ヘクター87
へくたーはちじゅうなな
HUDSONSOFTが1987(昭和62)年に発売したファミコン用シューティングゲーム。
タイトルのヘクター(HECTOR)はメインプログラマのあだ名からきている。
登場する敵が異様に堅い上にいやらしい挙動の為撃破しづらく、耐久力制でありながら敵の攻撃で最低でも4ポイント(ゲージの4分の1)喰らうなど何気に難易度が高いことで有名。
そのせいか人によって評価が大きく分かれるソフトでもあるが、BGMについては概ね評判は良いようである。
因みに、敵のその異様な堅さから「全国ファミコンキャラバン」では使用禁止であった連射機能つきジョイパッドの使用が許可されていた。
星暦1024年、地球に起こった第3次世界大戦は人類の遺産や記憶を焼きつくしてしまった。
その失われた過去を求めて、星暦4622年、時間旅行社(タイムリープ社)の調査船団が太古の地球へと旅立つ。
しかし、調査船のほとんどは異様に発達したバイオメカの群れに遭遇し追撃された。
ただ一隻生き延びたノア号は、バイオメカの謎を探るべく古代地球での戦闘を開始した。
各面は"HISTORY n"(nは数字)で表記され、各面最後に待ち受けるボスを倒せばステージクリアとなり次の面に進む。自機は耐久力+残機数制で、敵の攻撃で16ポイントある耐久力(画面左にゲージがある)が0を下回ったり地形に衝突すると1ミスとなり、その面の最初からリスタートとなる。残機数が0の時にミスするとゲームオーバーとなるが、コンティニューは無い。
最終面をクリアするとエンディングの後2周目になり、自機がノア号からボンバーキングの主人公「ナイト」に変わる。(武装はノア号と同じ)
奇数面は縦スクロール、偶数面は横スクロールで構成されている。
奇数面
当たり判定は空中の敵と敵弾のみで、地上物には自機との衝突判定が無い。
地上物として砲台や機雷発射口があり、これらはシャッターが開いている時にクラスター爆弾を打ち込むと撃破できる。また、所定の場所に配電盤が隠されており、クラスター爆弾を打ち込むと出現し、再びクラスター爆弾を打ち込むと画面内の地上物(敵のみ)が連鎖的に爆発して普通に倒した時より高得点が得られる。
また、地面が盛り上がっている箇所にクラスター爆弾を何発も撃ち込むと枠が出現し、更に撃ち込むとアルファベットが書かれたパネルが現れボーナス点が得られる。
このパネルは各面ごとに"H"と"E"、"C"と"T"、"O"と"R"となっており、アルファベットを揃えると"HECTOR BONUS"というボーナス点が成立し、高得点が得られる。
また、地上にある像はクラスター爆弾を何発も撃ち込むとカプセルを放出し、これを取る事で耐久力が回復する。耐久力が満タンの時は得点が得られる。
面の最後にいるボスには4~8門の援護砲台がおり、クラスター爆弾で破壊する事もできる(HISTORY 5のみ破壊不可能。後述の連鎖爆発でも得点なし)が、ボス撃破時の連鎖爆発に巻き込むと普通に破壊するよりも高得点が得られる。ちなみに、HISTORY 1のボス「イオタキャノン」のみ本体が地上物のボスで、HISTORY 3の「アトランコマンダー」とHISTORY 5の「ムーメダル」は空中物となっている。
偶数面
奇数面とは異なり「地形」が存在し、接触する1ミスとなり、カプセルを放出するオブジェクト(偶数面では機械でできたミミズのような形状)もぶつかると1ミスとなる。
冒頭の洞窟侵入までは地形はほとんど無いが、洞窟内に入ると壁や天井などがあるため、下手な避け方をするとぶつかる事があるので注意が必要となる。しかも、偶数面は動きのいやらしい敵(特に口から触手の生えた河豚のような敵)が多い為、動きを読まないと体当たりを喰らい、あっという間に1ミスとなってしまう。
また、洞窟内では火柱(HISTORY 2、HISTORY 4)や水柱(HISTORY 6)、天井の般若の顔みたいなものから流れ出る溶岩(HISOTRY 6)も接触すると1ミスになる。
因みにHISTORY 4とHISTORY 6のボスは本体にダメージが通る唯一の弱点となっている箇所があるため一定ダメージを与えるごとに「バシュー!」という音が鳴る。(『キャラバンシューティングコレクション』(SFC)収録版では「ゴグーン!」という音になっている)
- とにかく敵が堅い
- 敵の攻撃によるダメージが大きい上に、敵によっては一撃喰らっただけで1ミスになる敵もいる
- 敵の動きがいやらしい(特に偶数面)
- 1ミスするとその面の最初からやり直し
- 敵から受けるダメージが大きい割に回復カプセルの回復量が小さい(1コにつき1ポイント)
- 自機のパワーアップ要素が無い
- 奇数面のボスの援護砲台はHISTORY 1が最大で同時に4門が攻撃してくる為一番激しく、HISTORY 3では同時に2門、HISTORY 5では1門ずつと先に進むに連れて何故か緩くなってくる。
- 最終面のボス「ヘクター」が放つ弾は通常弾のように見えるが、放物線を逆にしたような弾道を描き、なおかつダメージが大きい上に自機の被弾直後の無敵時間が通用しないというチートじみた攻撃であるが、ボス本体が動かない事と、攻撃の挙動に一定のパターンがあるので比較的安全な場所がある。
- 本作では他のSTG同様得点により1UPするが、回復カプセルの得点によりスコアが1UPする得点に達した時のみ「ピロリロリッ」という音が鳴り、それ以外では1UPしても音がしないという少々変わった仕様になっている。
- 1ミスするとその面の最初からやり直しといういやらしい仕様を逆に「利用する」と得点稼ぎに利用でき、巧くやれば同じ全面クリアでも倍近い得点を稼ぐことができる。