概要
人間や動物等が何らかの影響を受け、ゾンビと化してしまう現象。
ホラー作品では度々見られる現象で、健康な状態から突如ゾンビ化したり、死体がゾンビとして蘇るなどパターンも複数存在する。
ファンタジー作品でもよく登場するジャンルで、状態異常として扱われる事もある。
大抵はゾンビ化した味方側のキャラクターがかつての仲間を襲ったり、僅かに残った自我で「殺してくれ」と懇願しつつも襲いかかってくるなど、鬱展開の一因となりやすい。
が、近年ではゾンビ化しても自我を平然と保っていたり、むしろ生前よりも活き活きとしているパターンもたまに存在するなど、ギャグ要素の一種として扱われる事も。
ゾンビ化が登場する作品
呪術や魔法によるゾンビ化
特定の条件を満たすと、プレイヤーキャラがアンデッド化してしまう(実質的にはそのキャラのロストを意味する)。
状態異常の一種として登場するので、この状態になっても回復させる事は可能。
「戦闘不能だが勝手に行動し、敵味方を無差別に攻撃し続ける」「回復系の魔法やアイテムでダメージを受ける」というのが主な症状だが、後年のシリーズでは戦闘不能扱いでなかったりするなどの違いもある。
また、一度倒した敵がゾンビ化して恨みを晴らす為に再び襲いかかってくるという展開も見られる。
ドラゴンクエストシリーズ
ゾンビ系のモンスターの設定として扱われる。
設定上は人間やモンスターの死体に悪霊が取り憑く等の理由でゾンビ化するのがほとんどだが、シリーズによっては完全に肉体を持たない幽霊もゾンビ系として扱われるので、本記事の定義に該当するかは微妙な所。
女神転生シリーズ
初期シリーズでは本編開始前に全住民がゾンビ化した集合住宅が、政府の特殊部隊により秘密裏に処分されたという裏設定がある。そのためか、老若男女が変じた様々なゾンビが登場する。
基本的に悪魔の魔力が元凶のようで、ネクロマンサー能力を持つ堕天使ネビロスが『デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ』や『真・女神転生』のシナリオに関わってくる。
『女神異聞録ペルソナ』ではペルソナアンクウの持つ特殊魔法ドロイドで、戦闘不能状態の仲間をゾンビ化することができる。ゾンビとなった仲間はダメージを受けなくなり、ひたすら敵への物理攻撃を繰り返し、戦闘終了後は戦闘不能に戻る。
主要人物の一人であるリオン・マグナスが主人公達を裏切り敵対。敗北の末に死亡した後、ストーリー終盤に敵の手によってゾンビ化という形で復活、主人公達と再び刃を交える事となってしまう。
あまりにもショッキングかつ救われない最期だった為か、リメイク版ではリオンゾンビ化のエピソードやバトルは全てカットされている。
遊戯王シリーズ
「お互いの墓地とフィールドで表側表示で存在する分のアンデット族以外のモンスターをアンデット族のモンスターとして扱う」といった効果を持つアンデットワールドというフィールド魔法カードがある。
リビングデッドの呼び声という罠カードは原作登場時、「自分の墓地に存在するアンデット族以外のモンスターをアンデット族のゾンビモンスターとして復活させる」魔法カードであった。
シリーズ全体で、以下の2パターンが確認されている。
- 吸血鬼のエキスによるもの
作中に登場する吸血鬼にエキスを注入された生きた人間、もしくはエキスを混ぜた血を与えられた死体は知性を備えた凶暴な怪物に変貌する。
詳細は屍生人を参照。
- スタンド能力によるもの
第5部『黄金の風』の劇中におけるブローノ・ブチャラティが該当。
とある戦闘にて既に一生命体としては死に絶えていたはずのブチャラティだが、ジョルノ・ジョバァーナが彼を治療しようとゴールド・エクスペリエンスの能力で生命エネルギーを与えた事により、魂が遺体に強引に繫ぎ留められている状態となった。
詳細はブチャラティ(ゾンビ化)を参照。
第6部『ストーンオーシャン』では、生物の死骸を透明なゾンビとして蘇らせるスタンド能力を操るスポーツ・マックスが登場。後に本人もスタンド能力によってゾンビと化す。
詳細はリンプ・ビズキットを参照。
第8部『ジョジョリオン』では、生物をゾンビ化させて特定の位置まで誘導する能力を有するスタンドを操る泥駒政次ことドロミテが登場。ただし、こちらはあくまで比喩表現であり、本当にゾンビ化している訳ではない。
詳細はブルー・ハワイを参照。
口寄せ系統の禁術を用いる事により、死者をこの世に蘇らせる事ができる。
ただし、術を発動するには対象となる人物の死体や生贄となる生きた人間が必要、成功して蘇生できても死者側が術者の力を上回っていると制御下に置けないなど手間や欠点も多い。
