概要
植物由来のタンパク質やアルカロイド、金属イオンなどの巨大分子と強固に結合して、難溶性の塩を形成する性質を持つ水溶性化合物の総称。
名前の由来は「皮を鞣す」という意味の英語「tan」で、この物質は古くから動物の原料皮から、不要なタンパク質を除去し安定させる製革の鞣し作業に用いられてきた。
またこの物質が含まれている植物体を口にすると、強い渋みが感じられる。
含有している食品の中で代表的なものとして、お茶に含まれているカテキンが結合してできた紅茶や番茶などに含まれるものや、赤ワインの渋み、渋柿などが知られている。
渋みを感じる原理として、口腔内や舌の粘膜表面のタンパク質に結合して変質させているからで、本来は味覚では無く、触覚や痛みに類する感覚であるといわれている。
そのため、摂取量が多かった場合には粘膜を痛めてしまう。
しかし、粘膜の分泌を抑える効果があることから、止瀉作用や整腸作用を期待して漢方などの薬として用いられることもある。