データ
概要
護国三聖獣の中の一体である天の神。富士樹海の氷穴に封印されていた。
ヤマタノオロチの原型とされており、「護国聖獣伝記」には四本の脚で描かれている。
時の朝廷に討伐されて「クニ」の守り神となった最強の聖獣とされ、完全体になれば地・海・空を支配する最強の聖獣になる事が出来ると言われる。
そのためには一万年の休眠期間が必要なのだが、会社をリストラされ自殺しようとしていた男が首を吊るために要石となっていた石像を踏み台に使ったため封印されていた氷穴が開き、さらにゴジラの出現を察知したことで僅か二千年で目を覚ました。
そのため、翼も折り畳まれた状態で、飛行や引力光線も使えない。
唯一使える武器は、噛みついた相手に高圧電流を流す「サンダースパーク」。
横浜でのゴジラと最珠羅の戦いに割って入り、サンダースパークを仕掛けるがゴジラに投げ飛ばされあっけなくダウンしてしまう。
しかしゴジラの熱線から自身を庇い爆散した最珠羅のエネルギーを分け与えられ、完全体へと進化する。
千年竜王キングギドラ
魏怒羅を庇って爆散した最珠羅の残存エネルギーを受け取り、完全体となった姿。
地・海・空の全てを制覇する怪獣とされ、翼も大きく広がって飛行が可能になっている。
口からは黄金の引力光線を吐き出す他、ゴジラの熱線を黄金の粒子で跳ね返し「ビッグスパークボール」として打ち返すという能力も得ている。
また、鳴き声も第一形態から若干変更されている。
動きも機敏になり、海中に沈んだゴジラの肩の傷をビッグスパークボールで開かせ、水中で羽交い絞めにするなど優位に立つが、特殊潜航艇さつまの放ったD3削岩弾の盾にされて大ダメージを受けてしまい一転して不利になる。
しかし水中に落ちた古代のディスクを吸収して復活し、海中に転落した登場人物達を「空気を吐く」事で助け、追って来たゴジラを最高威力の引力光線で迎撃したが、引力光線を吸収して放射火炎と同時に発射するというゴジラの離れ業を受け大爆発を起こして消滅する。
だがその後、三聖獣の霊魂の状態に変化し、ゴジラを海の底へと引きずり込んだ。
特徴
他の護国聖獣も特異な部分が目立つが、魏怒羅も歴代のキングギドラと比較して以下の部分が特徴的である。
- 明確に「電撃」を武器としている
- 正義の怪獣であり、人間を助けた
- 東洋龍の他に「犬顔」と称される顔立ち(バランのデザインが活かされた)
- 首と翼が比較的短い
- 地中や海中で活動した
- ゴジラよりも小さい
- 一度死んだ身
- 霊体化
- 鳴き声
つまり、翼を折りたたんだ状態で地中を長距離移動してきたという、真面目に考えるととんでもない身体能力を持っていることになる。
翼を使わずに行動したのは『モスラ3』のヤングギドラ以来である(もっとも、ヤングギドラは飛行できるが)。
余談
- 身長は50mで、歴代初の設定としてゴジラよりも小さく、首はダントツで短い。
- 顔にはバランの意匠を引き継いだと言われている犬らしさ、鳴き声や脚には鳥らしさがあり、キメラ的という意味でも霊獣である龍に近い。
- 「黄金の冷凍怪獣」という設定はGMKアンギラスから受け継いだ物である。
- 操る者が全くいないため、ある意味「野生」のキングギドラといえるであろう(朝廷には縛られているが)。
- 古文書の絵画上では四足の龍として描かれており、もしこの古文書の描写が正確なら休眠中に前足が翼になったのだろう……かもしれない。地底洞窟を利用&地中を掘り進んできたこともあり(未完成の翼で掘り進めたのがすごい)、これは歴代でも最も地上生活に適応していたという名残なのだろうか。
- 完全体の放つ光線も設定上は従来どおりの引力光線なのだが、本編での描写を見る限りは純粋な雷撃に似た性質を帯びており、発射音と着撃音もこれまでと異なる。
- 不完全の状態では代用として威力の高い「噛みついた相手に電撃を流す」というこれまでにない攻撃法を使っていることから、この引力光線は(純粋な地球産ということもあり)本当に雷撃なのかもしれない。
- サンダースパークの命名は金子監督のご子息による(オーディオコメンタリより)。
- ギドラの頭については撮影現場で渾名をつけられるのが通例であったが、本作については、金子監督は絵コンテ段階で「佐藤」「中藤」「右藤」という名前をつけていたという。しかし撮影現場では「東宝での伝統だから」とのことで従来どおり「一郎」「二郎」「三郎」と呼ばれていたとのことである。
関連タグ
キングギドラ ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃 護国三聖獣
KINGGHIDORAH2019:「氷の中で眠っていた」「存在が神話生物の伝承に影響を与えた」などの描写に魏怒羅との類似点が指摘されており、金子修介自身も類似性を認識している。また、他の怪獣が「モスラの力を受け継ぐ」という描写がされたのも類似している。