ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

イボテン酸の編集履歴

2023-09-02 17:11:24 バージョン

イボテン酸

いぼてんさん

アミノ酸の一種。テングタケ科の毒キノコに含まれる毒成分であるが、うまみ成分としても知られる。

概要

アミノ酸の一種。

化学式はC5H6N2O4。

1962年に竹本常松らによってテングタケ科の毒キノコイボテングタケから発見され、イボテン酸:ibotenic acidと名づけられた。


その後、同科でよく知られる毒キノコ・テングタケベニテングタケなどからも抽出され、この種の食中毒を引き起こす毒成分の一つであるとわかった。

さらに、この成分はうまみ成分として知られるグルタミン酸ナトリウム約10倍ものうま味を持つことが知られるが、人体にとっては毒成分であるので興味本位で含有するキノコを食べてはいけない。

(涙や唾液の異常分泌や発汗、嘔吐や下痢などの症状を引き起こすムスカリンや、肝臓や腎臓が不全となり死に至る猛毒アマトキシン類も含む)


イボテン酸が体内に吸収されると、興奮作用のあるアスパラギン酸の作動薬として働くことで脳を異常な興奮状態にしてしまう。

なおイボテン酸は不安定な物質であるために、50~60℃の温度や時間経過によって脱炭酸されて、化学式C4H6N2O2のムッシモール:muscimolに変化し、この物質は反対に脳の活動を抑制するGABAを生成する効果を持つ。


脳の興奮と抑制が同時に起こるために、もし含有するキノコを誤食してしまった場合、中毒症状は非常に複雑なものになる。

過去の中毒事例によると、成人の場合はムッシモール由来による抑制作用により眠気や不快感、めまいなどの症状が多くでるとされ、小児の場合はイボテン酸の興奮作用により多動や譫妄、激しい痙攣などの症状が起きて場合によっては死亡の危険性があるといわれている。


ちなみにこの成分は、ハエにとっては強い誘因物質であるのと同時に神経毒でもあるので、世界各国で経験的にこの成分が含まれたキノコを使ったハエ取りが行われてきたことが知られている。


関連記事

アミノ酸 毒キノコ うまみ

有機化学 生化学 有機化合物 カルボン酸

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました