概要
ちいかわに登場する用語。ただし、作中でこの用語が出てきたこともなく。あくまでもファンの間から自然発生した用語であり、公式の用語ではない。
また、注意点として、そもそも何をもってちいかわ世界の怪異であるという定義も無い。
極論すれば、ちいかわ世界そのものが一種の巨大な怪異である。
この記事では、ファンの間から怪異と称されたものや、モンスターなどを記載するとともに、考察を交えた解説を載せる。
重ね重ね言うように、これはあくまでも公式の見解や発表ではなく、一ファンによる考察とネット上での意見をまとめたものである。
この記事の閲覧は、一種の二次創作として、作品世界を楽しむための一助として参考にする程度に留めてもらいたい。
作中での扱い
まず、怪異について言及すると、作者のナガノによる個展であるナガノ展にて、「たまに出てくるこわいやつ」として、モンスター登場回の原稿展示コーナーにて紹介された。
そこでは、作中の主人公であるちいかわ達に危害を加えるモンスター達が紹介されていた。
この「こわいやつ」は、特に理由なくちいかわ族（と鎧さんたち）を襲ってくる危険な存在である。
この中でも特に、虫のような種族と、獣のような種族は討伐対象になっており、この他に魔女や巨人のような、人型の知的生命体もいる。
「擬態型」・「友好型」のようにその特性に応じて分けられていることが描写されている。
獣のようなモンスターは、ちいかわ族がなんらかの原因で変異した存在ではないか？という可能性も示唆されているが、公式からの解説はない。
登場した主な「怪異」についてはモンスターそのものでなくちいかわ達に危害を及ぼすような現象そのものも含むファンからの便宜上の呼び名である。
ここでは、主に怪異と呼ばれる現象と、その現象が起きたエピソード、そして怪異と関わりの深い「こわいやつ」の紹介と解説を行う。
ちいかわが直接遭遇した怪異
キメラ
CV:國府田マリ子
作中で最初に登場した怪異。ちいかわ族に近い容姿でをしており、ピンク色の体色と、虫の様な羽や紫色の尾があるキャラクター。また、手にも鋭い爪が生えており、自分の意思で出したり引っ込めたりできる。
ちいかわの前に「こんなになっちゃった…」と泣き笑いの表情を浮かべて登場し、「なっちゃったからね…」と何かを諦めた様に呟くと、突如手から鋭い爪を生やしちいかわに襲い掛かろうとした。しかし、ちいかわに激しく抵抗され、半笑いのまま「こわいこわい」とどこかへ飛び去っていった。
黒い流れ星
ちいかわ世界に度々登場する星たちの中でも黒い体色をしたもの。
通常の星とは違い、少しとぼけたような表情をしているが、作中に登場した星の中でも特に与える影響が大きく、ちいかわ世界の中でも半ば都市伝説化した存在でもある。
黒い流れ星の存在を知っていたハチワレ曰く、「黒い流れ星に願いごとをすると願いが叶うが、嫌な気分になる」というもので、実際に黒い流れ星に願いをかけたちいかわは、同じ一週間が際限なく繰り返される無限ループに陥った。作中では無限ループを解除したことでことなきを得たが、ナガノ展では無限ループを解除できなかったちいかわの姿が来場者特典で開示され、精神を破壊されてやけ気味の笑い声を上げるちいかわの姿が描かれた。
しかし、これは黒い流れ星が悪意を持ってやった事ではなく、黒い流れ星なりの善意によるものである。
無限ループに入る前、穏やかな日々をハチワレと過ごしていたちいかわは、夜空を見上げた際に「この穏やかな日々が続くよう」に願った。しかし、その願いを聞いた黒い流れ星は、それを「楽しい1週間を繰り返させる」ことによって叶えようとした。
とある方法で撃退しない限りループはずっと続く。
CV:マシューまさるバロン
いわゆる五芒星の中に顔が描かれた存在。
黄色い星の多くは、歯を食いしばった何かを耐えているような、或いは少し怒っているような表情をしている。しかし、実際には悪感情の発露というわけではなく、単純にこの表情がデフォルトなだけの様た。
何故か吹き出しの中身が筆記体で表現される。作中で最初に登場した際には、流れ星として空から落ちてきた。
