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大岡昇平(おおおかしょうへい)は日本の小説家。東京出身。代表作に『野火』など。戦記ものの第一人者であり、三島由紀夫安部公房らと並ぶ第二次戦後派の重鎮。


概要

東京生まれ(父母とも和歌山出身だが、戦前に没落したため昇平本人は知らざる故郷と呼んでいた)。成城高校時代にフランス語を学び、中原中也とも知り合う。高校を卒業した後に京都帝大(今の京都大学)文学部に入学、次第に文学に目覚め、中原中也らと一緒に同人活動を行っていた。卒業後にスタンダールに傾倒していく。


しかし、戦争が激しくなってフィリピンのミンドロ島へ派遣され、道中でマラリアに罹患し、タクロバンの俘虜病院に収容される。ただ『俘虜記』によると、そこでも英語がある程度話せたことで戦地で命拾いし、収容先でも書記として重宝され米兵たちとも意思疎通していたようであり、時々退屈凌ぎや物資稼ぎに小説なども書いていたらしい。戦後になって疎開先の兵庫県明石市に戻り、そこで戦争体験を糧に小説活動を始めながら、小金井に移ってからフランス映画の翻訳を生業とするようになる。


小説家の活動としてはフィリピンでの戦争、俘虜体験を書き綴った『俘虜記』やその経験を生かしたフィクション作品、『野火』『レイテ戦記』などの戦記もので小説家として大きく地位を得るようになり、中でも『野火』は今でも大岡の最高傑作といわれている。それ以外の作品も手掛けており、熱烈な推理小説ファンが自分も書いてみたら賞まで取ってしまった『事件』、また意外と恋愛小説も多く、ドロドロの恋愛模様を描いたヒット小説、『武蔵野夫人』(本人曰く海外小説のオマージュ)や実話に基づいた『花影』などが知られる。


かなり舌鋒鋭い人物でもあったらしく、よく史実をめぐって他の歴史小説家や文芸批評家と衝突を繰り返し、敵を作りやすい性格であった。他方、多趣味でもあり、特に子供や孫が生まれてからは文学以外にも漫画を好み、はるき悦巳じゃりン子チエ萩尾望都などの少女漫画を気に入っていた。音楽も好きでロック(洋楽)やポップス(邦楽)も嗜み、演劇も好んだりしていた。


1988年12月25日という昭和の終わり間近に死去したため、小説家の間では大岡がこの世を去って昭和という激動の時代が終わったとも評されている。


代表作

  • 野火 現代文学の最高傑作の一つともいわれている戦記作品。下の俘虜記と違い、こっちはフィクションである。
  • 俘虜記 本人の俘虜生活の実体験に基づいた半ば私小説。
  • レイテ戦記
  • 武蔵野夫人
  • 花影
  • 事件 推理小説

など


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小説家 スタンダール 中原中也 推理小説 フィリピン

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