便利屋68
べんりやしっくすてぃーえいと
概要
『ブルーアーカイブ』に登場する零細企業。
社員もといメンバーはゲヘナ学園の4名の生徒――アウトローに憧れるアルと、嬉々としてトラブルを楽しむ幼馴染みのムツキ、アルに恩義のある年少のハルカ、参謀役の最年長・カヨコ。
社名はアルの姓「陸八魔」にちなんだものと思われる。社章も「ⅥⅧ」を頂いた禍々しい角を持つ獣の頭骨。
社長:陸八魔アル (CV:近藤玲奈) 2年 | 室長:浅黄ムツキ (CV:大久保瑠美) 2年 |
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版権らくがき色々⑤byたぬま | ムツキbySB_Lama |
課長:鬼方カヨコ (CV:藤井ゆきよ) 3年 | 平社員:伊草ハルカ (CV:石飛恵里花) 1年 |
ハルカby吉田まくら |
組織紹介および活動内容
元々は「自由と混沌」を校風に掲げ、問題児揃いで悪名高く、いくつもの違法サークルを抱えるゲヘナ学園内で立ち上げられた部活の一つであった。
だが「真のアウトロー」を目指すアルの見境のない活動がヤバ過ぎたせいか一際厄介視され、キヴォトス最強の一角と名高い空崎ヒナを擁する風紀委員会と対立。
以降は学園内で活動ができなくなり、学外にオフィスを構え活動するようになった。
何かと派手な被害を出す事から、あたかも非常に凶悪な集団であるかのように噂されているが、実態を知る関係者からは「セコい悪さをする奴ら」程度にしか思われておらず、メンバーのカヨコさえそれを承知しているような節もある。
ムツキに焚きつけられたアルが勢いで大口を叩き、ハルカが即実行に移して意図せぬ大惨事となり、カヨコが溜息をつく、という一連の流れは便利屋の様式美。
美食研究会や温泉開発部といったゲヘナ内部で暴れている集団とは異なる“企業”という性質から、依頼の内容によっては他校の自治区で問題を起こす可能性が高いため、実態はともかく目を付けられてしまったのではとも推測されている(とはいえ、例に挙げた部活も他校の自治区で大騒ぎを引き起こしている)。
メインストーリーVol.1「対策委員会編」ではとある依頼を受けてアビドス学区内で暗躍しており、プレイヤーたちには早くからその存在と金欠無法集団ぶりが認知されている。
意図せずやらかした爆破事件では自治区同士の抗争の火種になりかけながらも、アウトローとしての矜持と逃げ足の速さでトリックスターとしての地位を確立した。
全員が爆発タイプのストライカーで、役割的にはタンクのハルカが斬り込み、カヨコが威圧で敵を怯ませ、後方からムツキの爆弾やアルの狙撃で追い打ちをかける図式。
劇中では“ポンコツ社長と愉快な仲間たち”のような印象が強いものの、「ヒナがいなければ風紀委員はどうにでもできる」と語り、実際どうにかしてしまった実力者集団である。
イベント『新春狂想曲 第68番』の初回開催時にアル・ムツキ、復刻開催時にカヨコ・ハルカの正月衣装バージョンが実装された。
属性や役割も様変わりしており、アルは貫通、カヨコとムツキが神秘、ハルカは爆発のままだが役割がスペシャルに変更され、統一編成こそ難しくなったものの幅広く活躍出来るようになった。
組織の運営
「金を貰えばなんでもする」がモットー。「法律と規律に縛られないハードボイルドなアウトロー」をビジョンとして掲げ、状況次第では「信頼には信頼で報いる」も適用される。
後先考えずにアルが有り金を仕事に注ぎ込む上に、仕事のやり方には口出しさせないよう依頼人から手付金を取らないという主義を曲げないため、依頼に失敗して成功報酬を受け取れないと途端に経営難に陥る。
加えて信用を得ようと見栄を張って立派なオフィスを借りるせいで、賃貸料が経営を圧迫しており、社の財政は常に綱渡り状態。
欠席届の偽造販売に手を染めた一件では1枚も売れず、不法侵入及び公文書偽造という大層な罪状の割に実入りが全く無かったことも。
初めはアルの寮部屋を拠点としていたが、学園を追い出された当初は公園に張ったテントをオフィスにしていたらしい。以降も事務所を失ってテント暮らしに戻ったり、悪評を買いすぎて別の事務所に移転(夜逃げ)する羽目になったりしている。