その後、複数の星たちとともに巨人に捕らわれていた形で再登場。ただし、全員同じ表情であったため、これが流れ星として落ちてきた星と同一人物？かどうかは不明。
巨人に騙されてやって来たちいかわやハチワレの奮戦により救出され、お礼に魔法でごちそうをふるまっている。
あくむ
草むしり検定の試験勉強をするちいかわに、バクのような姿をした「たまに出てくるこわいやつ」が見せた悪夢。
基本的にはちいかわの目標である草むしり検定に落第する内容なのだが、その内容は見るごとに酷さを増しており、最初は単純に試験に間に合わないだけだったものが、水責めを受ける。試験に合格したと思ったら実は嘘。と言った具合に、ドンドンと恐ろしさを増していく。
夜食の移動販売に釣られて外に出たちいかわの前に現れと、象のような姿の怪異に悪夢を見る術に掛けられてしまった。
ゾウ(もしくはバク)のような姿の怪物。四肢の他に四本指の触手を持つ。
対象に催眠をかけた後「にらめっこ」を持ち掛け、触手と尻尾でくすぐり無理やり笑わせて勝つというタチの悪い戦法を取り、この勝負で負けてしまうと毎晩悪夢にうなされる羽目になる。
逆に自分が笑わされてしまうと死んでしまうため、ちいかわの持ってきたゆっくり溶けてる何かを見て噴き出しかけた時も往生際悪く否定していたが、最期はちいかわとうさぎのチームプレーにより弱点の足の裏をくすぐられて大笑いし爆散した。
ちいかわトリオが巻き込まれた怪異
なんとかバニア
なんとかバニアとは、ちいかわの世界に存在する手に収まるサイズの人形。
ちいかわたちが道に落ちていたなんとかバニアの人形を拾うと、突然藪の中から後述する謎の老婆が現れ、老婆の手によってちいかわ、ハチワレ、うさぎの3人は魂を抜き取られ、人形の中に封印されてしまい、絶体絶命の危機に陥る。
その後、ハチワレが「なんとかなれ」っと、近くで見つけたペットボトルのふたを老婆の足元に転がしたことで老婆がこけて、事なきを得た。
魔女（ワシの力じゃ）
CV:國府田マリ子
緑の肌の魔法使いの姿をした老人。一人称は「ワシ」。
ハチワレが持っていた三体の「なんとかバニア」とちいかわ達の身体を交換し、「なりたいやつがいるんじゃ……こういう……風に…」と意味深な言葉を言いながら、魂が抜けたちいかわ達の身体をどこかへ持っていこうとした。しかし、ハチワレの反撃により転倒、そのままフェードアウトとなった。
更に初登場から約2年後、今度は同じ顔の山姥が登場。当初は山で怪我をしてしまったちいかわたちを助けて友好的に接するが、翌朝になって本性を表し襲ってくる。しかし正体に気づいていたうさぎの機転により倒され、ちいかわ・ハチワレは目論みに気づくことなく下山した。
服装や肌色が変わっているが、変装、別個体の可能性の両方がある。
呪いの杖
うさぎがリサイクルショップで買ってきた杖。いわゆる魔法のステッキのような形状をしており、振ると欲しいものがなんでも出てくる。この杖でうさぎはケーキ、ハチワレはカメラを出すが、ハチワレが出したカメラは撮ったものが消えると言う代物で、このカメラもまた一種の怪異と言えるものだった。
更に、この杖を使って願いを叶えた二人は姿を徐々に変えていき、一時的に化け物そのものになった。
その後、杖をちいかわが壊したことで二人は元の姿に戻ることができた。
このストーリーが掲載された頃から怪異とちいかわ達の関係が考察されるようになる。
小さな友達（ちいかぶ）
ちいかわ達が見つけた洞窟の奥でちいかわが見つけた生き物。洞窟は厳重に封印されていたが、ハチワレがスイッチを押したことで封印が解けてしまい、洞窟に侵入してきた彼らの前に姿を現した。
洞窟に置いて帰ったはずだが、ついてきてしまったのかちいかわの家に現れ、結果としてちいかわが引き取ることになった。ちいかわにはそれなりに懐いていたような様子であった。
外見はカブトムシのような角を生やした、ちいかわ達より更に小さい小動物で、柔らかくてもちもちした体で、甘めのたまご焼きのような匂いがするらしい。
