概要
2016年6月24日生まれ。生産は新ひだか町の飛野牧場。父ディープインパクト、母リトルブック、母父Librettist。
母リトルブックはイギリスからの輸入牝馬で、三冠牝馬ジェンティルドンナの母ドナブリーニの半妹であり、共に父父Danzig×母父Lyphard's Specialという血統。
ジェンティルドンナの父もディープインパクトなので、つまりロジャーバローズとジェンティルドンナは8分の7同じ血の従姉弟ということになる。
経歴
2歳
2018年8月に新潟競馬場の新馬戦でデビュー。そこで勝利するが、10月の紫菊賞(500万下)で2着と敗北してしまう。2歳はこの2戦で終える。
3歳
1月の福寿草特別(500万下)を勝利するが、スプリングステークスを7着と大敗する。クラシック1冠目の皐月賞に出走することは叶わなかったが、その後、京都新聞杯で2着となり、日本ダービーへ出走する。
日本ダービー
日本ダービーでは無敗で皐月賞を制したサートゥルナーリアが1番人気。ロジャーバローズは18頭中12番人気と全く期待されていなかったが、1枠1番という好枠順を引き当てた。
レース本番は本命サートゥルナーリアが出遅れるという荒れた始まりになったもののロジャーバローズは逃げ馬から少し離れた2番手につけることに成功する。
逃げたリオンリオンが1000mを57秒台という凄まじいハイペースで引っ張り、バラついた体勢で最終直線に向かった各馬たちの中、ロジャーバローズは早めに仕掛けてリオンリオンを捕らえ先頭に立つと、そのままダノンキングリーの追撃をクビ差退けて1着。
ダービーレコードを0.6秒更新する2分22秒6というタイムでの決着となった。単勝2桁人気馬のダービー制覇は1966年のテイトオー以来53年ぶり(偶然にもロジャーバローズと同じく12番人気であった)、鞍上の浜中俊にとっても初のダービー制覇であった。
引退
ダービー後、秋は凱旋門賞への遠征が予定されていたが、8月になって屈腱炎を発症してしまう。
その数日前に父ディープインパクトが亡くなっていたこともあり、現役を引退、彼の後継種牡馬の一頭として種牡馬入りすることとなった。初年度産駒からオープン馬を出し活躍を期待されていたが、その矢先の2024年6月25日、8歳の若さで急死してしまった。
ドゥラメンテ(2015年・9歳没)、ワグネリアン(2018年・7歳没)と、2010年代のダービー馬のうち3頭が馬齢1桁で早世してしてしまう事となった。
また、令和時代のダービー馬としても最初にこの世を去る事となった。
余談
栄誉あるダービー馬の一頭として挙げられるロジャーバローズだが、実は馬主側の都合によりウイニングポストには収録されていない。同馬がクラシックを戦った2019年はウイポのナンバリングが9に代わったばかりの作品だったが、その時は年初に1勝クラスを突破したばかりにもかかわらず収録されなかった。当時ダービー馬が同年発売作での収録を逃したパターンは、2008年のディープスカイと彼の2例だけ(2024年にダノンデサイルが新たに加わった。)だったのだが、2020ナンバリング以降も彼が登場することはない。『10』までは同馬の祖母であるCal Norma's Ladyが、ドナブリーニの母として登場するわけではなかった(ドナブリーニが繁殖牝馬になってからの登場のため。仮にもドナブリーニは当地の2歳GⅠ馬なのにもかかわらずである)ため、ロジャーバローズの血統を完全に再現することが不可能だったが、『2024』ではドナブリーニが競走馬として使用可能になり、伴ってCal Norma's Ladyも母として使えるようになったため、血統の再現なら可能になった。
光栄の謝罪代わりなのかわからないが、同作以降はサードステージがこの世代の穴を埋めるように生産可能になっている(特殊な条件は必要だが)。なお、ウイポと双璧を成す競馬ゲームであるダービースタリオンには種付け可能な種牡馬として普通に登場している。