形状)もぶつかると1ミスになる。冒頭の洞窟侵入までは地形はほとんど無いが、洞窟内に入ると壁や天井などがあるため、下手な避け方をするとぶつかる事があるので注意が必要となる。しかも、偶数面は動きのいやらしい敵(特に口から触手の生えた河豚のような敵)が多いため、動きを読まないとあっという間に1ミスとなってしまう。
また、洞窟内では火柱(HISTORY 2、HISTORY 4)や水柱(HISOTRY 6)、天井の般若みたいなものから流れ出る溶岩(HISOTRY 6)も接触すると1ミスになる。
高難易度たる要因
- とにかく敵が堅い
- 敵の攻撃のダメージが大きい上に、敵によっては一撃食らっても1ミスになる敵もいる
- 敵の動きがいやらしい(特に偶数面)
- 1ミスするとその面の最初からやり直し。
- ダメージが大きい割に回復カプセルの回復量が小さい(1ポイント)
- 自機のパワーアップ要素が無い
難易度は高いがやり込めばクリア不能なゲームではない。
余談
- 奇数面のボスの援護砲台はHISTORY 1が最大で同時に4門が攻撃と一番激しく、HISTORY 3では同時に2門、HISTORY 5では1門ずつと何故か緩くなってくる。
- 最終面のボス「ヘクター」が放つ弾は通常弾のように見えるが、放物線を逆にしたような弾道を描き、ダメージが大きい上に自機のダメージ直後の無敵時間が通用しないというチートじみた攻撃であるが、本体が動かないことと、攻撃の挙動にパターンがあるので比較的安全な場所がある。
関連タグ
ヘクター'87・・・元々の表記