読者からは「かぶちゃん」「ちいかぶ」と呼ばれることもある。
当初こそ可愛らしいペットの様な姿を見せていたちいかぶだが、自分よりも体格の大きなちいかわを抱え上げて空を飛ぶ、うさぎの顔に飛びつく、ハチワレに鋭い牙で噛み付く、自分の体ほどの大きさの虫型のモンスターを喰らいつくすなど、徐々に恐ろしいモンスターの片鱗を垣間見せ始める様になる。
その後、労働の鎧さんが「友好型」では、と判断した直後に本性を見せてちいかわ達に襲いかかった。
危ういところでちいかわ達は鎧さんの機転で辛くも難を逃れることに成功する。
ちいかぶが正体を表してちいかわ達に襲いかかった姿。作中で最初に登場した「擬態型」の「こわいやつ」である。
ちいかわに懐き、読者にちいかぶと呼ばれた姿から一転して、筋骨隆々な人とカブトムシを足し合わせた様な姿になって労働の鎧さんとちいかわ達に襲いかかった。
その後、このカブトムシがどうなったかは語られていないが、洞窟に封印されるだけはあるほどの恐ろしさを見せた。
ちなみに、これ以前作中に登場したカードゲームのキャラクターで「カブト王」というそっくりなキャラクターがいたが、関連は不明。
「あのこ」に関連する怪異。
あのこ」
ちいかわ達が「おっきい討伐」で出会った怪物。いわゆるケモノのような姿をしているが、角、するどい爪、ドラゴンのような巨大な尻尾をもつキメラで、戦闘力もかなり高い。
上述した様に、その正体については読者からちいかわ族なのではないか？と考察されているが、現状ではその正体は不明。
ちいかわトリオと遭遇した時は、必要以上な攻撃をせず、意味深にカエルを指差した後に、うさぎの爆撃に驚き逃げたが、その後も度々作品に登場しており、徐々にその凶暴性に拍車をかけつつある。
当初こそ、いずれは理解し合えるかもしれないと言う希望を抱かせた存在であるが、登場するたびにちいかわ族への蹂躙が目立つ様になっていき、明確な意思を持って危害を加えるような姿を見せている。
特にちいかわを捕食した様な描写が挟まれた時には、多くの読者が慄然とした。
詳細は個別記事を参照のこと。
おっきい討伐&オフィスグリコ
ちいかわでも重要なキャラクターである「あのこ」が登場したエピソードである。
「あのこ」について語る前にオフィスグリコについて説明する。
オフィスグリコとは、主に従業員向けの福利厚生サービスの一つで、お菓子を扱っている置型販売サービスのことである。
カエル型の貯金箱が備え付けられた、お菓子、飲料、アイスが蓄えられた専用のボックスが存在しており、貯金箱にお金を入れることでそのボックスからお菓子などを取り出しサービスである。
そんなオフィスグリコが設置されている工場では、一人のちいかわ族が働いていた。
ポシェットの鎧さんのファンであり、その鎧さんからパジャマを購入したそのちいかわ族は、工場でたまたま隣になったちいかわと、オフィスグリコのサービスを通じて知り合い、ちいかわが鎧さんのパジャマを愛用していることで仲を深めていく。
そんな中、ちいかわ、ハチワレ、うさぎは新たに“おっきい討伐”に挑戦しようと意気込み、森でまさしくその目的である「おっきい」キメラに遭遇する。一度はそのキメラに挑んだちいかわ達だったが、ハチワレが尻尾の一撃で重傷を負ったことで窮地に陥る。
そんなちいかわに対し、その「おっきい」キメラはまるで何かを訴えるかのように突然カエルを指差しはじめた。
その後、うさぎの尽力もありキメラを追い払ったちいかわ達は討伐をリタイアする。
そうして再び日常に戻ったちいかわだったが、工場に「あのこ」の姿は無く、ちいかわは新しい討伐に向けてお金を貯め始める。
これらの一連のエピソードから、事の真相を元により深い考察を重ねられる様になった。
飢饉
基本的にちいかわ世界では、「湧きどころ」と呼ばれる食料が無限に湧き出る場所が存在するが、ある日、そんな湧きどころの食料が枯れる事態が発生する。
食事を求めてちいかわ族の多くが料理店や労働に殺到し、ちいかわ達は仕事にあぶれてしまう。
そんな中、ちいかわはやむなく木の実の採取で食いつなぎ、その内に再び湧きどころが復活する。
