項目の内容上、『ドラゴンクエストⅦ』のストーリーのネタバレ要素を含むので注意。
概要
『ドラゴンクエストⅦ』のパーティメンバーの一人であるキーファ・グランは、HPや攻撃力が高く、便利な特技「かえん斬り」や「気合いため」を習得する上に成長も非常に早く、序盤は強力な前衛アタッカーとして活躍する。そのため、長所を伸ばすために「ちからのたね」を、あるいは素早さがあまり成長しないという欠点を補うために「すばやさのたね」を彼に使用したプレイヤーも多かった。
ところが、彼は過去の時代の「ユバール」でライラという踊り子に恋をした結果、突如パーティから外れてしまい、その後二度とパーティには戻ってこないのである。当然、種を使用していれば、その種は帰ってこない。
このことは事前情報などでは明かされておらず、「ユバール」に来るまでの間にそれらしいフラグがあるわけでもないので、彼が永久離脱することを予測する要素は皆無であった。
強いて言えば、上述の成長の早さや、MPが全く上昇しない等の不自然な点だが、流石にこれだけでは気づきにくい。
そのため単なる一時離脱だと思っていたプレイヤーもいるだろうが、その後に彼の子孫である「アイラ」がパーティー入りすることで彼が二度と戻ってこないことは決定的となる。
この想定外の事態に多くのプレイヤーは多かれ少なかれ困惑し、様々な反応を示した。ある者は突然の別れに嘆き、ある者は勝手にパーティから抜けた事に憤り、ある者は何も言えずに呆然とし……
そして、ある者は種返せと叫んだ。
なお、キーファに使用した種は、彼の子孫であり後に仲間になるアイラに引き継がれる。
……という噂が一時期流れていたのだが、これは実は完全なデマ(PS・3DS・スマホ版共通)である。
むしろドーピング効果が遺伝する方が不自然なのでこればかりは仕方ないだろう。
近年では、『ドラゴンクエストⅦ』を攻略するプレイヤーに助言を求められた際、「キーファが強いので彼に種を使え」と返すのが様式美になりつつあるとか。無論ネタだが。本気で助言を求められている時にこれを言ったら怒られても仕方ないので、ネタが通じる所でやろう。
また当然、キーファファンの中には彼のこういった扱いが苦手な人もいるので、時と場合をわきまえた使い方をしよう。
実際には……
確かにキーファはアタッカーとして強力であり、種を使ったプレイヤーもいるだろうが、キーファ以外のキャラに使ったり温存したりするプレイヤーも多いだろう。
にもかかわらず大半のプレイヤーに種泥棒呼ばわりされるのは、若干理不尽な言いがかりではある。
ただ、キーファの離脱に関しては、種以外の面でもネタにならないほどキーファに問題がある。
シナリオ的には、自分から主人公を誘って旅を始めたにもかかわらず女目当てで離脱して、しかも家族への説明責任を果たさず主人公に丸投げしている。ゲーム的には突然メインアタッカーが離脱し、しかも次のシナリオは難関と名高いダーマ神殿。
どちらの観点から言っても、プレイヤーのヘイトがキーファに向きやすくなってしまっている。
そのため実際には、種を奪われた事に怒っているというより、キーファに対する様々なヘイトを、「種泥棒」という一言に集約しているとも考えられるだろう。(そうでもなければ人格面への多種多様の罵詈雑言が飛ぶことになる。その上で「じゃあもういいから種だけ返せ(居なかった事にさせろ)」という呆れと侮蔑が込められているといえる)
派生作品では
『ドラゴンクエストライバルズ』でのキーファは「死亡時にキーファに使用した道具カードが手札に帰ってくる」という効果を持つ。
そのため彼に「ちからのたね」などを使っておくと死亡時に種を返してくれる。
『ドラゴンクエストⅦ』発売から18年越しに種泥棒の汚名を返上したとも言えるかもしれない。
また、スマホゲーの『ドラゴンクエストウォーク』では、「キーファの剣」を装備させると「たねを食べる」「きのみを食べる」という技を使えるようになる。
また、『ドラゴンクエストタクト』でははっきりと「種泥棒」呼ばわりされている。(もっとも、植物の種を盗られたという冤罪によるものだが)
ここまで来ると最早公式イジリと言ってもいいだろう…。
表記揺れ
Pixivのイラストタグとしては「種返せ」のほうが多いが、種泥棒のタグも使用されている。
というより外部ではそちらの呼び方の方が多い。