概要
ナガノの漫画「ちいかわ」にて、主人公・ちいかわと同じ種族のキャラクターを指す言葉としてファンに使用されている非公式の通称。表記揺れとして「ちいかわ属」や「モブかわ」などがある(※モブかわに関しては種族そのものというより「ちいかわたちと似た外見的特徴のモブキャラ」を指すことが多い)。
『ちいかわ』の世界には、鎧さんのような人型の種族、キメラやモンスターのような種族(一部ファンの間で「怪異」と呼ばれている)が存在しており、それらと呼び分ける目的で使われる。
特徴
主人公・ちいかわに代表されるように、丸っこく二頭身の姿である。
体格は人型の鎧さんと比べてかなり小柄で、鎧さんの膝ほどの高さに頭が来る。初期のイラストやナガノマーケット・ナガノ展などのグッズでは、同じく二頭身である作者の別作品『自分ツッコミくま』のくまよりも小さく描かれている。
全体的に哺乳類に似た外見で、耳やツノ、尻尾の有無・形の違いがあり、猫やうさぎのような姿をした個体もいる。
ただし、姿がそれら動物に似ているだけらしく、ナガノ展にて「ハチワレはねこではないので、たまねぎやチョコも食べています。※ねこは食べちゃだめ」という解説プレートが展示されていた。
メインキャラクター以外は全身グレーの姿をしており、顔も描かれていない。ファンからは「モブかわ」(「モブのちいかわ族」の略)と呼ばれることが多いほか、アニメ版やグッズでは「グレーの子(たち)」と呼称される。
なお、グレーの体でのっぺらぼうなのはあくまで漫画上の演出と見られ、たとえば「古本屋さん」(カニちゃん)がレギュラーキャラ化した際は、「モブかわ」の姿からピンク色の姿に変化している。また、あのこが過去を回想した際には、主人公であるちいかわ(と見られるキャラクター)が「モブかわ」の姿で描かれていた。
性格は個体差が大きいものの、おおむね純粋で、良くも悪くも楽天的なところがある。総じて歌や踊りを好み、パジャマパーティーズのパフォーマンスが大盛況となるような描写がある。
ハチワレやラッコなど一部キャラクターを除いて、会話は擬音や短い単語、「イヤッ」などの感嘆詞で表現されている。ただし、こちらも漫画的演出の可能性が高く、複数個体が集まり雨乞いのような儀式を行うシーンや、合唱をするシーンでは、しっかりとセリフ(呪文や歌声)が書かれており、意思疎通も普通にできる。
基本的に、森や自然豊かな環境に住んでおり、涌き出たり自生したりする食べ物を食べて生活している一方で、住宅街や商店なども存在しており、インターネットカフェやゲームセンター等、現実世界の人間に近い先進的な文明社会も形成している。
紙幣経済もあり、鎧さんが管理する労働(草むしりや討伐など)で稼ぎ、買い物等を行っている。
量産された食品や印刷物、(動力源は不明だが)自動車やパソコン、ドローンなどの高度な技術を用いた機械が存在しており、またそれが一般市民レベルに定着していることから、社会全体の技術的・文化水準は高いようである。
一方、ちいかわのように町中の戸建て住宅に住む個体や、ハチワレのように洞窟に住む個体がいるなど、特に居住地の管理は行われていないようである。
資格制度があり、検定で取得することが可能。草むしり検定のように、労働の報酬をあげることが出来る資格の他、アルバイトや飲酒等も資格制度となっている。
繁殖方法や性別の概念などは一切不明。コラボ等ではどのキャラも性別問わず衣装を着ている(例えば、ちいかわは七夕コラボでは織姫衣装だが、ヒロアカコラボでは男性キャラの衣装を着ている)。
寿命も不明だが「永遠のいのち」の概念があるため、寿命は存在すると考えられる。また、明確な描写はないが、討伐に失敗する、モンスターに捕食されるなどで、モブかわが命を落としたと思われる描写は存在する。
毛の生え変わりや日焼けによる皮むけなどの新陳代謝が描かれているほか、トイレの設備があることが確認されている。
「寄生きのこ」なるものが頭に生えることがある。切除しないとどんどん成長していき、「どっちが命か分からなくなる」らしい。処理が甘いと再発する。なお、切除したきのこは調理して食べることが出来る。
考察
以下は、明確な描写や公式発表がないものの、恐らくそうであると多くのファンに認識されていることを扱う。
原因は不明だが、何らかのタイミングでモンスター等に変化することがあると考えられている。
