概要
「腐敗の賢老」の異名を持つ魔族。
名前の由来はドイツ語で「苦悶」を意味する"Qual"。
魔王軍有数の魔法使いで、1000年以上生きたフリーレンが自身よりも格上と称した魔法使い。
人間を殺すために威力の高さ、魔法耐性の無効化、速度に優れた「人を殺す魔法(ゾルトラーク)」を編み出し、多くの魔法使いや冒険者を葬り去って来た実力者。
ヒンメルも当時は倒しきれず封印という形で対処し、80年以上経った作中にて遂に封印が緩み復活、その事態を見越して訪れてきたフリーレンと再度対峙する事になる。
だが彼の主力であった「人を殺す魔法」は、封印されてからの長い年月で人間にも使えるように改良され、それに対抗するための防御魔法も生み出されて「一般魔法」となってしまった。
皮肉にもあまりに優れた危険性・有用性から、積極的に解析と研究が行われたのである。
その事実を知っても至極冷静で、防御魔法の仕組みを即座に解析し「行使の際に多量の魔力を消費する」という弱点を突いて消耗を誘うべく猛攻撃を加え始める。しかし魔法の速射を得意とするフェルンとフリーレンの連携に気づかず、防御魔法を行使するフェルンへの攻撃に夢中になっている隙を突かれ、フリーレンが更に独自に改良発展させた「魔族を殺す魔法(ゾルトラーク)」を受けて一撃必殺で葬り去られた。
80年という、魔族にとっては短いが人間にとっては十分に長いその時間の中で自身の編み出した魔法を解析されてしまったことに加え、勝機を見出したことから生じた少なからぬ油断を突かれてあっさりと倒されてしまうこととなった。ある意味、時代の流れに取り残されてしまったことが彼にとっては不運だったと言えよう。
とはいえ、短絡的かつ豆腐メンタルな者ばかりな本作の魔族の中では、自ら作り出した魔法で多くの人間を葬り去って来たその実力に加え、そして異例な程に高い胆力と学習能力を持ち合わせた真の天才だった事は間違いない。
序盤に倒されて以降も物語が続く中、その成長性と柔軟性はいまだに危険視されており、読者からは「あの時点で倒せて本当に良かった」と死後も株が上がり続けている。