また、死者側からしても自身の意思とは関係なく無理矢理戦わせられるなどの荒事を強制されるので、劇中では生きた者達のみならず蘇生された死者達からも忌むべき術として嫌悪されている。
詳細は穢土転生を参照。
メインヒロインの源さくらを始めとするご当地アイドルグループフランシュシュは、巽幸太郎のネクロマンサー的な技術により様々な時代から「ゾンビィ」として蘇生させられている。
しかし、肌色の悪さや窪んだ目など不気味な容姿までは生前の状態に戻らなかったので、アイドルとして活動する時は特殊メイクを施して生きている人間とほとんど同じ見た目に変わっている。
薬物やウィルス感染によるゾンビ化
作中に登場するウィルスに感染する事によって人間以外も含むあらゆる生物がゾンビ化する他、ウィルス投与によって生物兵器と化したゾンビも多数登場。
ゾンビ(バイオハザード)も参照。
対象をゾンビ化させる寄生虫に感染した人間含む大多数の生物という設定。
本シリーズにおけるゾンビはほとんどがザコ敵で、強敵として登場するのはゾンビ化騒動が原因でサイコパス(厳密には本来の意味とは異なるが)となった人間がメイン。
作中では「ウォーカー」と称されている。
設定はバイオハザードと似通っており、何らかのウィルスに感染して死亡した後、感染者だった死体がゾンビ化する。
一部の敵の攻撃によってキャラがゾンビ化することがあるが、(いくつかの制限があれど)普通に操作は可能などころか口から血のビームぶっ放せたりなど某B.O.W.も真っ青の超ハイスペックゾンビと化す上、救急箱一つでさらっと元通り。なんなんだあんた達。
主人公及びメインヒロインの散華礼弥は、もう一人の主人公である降谷千紘が作ったゾンビ蘇生薬を飲んだ直後に父親の手により死亡。その直後にゾンビとして蘇り、降谷家に居候する事となる。
ゾンビ化した後も生前の自我がしっかり保たれている上に見た目もほぼ変わらない(瞳の色が赤くなった程度)という珍しいケースの人物で、異常なまでに厳格な家庭で育った反動から現在は生前からの憧れだった「女の子らしい生活」を満喫している。
その他・特殊なケース
ジョージ・A・ロメロのデッドシリーズ
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』『ゾンビ』『死霊のえじき』『ランド・オブ・ザ・デッド』『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
ゾンビというジャンルそのものを確立したシリーズ。
本シリーズではゾンビ化の原因が不明瞭。
「全てのヒトの屍がゾンビ化するように変質してしまった世界」を舞台に、社会の縮図とも言える人間ドラマと社会風刺がメインのシリーズ。
ゾンビに噛まれると致死率100%の感染症に罹患し衰弱死するため、結果としてゾンビになるが、噛まれなくても死んだ人間は皆ゾンビになる。
勘違いしがちだが、ゾンビに噛まれ感染症で死ぬことと死者がゾンビになることは全く別の現象である。
なお、ゾンビに噛まれて衰弱死する原因は感染症ではなく毒である可能性も示唆されている
シリーズ16作目にゾンビボンビーが登場。これは貧乏神の変身形態の一つであり、すなわち一時的なパワーアップと言える。手持ちのカードを害のある効果に変化させてしまうため、普段はゲームを有利に進める為のはずのカードを、多く持っていればいるほど不利になる。
以下の3体のMob(キャラクター)が該当する。
敵対Mobであるゾンビ及びその亜種からの攻撃で倒されると村人ゾンビに変貌してしまう事がある(難易度がノーマルだと確率で、ハードだと確実にゾンビ化)。また、通常のゾンビの代わりに出現する事もある。
通常のゾンビと性質は同じなので普通に倒しても問題ないが、スプラッシュポーション等で弱体化のバッドステータスを付与してから金のリンゴを与えて一定時間が経過すると、元の村人に戻す事ができる。
なお、村人ゾンビから戻った村人は取引の価格を値下げしてくれる。
オーバーワールド(通常の世界)に一定時間滞在すると何故かゾンビ化し、ゾンビピグリンという中立Mobに変化する(最初からゾンビピグリンとしてネザーをうろついている事もある)。こちらは村人とは違って元のピグリンに戻す事はできないが、こちらから攻撃を仕掛けない限り襲ってくる事はなく、ピグリンよりも比較的安全な存在となる。
また、オーバーワールドで普通のブタが雷に打たれてもゾンビピグリンになる。
ピグリンと同じく、オーバーワールドに一定時間滞在しているとゾンビ化してゾグリンになる。
ゾンビピグリンとは異なり、ホグリン以上に凶暴な存在となる。