概要
シェディム(Shedim/שֵׁדִים)とは、『旧約聖書』において「申命記」の32章17節および、「詩編」の106章37節に記述されている精霊もしくは悪霊の総称。
日本では「カナンの偶像」や「悪霊ども」とも訳されており、その起源はバビロニアで信仰されていた、牡牛の身体に翼と人の頭部を持つ善霊シェドゥであるともいわれている。
ユダヤの伝承では、マジキン(Mazziqin)と呼ばれるリリスもしくはサキュバスと人との間に生まれた人に危害を加える悪霊であり、死んだはずの者を動かす力があると恐れられていた。
後代になると毛深い姿をしており性格は獰猛で、不機嫌な人間を異形の者の中に置き去りにしてしまう悪魔であるとされた。
しかし悪霊や悪魔とされているものの、彼らが悪とされるのは異教の精霊や神々であるという、唯一の神では無いというその一点のみであり、完全な悪には成りえずに人々に益をもたらすことも可能な存在である。
そのためソロモン王に従った悪魔アスモデウスと同じく、トーラーを守って生きる余地もあるともされている。