キーファ・グラン
きーふぁぐらん
CV:宮野真守(『ドラゴンクエストライバルズ』)
主人公が住むエスタード島を治めるグランエスタード国の王子。
主人公の親友で彼より2歳年上の18歳。
好奇心旺盛で前向きかつ熱血な性格だが、物事に夢中になると周囲が目に入らなくなる悪癖を持つ良くも悪くもトラブルメーカー気質。
物語序盤、世界にはエスタード島以外の陸地が存在しなかった。
キーファは城の地下倉庫から見つかった古文書が関係しているのではないかと考え、主人公に協力してもらいながら謎を解き始める。
漁村フィッシュベル出身のもう一人の友人マリベルや、過去の世界で出会った元狼の少年ガボを仲間に加わえ、4人で世界の謎を解き明かしに過去と現在を行き来しながら世界中を旅する……
……はずだった。
衝撃の別れ(以下、ネタバレ)
物語の比較的序盤、過去の世界に行ったアルス達一行はユバール族という不思議な旅の民族に出会う。
キーファはその中にいたライラという踊り子に恋をする。
そして、彼女とユバール族を守るため「本当にやりたいこと」を見つけた彼は過去の世界に留まり主人公達に別れを告げる。
これがキーファとの今生の別れとなり、主人公達とエスタード島の住民、特にバーンズ王とリーサ姫に精神的に大きなショックを与えた。
この離脱に関しては、キーファに種を使っていたプレイヤーにも大きなショックを与えた。と言うかシナリオ的にも、元々主人公を巻き込む形で始めた冒険・自分の国・家族を惚れた女性のために中途半端に全て放り出したも同然なため多くのプレイヤーから「不誠実」と批判が大きい(苦渋の末に息子の意思を尊重して旅に出るのを許そうと考えていた父バーンズ王や健気に兄の身を案じていたリーサ姫も大きなショックを受けてしまった)。
しかもキーファ離脱直後に攻略するのがあの悪名高きダーマ神殿のため、戦力低下によってかなり苦労する羽目になる。
その後、直接的に彼が物語に関わることはなかったが、エンディングの最後にキーファからの手紙が手に入る。
本文
親愛なる○○へ
オレは今ユバールの民
ライラたちと旅をしている。
お前たちと別れて いったい
どれくらいたっただろうか…。
あの日以来 ジャンも姿を
消したままだ。
オレはユバールの守り手として
ライラと結婚した。
もしこれを お前が
見つけることがあったなら
親父たちに伝えてほしい。
キーファは元気にやっていると。
そして○○。
どんなにはなれていても
オレたちは友だちだよな!
キーファより
…以上である。
これに胸を熱くするかどの面下げてと考えるかは、プレイヤー次第。
なお、物語中盤の終わり頃で仲間に加わる現代のユバール族の踊り子アイラは、先祖が「どこかの国の王子」であったとされており、バーンズ王やリーサ姫からも家族のように慕われることから、キーファの血を引く子孫である可能性が濃厚だった。
後にリメイク版のふしぎな石版における追加ストーリーで子孫であることが明言されることになる。
純粋な戦士系。HPや力が高い反面、MPが0で呪文を一切覚えない。また、成長が非常に早く、「かえん斬り」や「気合いため」などの扱いやすい特技を覚える。
特に「かえん斬り」は、AI行動させた場合によく目にすることだろう。
3DS版では、すれちがい石版を活用するなどして彼のLvを50まで上げると、突如「みのまもり」が狂ったかのように上昇する。まぁ、後に永久離脱するので、自己満足の領域だが。
なお、呪文だけでなく特技にもMP消費をするものがある本作において、転職システムにより多くの特技を身につけられるシステムがあるため、通常は戦士系キャラクターにもMPが割り当てられている。このことから、MPが0のまま一切上がらないことを根拠に、最終メンバーではないことを見抜いたプレイヤーもいるらしい。
ドラゴンクエストモンスターズシリーズ第3作『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』では、幼少期のキーファが主人公を務めている。
PlayStation 4版を除く『ドラゴンクエストⅪ』では、冒険の書の世界で登場。
リメイク版『ドラゴンクエストⅦ』の配信石版の追加ストーリーより更に後、ライラと結婚した後で病気になった彼女を治療する為に、再びカラーストーン採掘所に向かう。
その際、モンスターがうろつくダンジョンにもかかわらず、なぜか武器を持っていなかったことは、多くのプレイヤーに突っ込まれたことだろう。
これに限らずどうも近年、キーファは公式からもネタキャラ扱いされる事が多くなってしまっている。
堀井雄二氏のインタビューでは、キーファの離脱に関して答えている。
それは「本来キーファはもっと後で離脱する予定だったが、育てたプレイヤーの労力とショックへの配慮から前倒しした」というものだった。
離脱自体は「物語に切なさを出したかった」ということで早期に決定していた。
『ドラゴンクエストⅦ』では「おおばさみ」というキーファとアイラ専用の武器があるのだが、これを売っているのはハーメリア地方。具体的に言うとキーファが離脱して5個先の石板世界。
当然、アイラがいないため装備者がおらず、かといってアイラが加入した頃にはデフォルトの時点でもっと強力な武器が揃っており、攻撃力不足で無用の長物。さらに道具使用の効果もなしという、完全にネタ扱いの装備であった。
この他、ダーマでは「くさりがま」「おおかなづち」という彼用の装備があることも有名。前者はガボも装備できるが、ガボの特性で攻撃力が下がるようになってしまっている。
しかし、堀井氏の上記の発言を頭に入れると、少なくともこの時点でキーファは仲間にいる予定だったのではないかと推測できる。要は離脱イベントを前倒しした結果、店売り武器の調整を忘れてこのようなことになったのではないか、ということである。
ちなみに彼が最後に覚える「しんくうぎり」は習得レベル20。これは大体ハーメリアクリアくらいの推奨レベルである。
このことから、「ハーメリアクリア後に加入イベントを行えるメルビンは、キーファの離脱後に穴埋めで加入する予定だったのではないか」と推測するプレイヤーもいるが、「本当に離脱する予定だった時期」に関しては明らかになっていない。
いずれにせよ、「物語に切なさを出したかった」意図や「プレイヤーへのショックへの配慮」は裏目に出ており(育てた労力に関しては、ダーマ後もまだ仲間にいたことを考えたら配慮できているのだが)、結果としてキーファはその離脱の理由や「種泥棒」など不名誉なネタで弄られてしまったのだった。
VジャンプブックスのドラゴンクエストⅦ攻略本の185ページに掲載されている大塔台のマップ写真には、キーファが登場しており、プレイヤーにキーファとの再会及びNPCとしての一時復帰イベントを期待させたが、結局再登場は叶わなかった。これが開発中のテストプレイの写真なのかは定かではない。