例えばあのこは「別の姿」から変化したと明言されている他、喫茶店の店員であるモブかわがモンスター化(※店員のモブかわと同じエプロンをモンスターもつけていた)したと思われる描写がある。
また、モンスター化の理由の一つに「入れ替わり」があることが示唆されている。
ちいかわ達の魂を抜き、脱け殻となった身体を回収する魔女が存在し、魔女は「そういう風になりたい奴がおるんじゃ」とちいかわ族になりたい何者かの存在をほのめかしている。また、魂が入れ替わる不審なスロットマシンも存在している。
モモンガは「この体で可愛いこぶる」(要約)と発言しており、もともとはちいかわ族の身体ではなかったようである。どのようにして変化したかは不明だが、作中に登場するあるモンスターに「返せ」と迫られており、先に述べたスロットマシンを壊そうとするなど、このモンスターと魂が入れ替わっている可能性が高いと考えられている。
ちなみに、元々ちいかわは作者のナガノが「こんな風になって暮らしたい。」と描いたイラストであり、「そういう風になりたい奴」は作者本人というメタフィクションの一つともとれる。
討伐
前述の通り、労働の一つに『討伐』が存在する。
ちいかわ族を無差別に襲ってくる巨大なモンスターや虫(怪異)が存在しており、これらを労働(報酬目的)として討伐する他、護身のため武器を持つ者もいる(※ハチワレは元々護身のためにさすまたを購入している)。
当然、討伐に失敗したり丸腰の時に襲われたりなどして、重傷(大きな傷跡が残る、耳を失うなど)を負うこともあるほか、明確な描写こそないが命を落とす危険性もある。
生存競争にシビアな世界のためか、物騒かつ実戦的な武器が多い。武器は基本的に鎧さんの店で購入しているほか、レンタルも行われている。
討伐ランキング上位4位以上は、武器に似顔絵が彫られる。
さすまた
ちいかわたちが所有する主な武器の一つ。先端が細いΩのような形になっており、トゲがついている。
虫など小型の怪異を討伐するのに有効。攻撃力はあるが個々の威力は低いため中型以上の怪異相手にはよく苦戦する。トゲは意外と鋭い。カラーバリエーションがあるらしく、ちいかわはピンク、ハチワレはブルー、古本屋はグレーのさすまたを所持している。
剣
ラッコが所有する武器。
切れ味は作中随一で、ハチワレが利き手でない左手で咄嗟に振った際に、セイレーンの歌声で動き襲ってきた草の蔓を一刀両断できたほど。普段は鞘に入っている。
棒
主にうさぎが所有する武器。一部モブかわも所有している。
棍棒、もしくは物干し棹のようなロッドで、両端に爆発する仕掛けが施されている。なお、うさぎは討伐上位ランカーへの憧れからか、油性ペンで自身の似顔絵を描いている。
びんよよ
棒状の持ち手の先端にコイルバネと顔の描かれた小さな球体がついたような外見の武器。島に住む島民)が所有していた。
名称は作中に出てくる擬音が由来。バネは丈夫らしく、古本屋がロープ代わりに使用したこともある。その他、敵の攻撃を弾き飛ばして防ぐ、敵を殴るなど使い方は様々。
その他
戦槌、金棒、モーニングスター(トゲつき鉄球のメイス)、サーベル、ヌンチャクなど。またあのこがモブかわ時代の自分を回想するシーンで、槍とおぼしき武器を使っていたことが覗える。
ちいかわ族に類する主なキャラクター
個別記事及びちいかわの登場キャラクター一覧の記事も参照。
メインキャラ
準レギュラー
モブキャラ(モブかわ・グレーの子たち)
- パジャマパーティーズ:それぞれ着ているパジャマの色から緑(2本の角と丸い耳)、赤(モモンガに似た形の耳)、紫(丸い耳)、白(耳がなく頭頂部にやや曲がった1本の角)と呼び分けられている。
- あのこ(オフィスグリコちゃん):長めのまっすぐ立った耳で、ちいかわと同じくピンク色のパジャマを着用していた。
- 上位ランカー:ラッコの相棒らしきモブかわ。金棒を持った上位ランカーは丸い耳と頭頂部に1本のまっすぐな角がある。ハンマーを持った上位ランカーは平たい耳をしている。
- 一本ツノちゃん(戦犯ちゃん):耳がなく頭頂部に1本のまっすぐな角がある。仲間に耳や角のない丸い頭のヌンチャク持ちと丸い耳のハンマー持ちがいたが…。
- 島民:「島編」に登場した、南国風の島で暮らしている個体群。腰蓑や花冠など南国風の装いをしている。
- 葉っぱちゃん:島民のうち、頭に葉っぱをつけた2人組。葉っぱの枚数から、一葉ちゃん、二葉(双葉)ちゃんなどと呼ばれる。