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開高健の編集履歴

2023-03-17 23:30:48 バージョン

開高健

かいこうたけし

日本の小説家。戦後を代表する小説家の一人。

開高健(かいこうたけし)は戦後を代表する小説家の一人。代表作に『輝ける闇』など。本名は「たけし」だが、ペンネームとして「かいこうけん」と名乗っていたこともある。


概要

大阪市天王寺区出身。大阪市立大学在学中に文学に目覚め、谷崎潤一郎主宰の同人に参加していた。大学を卒業した後、職場を転々としていたが、壽屋(現:サントリー)勤務の女性(後の妻)と結婚。妻が育児退社するとともに、代わりに文筆の能力を買われて同社の東京支店に中途採用された。


そこで文才を遺憾なく発揮し、宣伝部の広報担当として大活躍を遂げる。コピーライターとしてトリスウイスキーの「人間らしくやりたいナ」など、能力を遺憾なく発揮し、しかも入社中に『裸の王様』が芥川賞を受賞するなど、その文才を花咲かせ、受賞直後に会社をやめて小説家となるとともに、サン・アドという広告代理店を共同で立ち上げた。


後に朝日新聞の臨時特派員としてベトナム戦争の最前線を取材し、そこで大きく人生に影響を受け代表作となる『輝ける闇』を執筆。小説家として一躍、その名を高めることになった。その後は闇シリーズとして三部作を作っている最中、急激に小説の執筆意欲が衰えかと思うと病魔に侵され、58才の若さで都内病院にて死去。


作風

大江健三郎北杜夫中上健次らと並び、戦後を代表する、文学史にも名を採り上げられることが多い小説家である。それでありながら、サントリー勤務での社会人経験を生かし、それまでの文学作品には稀薄だった資本主義、経済観念、マーケティングの知識が遺憾なく文章に発揮されているなど、純文学作家でありながら、サスペンス小説家を思わせるようなシビアで写実的な作風が特色で、今もなお熱心なファンも多い。また、エッセイストとしても地位を高め、週刊プレイボーイでは人生相談のコーナーも持っていた。


また、若い頃は大岡昇平に強く憧れていた。そのため、彼の『野火』『俘虜記』のような戦記文学を書きたいがために、わざわざ現地へ赴いている。ただ、ベトナム戦争に大きな影響を受け一時的に抱いた反戦的な思想も、周囲の過激化する左派の思想についていけず、結局は保守的な立場に戻った。


趣味

大の釣り好きとして有名であり、『オーパ!』はブラジルのアマゾン川流域を訪問したときに書き留めた写真付きのエッセーであるほか、何冊も釣りや釣り紀行に関する書籍がある。


また、大の美食家でもあり酒を初め、高級食材から海外料理、郷土料理から果てはゲテモノ食いまで幅広く手を出した。サントリーローヤル、サントリーオールドのCM出演歴もある。そのため、また、食の描写においてもかなりのこだわりが見られる(食に対する記述は、とにかく他の作家の追随を許さないほどである)。


なお、幼少の頃は戦後の混乱も相俟って貧しい暮らしを強いられており、彼が美食家になったのはその反動でもある(結婚前にパン工場など食品関係の仕事に興味を持ってたのも、小学生の時にクラスメートからパンの施しを受けたのがきっかけだと『輝ける闇』に著されている)。


余談

遅筆としても知られ、それを語るエピソードとして講談社の「群像」へ入稿する予定だった小説を、間に合わないから文藝春秋の「文學界」にその場しのぎで載せてしまい、以後20年近く講談社から関係を断絶されることになる。


それでプレイボーイの人生相談コーナー掲載中に投稿者から「書いた?書けん!」(開高健をかいたかけんとわざと読んでもじったもので、開高と編集のやりとり)と揶揄されたが、本人がそれをやたら気に入り、何度もサインのネタにしていたほど。


代表作

  • 輝ける闇 ベトナム戦争をルポして書いたもの。開高の最高傑作の呼び名も高い。その後のベトナム文化を描いた『夏の闇』、未完だが『花終わる闇』へと続く余地江
  • 裸の王様 芥川賞受賞作。この時に賞を競った作品が大江健三郎の『死者の奢り』だったことで、大江・開高時代の幕開けともいわれた。
  • 巨人と玩具 マーケティングの光と闇を余すことなく描いた傑作。映画化されヒットした
  • 日本三文オペラ 地元大阪にあった貧民窟(俗にいうアパッチ)を現地取材した作品
  • 新しい天体 開高の美食っぷりが存分に発揮された作品。
  • オーパ! アマゾンでの釣り体験を書き綴ったエッセー。人気作となり、舞台を他に移した続編も出版された。

など


関連リンク

大岡昇平 サントリー ベトナム戦争 芥川賞 釣り

山口瞳 サントリー宣伝部の同僚だったらしい

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