曖昧さ回避
- アステカ神話における冥界。
- 1を元にした、『Fate/Grand Order』に登場する世界。⇒ミクトラン(Fate)
- 『テイルズオブデスティニー』に登場するキャラクター。本項にて解説。
以下、重大なネタバレ注意
概要
声優:置鮎龍太郎(PS版)、堀川りょう(ドラマCD、TOD2、PS2版)
天地戦争時代の人物で、自称「天上王」として天上軍を指揮した空中都市群の支配者。『テイルズオブデスティニー』のラスボスである。
小説版では科学者という設定だった。
彗星衝突による災害で荒廃した地上を離れて天空に築いた都市の上に人類を移住させる“天上都市計画”の推進者であったが、その実態は強い選民思想を持つ極めて傲慢かつ冷酷な人間であり、完成した天上都市には自分が選んだ者達のみを移住させ、それ以外の人間は完全に見捨てて地上に放置するという非情な政策を実施した。
それに反発した地上人が大規模な反乱軍を結成すると、自身も軍を指揮して彼ら地上の反乱軍と後に「天地戦争」と呼ばれる激しい戦いを繰り広げるようになる。
空中要塞ダイクロフトの決戦で敗れるも、死に際にソーディアン・ベルセリオスに自身の人格を投射し潜み、千年後にベルセリオスを発掘した考古学者ヒューゴ・ジルクリスト博士の精神を掌握し操り人形にする(ただしヒューゴも正気を保っている部分はあり、完全な人形ではなかった)。
自身の知識をヒューゴに活かさせ、レンズ運用会社オベロン社を設立。富と名声を得、更には国王の信頼を得たことで地位まで確立させる。
現在におけるオベロン社の創設やセインガルド王国の重責たる地位などは、全てミクトランの手腕によるものである。
物語中盤ではマリアン・フュステルを人質にしてリオン・マグナスを言いなりにさせ、空中都市の動力源である巨大レンズ“神の眼”を手中に収めさせた(物語序盤にて大司祭グレバムに神の眼を奪われてしまったが、主人公スタン・エルロンたちを利用して取り戻させた)。
そして空中都市群を復活させる。
その後はダイクロフトに装備された巨大兵器ベルクラントを使って地上の破壊を繰り返し、さらにそれによって巻き上がった岩盤を空中に固定して新しい地表を作り、そこにかつてのような自身の理想とする世界を築こうと目論む。
これにより地上は光の届かない世界となり、人間が住めない環境に変えられてしまう。また地中から吸い上げたエネルギーを用いて古代人たちの再生にも利用している。
ただしミクトランが彼らの復活を目論むのは「支配する民のいない王など滑稽」という理由からであり、己の支配欲を満たすためだけに活動しているに過ぎない。
ベルクラント内部に乗り込んできたスタン達との戦いで一度は敗れるも、そこでヒューゴの体を捨てて完全に復活を果たす。
ソーディアン・ベルセリオスを第二形態に進化させ、圧倒的な力でスタン達を退ける。
そして用済みとなったベルクラントを切り離し、スタンたちを海中に沈めるが失敗に終わった。
PS2版ではヒューゴの肉体を依代に復活を果たしスタンたちを圧倒するが、かろうじて残っていたヒューゴの意識によって妨害を受け、ベルクラントを切り離され取り逃がしてしまうシーンに変更されている。
以降はダイクロフト上層部に陣取って天空人のクローニング再生を進めていたが、二度目のスタン達との戦いでは成長した彼らの前に追い詰められる。
すると高笑いを上げながら神の眼の力を取り込み、醜悪な化け物NEOミクトランとなって抗うも結局は敗北、その歪んだ野望と共に滅び去った。
適正レベルで挑むと極大レーザーで即死させられるが、耐え抜けるなら大した相手ではない。シリーズのラスボスとしてはかなり弱い方であり、最終奥義や術を連発しているだけで勝てる。
PS2版ではミクトラン・イグゼシブというミクトランをベースにした人型ながら爬虫類然とした強化形態に変身。
背面に6枚の翼状の浮遊ユニットの様なものを備えている他、ベルセリオスとも完全に融合したのか両腕がベルセリオスの刀身そのままのブレード状になっている。
こちらはシリーズでもかなりの強ラスボスに仕上がっている。
余談だが、ミクトランとはアステカ神話においてその世界の最下層に存在する「冥界」を指す意味の言葉であり、曲りなりにも「天空の支配者」を称する者の名が実は地の底の果てにある場所というのはなかなかに皮肉的ではある。
ちなみに電撃文庫の小説「天地戦争編」独自の設定では、カーレル・ベルセリオス(ただし当時の設定に従っている為、男性)と並ぶマッドサイエンティストという設定となっている。
力量