しかし、この飢餓を通じてちいかわ世界には複数の疑惑と、 闇が描かれることになった。
まず、ちいかわが木の実の採取をしていたところ、同じく食べ物に困ったモモンガが襲ってきており、ちいかわにかじりついた際に「うまみがない」と言い、ちいかわを襲うのをやめている。
一方で「あのこ」もこの飢餓編の際に登場したが、最初はちいかわ同様に木の実を食べていた「あのこ」は、自身を討伐しに来たちいかわ族を返り討ちにした後に、新たに何かを食べて喜んでいた。
ここで「あのこ」が食べていたものに関しては詳細は描かれていなかったが、描写から「あのこ」がちいかわ族を捕食していたであろうことが想像できる。
ここからちいかわ族の味覚と怪異（キメラ）の味覚は違うということと、キメラ化したちいかわ族はちいかわ族を捕食するということが描かれていると思われる。
そしてこの飢餓の最大の疑惑にして闇が、湧きどころが枯れた時は、ちいかわ族が捕食されることで復活するのではないかという仮説である。
うさぎがきっかで巻き込まれた怪異
木彫りの楽器
うさぎがリサイクルショップで買ってきた木彫り(楽器)で蝶になったちいかわ達。
元の体に戻る事を選んだちいかわと、力を自覚し、徐々に暴力を謳歌するようになる「おっきい討伐編」の討伐対象との対比が胸を打つ。
入れ替わり
ちいかわ達は、うさぎが見つけたという廃墟のゲームセンターにやってきた。そこにあるスロットゲームで遊んでいると、いつの間にかちいかわ達3人の体と心が入れ替わってしまう。
スロットゲーム
廃墟のゲームセンターに設置されていたスロットゲーム。ゲームセンターコインを入れることでしか動かず、出目が出るとスロットゲームに描かれている顔が歌い出す。
ちいかわ達は入れ替わりの出目を出したことにより、三人がそれぞれの中に入れ替わることになった。
入れ替わり以外にも何かしらの効果があるのかは、不明。
その後、ちいかわ達が元の体に入れ替わったのを見届けたモモンガにより、破壊される。
呪いの旅館（拾魔）
うさぎがちいかわとハチワレに旅行のお土産としてピンク色の石をプレゼントした。しかし、その後すぐうさぎは再び姿を消してしまう。気になった二人は、うさぎを探そうとするが、何かに導かれるように古い館に辿り着く。館の中には「拾魔(ひろま)」と書かれた部屋があり、皆がピンクの石を削っていた。その中にはうさぎの姿もあったのだが、うさぎはちいかわとハチワレと共に石を削った後に、ピンクの石像へと姿を変えてしまう。
蛇の置物
廃業したと思われる旅館の「拾魔」と書かれた大広間にいた蛇の置物。置物なのに素早く動くことが出来る。
洗脳に近い能力があるのか、ちいかわ族を拾魔に集めて石を削らせていた。さらに、その石を持ち帰らせ、お土産として配ることで、新たににちいかわ族を拾魔に呼び寄せようとしていた。
また、目からビームを出し、ビームを浴びた者を石に変える力を持つ。
ちいかわはこの特性を利用し、鏡にビームを当てることで蛇の置物を石に変えることでことなきを得た。
これにより、石に変えられたハチワレとうさぎは元の姿に戻り、拾魔に集められたちいかわ族の洗脳も解けることになる。
ただし、ここで最大の謎として、ピンクの石の正体については述べられずに終わる。
何故なら、削られていた石は石の塊のまま残っており、これが本当にちいかわ族だったのか明かされないまま終わるからである。
そして、石化光線以外の石化の仕組みは詳しく語られておらず、もしもこの石が本当にちいかわ族を削られて作ったものだった場合、最初にここに来て石になったちいかわ族や、その石を削って旅館に呼び寄せたちいかわ族は何故この旅館に関わったのか？と言う疑問が残る。
その疑問に関しては、完全に状況から推測するしか出来ず、推測した予想が正しいかどうかはナガノ先生しかわからない。
なお、ナガノ展にて「蛇の置物はダミーで、メデューサのような本体が別にいる」「メデューサは、『歯応え』を求めている」という設定にする予定だったが没にしたと紹介されている。