銀行から融資を受けようにも、経営状態が破綻しているへっぽこ企業という統計データは粉飾できずに共有されており、審査ではペーパーカンパニーを疑われるレベル。アルの個人口座にいたっては風紀委員会によって指名手配ついでに凍結済み。
こんな有様だが、心からアウトローとしての生き方を追い求めるアルの根っこにある、どうしようもない善良さや純粋さ、あるいは気高さを他の社員は好ましく思っているようで、しばしば白目を剥きながら状況に振り回されるアルが一度腹を決めれば、少数精鋭と呼ぶに相応しい爆発力を見せるチーム。
アルが「愛用品」として装備している高級財布には、彼女らの関係性の一端が表れている。
他人に迷惑をかける生徒には厳しい先生も、彼女らの活動についてはある程度容認し、「経営顧問」として見守っている。
オフィスに飾られている「一日一惡」の書は、アルが習字の宿題で書いたもの(ムツキ曰く「天賦の才」)で、本人は大変気に入っている。カフェの家具の中にはアル(正月ver.)が筆をとって達筆を披露してくれる文机もある。
他の勢力との関係
「対策委員会編」での縁もあってか絡みが多く、特にアルバイトに明け暮れているセリカと関わることが多い。運命のいたずらで銃火を交えながらも、因縁が解消されてからはキヴォトスの少数派同士として対等な関係を築いている。
メインストーリーFinal.「あまねく奇跡の始発点編」でもやはり対策委員会と組んで、砂漠地帯に出現した第1サンクトゥムの攻略を担当。もう使われていない鉄道を使っての陽動作戦を担当している。
マークされてはいるものの、便利屋が基本的には逃げの一手を打っているため、詳細な関係性は描写されていない。
「対策委員会編」では参謀・アコの「アビドスで行動しているというシャーレの先生の身柄を確保する」という目的のために、兵力を差し向ける理由として「同地域をうろついている便利屋を校則違反で逮捕する」という建前に使われるあんまりな役回りだったが、ひとしきり暴れた後にカヨコの分析からヒナの到着を予感するや一目散に逃亡している。
当のヒナは先生にある情報を伝えに来たのだが、便利屋と出会っていれば捕まえた可能性は十分ある。後述の『便利屋68業務日誌』でも公園生活を摘発され、追い回されている。
ブラックマーケットで裏社会の洗礼を受けたサオリが、たまたま居合わせたハルカの暴挙を目の当たりにして“流儀”を学んでいる。その生い立ちから世間知らずな一面のあるアリウススクワッドが、今後のイベントで便利屋に振り回される場面もあるのではと期待(もしくは心配)されている。
他の組織と違って所属する学園の自治区外でも、依頼さえあれば活動する集団であるため、今後も様々な組織と絡む可能性はある。『ブルーアーカイブ』におけるギャグ担当筆頭でもあるため、何をしでかすのか期待したいところ。
ブルーアーカイブ 便利屋68業務日誌
野際かえでによるスピンオフコミック。コミックブシロードWEBにて2022年10月14日より連載中。「便利屋の4人が巻き起こすドタバタ劇」の紹介文どおり、見栄とハッタリと事務所選びに全力投球のアルと、逞しくついてくる社員たちの日常を描く。
少しくたびれたメガネ男子の「先生」(通称・便利屋先生)が登場するのも特徴のひとつ。作者のTwitterアカウントではエピソードの更新に伴って社員たちやゲストキャラのイラストも掲載されている(検索の一例)。ちなみに作者は『ブルーアーカイブ』公式サイトで配布されている壁紙のうち、イベント「新春狂想曲 第68番」をテーマとしたイラストを寄稿している。
余談
- グローバル版での表記は「 Problem Solver 68 」=トラブル解決屋。同初期設定では「Private Eye 68」=私立探偵だった。トラブルを解決してくれそうな初期の探偵設定に対し、解決屋を名乗りながらトラブルメーカーと化している現状は何とも味わい深い。
- 作中で「便利屋69」という下ネタ系誤字が発生したことがある。事もあろうに発言者はアル社長本人。たしかにアルの元ネタであろうベリアルを淫らな堕天使と呼ぶ作品は多いが、あんまりな誤字である。