設定上は確かに強大なのだが、PS版ではまだゲームシステムが練り切れていなかったこともあって第2形態の『NEOミクトラン』が弱過ぎた(各キャラクターの最終技を連発しているだけで勝てる)ため(第1形態でも所定の高度にいないと術技を放てない致命的な弱点がある)、テイルズ作品の中で最弱と呼ばれた。見た目の特徴から『千葉県』『手羽先』などと散々なあだ名も。
TOD2ではカーレルと戦い、死亡するシーンにしか登場しない。挙句、部下にも「嫌々従わざるを得なかった」と忠誠心の欠片もない描写をされる。
しかしリメイク版では第2形態が『ミクトランイグゼシブ』へと変更。
こちらは神の眼の力を取り込んだからか、精神も狂ってしまっている。
見た目の賛否は分かれたものの、その強さから最弱の汚名返上を通り越して、多くのプレイヤーから「シリーズ最強ラスボス」とまで評価された。
具体的にもペネトレイトチャージで鋼体を着ける、麻痺状態を確率で付与する技のスパークウェブを連発するなど嫌らしい戦法もしてくる。
難易度ノーマル以上では、体力が瀕死近くになるとメルティアスというブラストキャリバーを放つ。更に隠しダンジョンを踏破したあとに挑むと回復術へのカウンター隠しブラストキャリバーを使ってくる。
実は「メルティアス」自体はPS版の没ボイスとして収録されている(ゲーム内では使って来ない)。
存在感
しかし、登場シーンが比較的終盤なのと他のラスボス達と比べ目的に悲劇性の欠片も無い上に、テイルズシリーズでありがちな己の信念云々といった男意気もない典型的な悪役である為か、予約特典CDのピーチグミ編では「あいつの信念って、なんだっけ?」と皆から言われてしまい、さらには【存在感なし!】と言うでっかいハンコを押されてしまった(もっもこのCD自体TOPの戦闘システムに当時最新作であったアビスでフリーランシステムを用いてマウントを取ったりと批判の多い代物だが)あげく啄木鳥しんき氏の漫画版では攻略本の設定に基づいてベルセリオスが黒幕となっており本人はカーレルと共に1コマだけの出番で終了してしまう始末。
そのせいかリメイク版では、ルーティ・カトレットやリオン・マグナスの身を案じていたヒューゴを嘲笑い、スタンから人間身が感じられないと言われるなど、『絶対悪』としての存在感を増したのと同時に、明確な信念や理想の描写が追加されている。
余談だが、PS版やTOD2では髪の毛を縛っていないものの、リメDでは髪を束ねている。
因みに、声優は上記の通りPS版ではディムロス役の置鮎龍太郎氏が兼任(PS版ではディムロスの声がおまけスキットでしか聞けないため実質ミクトランが本役)していたが、ドラマCDとテイルズオブファンダムを経て置鮎氏の本役がディムロスのほうにシフトしていったことを受けて、D2からは堀川りょう氏が声を務めている。
外伝作品出演
2022年3月のイベントで強敵キャラクターとしてプレイアブル参戦。ただし、ミクトランの性格上、物語上でプレイヤー側と共闘する事はない。
実際に、実装されたイベントでは、ファンダリア領で、領民が帝国に対する不安を抱いたのを利用して新興宗教団体を立ち上げ、世界征服の足掛かりとするも、それを察知したスタン達との戦いに敗れ、最期は元の世界での裏切りの運命を断ち切って新たな運命を手にしたリオンの魔神剣・刹牙によって引導を渡された。
本作で、リメインダーク、ブレイクダウン、カースビット、カオティックフェザー(セラフィックフェザーの技変化)を新術技として習得。
魔鏡技は「ヘルスライサー」「ソーディアン・ベルセリオス」。
余談
ミクトランが入り込んだソーディアン・ベルセリオスに関して、当時の攻略本では「ミクトランに上書きされた」か「ミクトランと共謀していた」と記されている。ミクトランは「これがベルセリオスの答えなのだよ」と述べており、まるでベルセリオスのおかげで精神を移せたような言い方をしている。
ドラマCD版では「ベルセリオスの人格は、ミクトランに上書きされた」という設定。
TOD2の発売により「ソーディアン・ベルセリオスの人格は、ハロルド・ベルセリオスの者が投射されていた」ということになっており、今ではその設定がどれくらい生きているかは不明であるが、元々デスティニーシリーズ自体パラレルや後付けがなされているため、何、気にすることはない。
関連イラスト
関連タグ
カムハーン:過去に「太陽王」を名乗っていた独裁者。肉体は滅びているが精神は生きており、たまたま接触した社会的地位のある人物に憑依して成り代わっていた。終盤ではブラックホールを発生させ、近づいた人々を仮死状態にさせ、古代人たちの魂の入れ物に利用することで宇宙征服を目論んだ。などなどミクトランとよく似ている。