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AH-64の編集履歴

2012-05-09 18:05:58 バージョン

AH-64

えーえっちろくよん

アメリカ陸軍の戦闘ヘリ。1970年代に入って増強された、ソ連戦車隊への対抗として生み出された。新型のAGM-114「ヘルファイア」を運用できるように設計され、『空飛ぶ対戦車砲』である。複雑・高価な機体であり、採用国は多くない。また、整備の複雑さを嫌った海兵隊ではAH-1を使い続けている。

ソ連戦車の脅威

現在、アメリカ陸軍はこのAH-64を主力と位置づけている。

開発のきっかけは、1970年代のワルシャワ条約機構ソビエト含む)戦車隊の大幅増強であり、NATO軍は数の上での劣勢が予測されたからである。


そのため、AH-64は『空飛ぶ対戦車砲』としての機能が期待され、

最初から「撃ちっぱなし能力」を持つAGM-114の運用能力を持つ事が決まっていた。


当時の陸軍主力戦闘ヘリであるAH-1には、有線誘導であるTOWミサイルを運用していた。

これは『命中するまで照準スコープで狙い続ける必要がある』という欠点があり、

発射して自分の位置が露呈しても、照準スコープを覗き続ける危険を冒さなければならなかった。

しかし新型のAGM-114「ヘルファイア」は違う。

一度発射すればそれだけで良く、後は隠れるなり逃げるなり自由に動けるのだ。


この能力で「神出鬼没の対戦車砲」として戦場を駆け回り、

戦車隊の脅威を小さくしようという訳である。


AGM-114「ヘルファイア」

「ヘルファイア」とは『HELicopter Launched FIRE-and-forget』の略であり、

『ヘリコプターから発射できる撃ちっぱなしミサイル』の意味である。

(少々強引だと思うが)


アメリカ陸軍の主力戦闘ヘリ

・・・と、当初はこのような目論見であった。

結局『アメリカとソ連の最終戦争』は起こらず、AH-64は活躍の場を失ったかに見えた。


1990年、イラククウェートに侵攻して、

国連は事態の鎮静化のために多国籍軍(国連軍ではない)の派遣を決定する。

いわゆる1991年の湾岸戦争勃発である。


第2世界でも随一の軍備を誇るイラクだったので、

アメリカをはじめとする多国籍軍はドイツに集積していた『最終戦争』用の装備を持ち出した。

それは主にM1エイブラムス戦車の精鋭部隊だったのだが、その中にAH-64もあったのである。


この戦争でAH-64は本来の能力を存分に発揮し、

イラク軍の戦車装甲車を800台以上撃破したという。

他にもレーダー施設や防御陣地の攻撃に投入され、大きな戦果を記録した。


反面、砂漠用のヘリでは無かったので故障が多発し、すぐに整備し直さなければならなかった。

また2003年のイラク戦争では、

戦争初日にAH-64の集団(30機)がイラクの防空陣地に接近しすぎてしまい、

全機が損傷し、1機などは不時着する被害を受けている。


また、農夫の目の前で不時着したAH-64が『農夫の撃墜』として報道された事もある。

テレビカメラの前で古い小銃を手に取材を受ける農夫の後ろには、ほぼ無傷のAH-64が映っていた。

実態はこちらも「エンジントラブル」だったようだ。

(パイロットは不時着後に徒歩で逃亡している)


兵器の定型

AH-64は『見た目の割にヤワ』というイメージが広まってしまった。

これはAH-64は複雑・高度な兵器であり、さらにヘリコプターである事も手伝っている。

ヘリコプターはローターの力でやっと浮いている代物なのである。

同じ価格の飛行機に比べても、速度や整備性は悪く、故障率も高い。果ては燃費まで悪い。


このような兵器の存在を許しているのは『戦術上の必要』であり、

これでも大分良くなった方なのだ。

(傍から見れば、やはり不完全なのだろうが)


イギリス向けはWAH-64

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