メルトダウン
めるとだうん
炉心融解のこと。原子炉における事故のうち最も危険なもの。チェルノブイリ原子力発電所事故などの原因
やわらかい概要
点検などで発電を止める場合、核分裂によってできた核分裂生成物があり、それが放射性崩壊が起こることによって熱を出すので冷やし続ける必要があるが、冷却剤の量や性質が悪くなったり、大地震などで炉心が傷ついてしまったりするなどの原因で炉心自体が溶けてしまうことをメルトダウン、または炉心融解という。
これが起きると高い温度で他の機器まで痛めつけたり、爆発しやすい水素を発生したりするなど、危険もいっぱい。
かたい概要
何らかの要因で核燃料の冷却ができなくなり、核燃料が過熱し熔けてしまう事故のこと。
不適切な制御指令(ソ連:チェルノブイリ原子力発電所)や緊急時に誤った制御指令を出してしまう(米:スリーマイル島原子力発電所)事により炉の耐久設計を超える激しい核分裂反応を引き起こしてしまったり、緊急停止後に核燃料の余熱や核分裂生成物の崩壊熱を奪うための冷却装置が動作しない(日:福島第一原子力発電所)といった原因で炉内の冷却材が過熱してしまい核燃料の冷却ができなくなることにより起こる。
過熱した核燃料は自らをも熔かしてしまい炉の周辺機器などに損傷を与え、また熔け落ちた核燃料が原子炉圧力容器を熔かして漏れ出たり、過熱した冷却材が蒸気爆発することによる原子炉圧力容器の破壊など重大事故につながる。炉の破壊や核燃料の漏出以外にも燃料被服管が焼けて冷却材と反応し可燃性のガス(過熱したジルコニウム合金と水により水素が生ずるなど)が発生するなど思わぬ事故も誘発する。