概要
GIF の代替フォーマットとして作られた PNG はアニメーション機能を持っていなかった。そのため、アニメーションを扱える規格として MNG 形式が PNG から派生して作られた。しかし MNG は構造が複雑だったこととライブラリが巨大で重いためにほとんど普及しなかったどころか一時サポートしていた Mozilla Corporation は撤退した。そこで同社が新たに作った規格が APNG (エーピング)だ。
GIF アニメが256色しか扱えないのに対し、 APNG は 24bit のフルカラーで扱うことができるうえ、透過色を複数定義できる(よって、32bit になる)。
これにより綺麗な透過の動画を作成できる。
また、 GIF に比べて圧縮率が高いため画素を保ちつつファイルサイズをさらに小さくできる。
これだけの利点を持っていながら、2012年時点で APNG に対応しているブラウザシェアは 1/5 程度であった。
2014年秋、Safari(iOSとMacの双方)がAPNGに対応し、またAndroidでもGoogle Chrome等APNGを再生できるプレイヤーが現れ、ようやく普及の兆しが見え始めている。
2017年、Firefox とその派生、Google Chrome 及び Chromium とその派生、Opera、Safari が正式対応がなされており、Internet Explorer と Microsoft Edge を除く主要なブラウザでサポートされている。
2023年現在OSレベルでは、macOS、iOS、iPadOS、Android(対応してないものもある)、ChromiumOS派生OS(GoogleChromeOS等)がアニメーションpngに対応しており、ブラウザアプリケーションではFirefox、Chromium派生ブラウザ(Google Chrome、Opera)、Safariが対応。ただし、Microsoft系ブラウザ(Edge)はChromium化するまで結局非対応だった(ただし、Windowsのフォトビューアーを含むものは非対応)。
閲覧環境に恵まれる一方、作成対応ソフトは乏しく連番PNGで書き出して別ソフトを使ってAPNGにしているクリエータがほとんどだと思われる。
なお、Windows標準の画像閲覧ソフトのフォトビューアーでは残念ながら現在でもサポートされていないので、有志開発者によるダウンロードサイトや有料のシェアウェアの配信サイトから購入及びそこからいずれの中からインターネット経由で落としてくる必要がある。
以下に挙げているマイクロソフトのアプリストアなどがあるのでググって探してみよう。
余談ではあるが、 Mozilla Corporation が APNG を提唱するより前、 APNG はアルファチャンネル付き PNG 画像データ (透過 PNG) のことを指していた。
pixiv において
pixiv ではこの APNG を動イラ形式のイラストとしてアップロードすることができ、ごく少数ではあるが APNG を扱った作品も見受けられる(ただし、ヘルプでは動イラの対応形式とは書かれてはおらず、公式なヘルプとしては投稿不可能と書かれている)
発見当初はサムネイルからアニメーションを確認可能だったが、現在は画像のサムネイルをクリックしなければアニメーションしない。
また、作品投稿時の画像確認画面でもアニメーションするので、投稿時に動作確認できる。
GIF to APNG
GIFファイルをAPNGファイルに変換してくれるフリーソフト。
使い方は変換したいGIFファイルを読み込み、変換ボタンを押すだけなので至極お手軽。
Animated Images
Paint.netでAPNG形式やアニメーションGIFを扱うためのプラグイン。
APNG Assembler
複数のPNGファイルからAPNGを作れるフリーソフト。
WindowsとmacOS向けにはGUI版も有り。
アニメ画像に変換する君
WindowsとmacOS用の複数のPNGファイルからAPNGを作れるフリーソフト。
LINEスタンプアニメーション作成を意識している。
関連タグ
APNG, Firefox, Thunderbird, アニメーション,GoogleChromeOS