概要
惑星封鎖機構が保有する巨大な攻撃ヘリコプターで、SG(サブジェクトガード)部隊や執行部隊に配備されている。型番及びゲーム上の正式名称はAH12 HC HELICOPTER。
交差反転式の2つのローターを備え、翼下と胴体下部に大量の武装を搭載している。コックピット部分の割合やACとのサイズ比を考慮すると、前作シリーズに登場したF21C STORKと比べてもかなり大柄に見える。
チュートリアルを締めくくる最初のボスであり、惑星ルビコン3への密航を果たしたC4-621が身分証となる(他人の)傭兵ライセンスを奪取した直後に飛来し襲いかかってくる。
アプローチを間違えると弾幕という名の洗礼を浴びる羽目になるが、攻略法さえ理解すれば苦戦することはない、強敵と言うよりは初見殺しの要素が強いボスである。チュートリアルでもちゃんと殺してくるという点で厳しさはあるが。
発売前にはプロモーションとして、ゲームメディアから当該機体との交戦や撃墜の様子を収めた動画も公開されており(記事の下部に関連動画あり)、予習を済ませた上であっさりクリアしてしまったプレイヤーは少なくないと思われる。
しかしながらアプローチの方法が旧来の『アーマード・コア』シリーズの定石から逸脱したものでもあるため、なかなか順応できないままなす術もなく蹂躙され、自機の残骸を積み上げるプレイヤーも後を絶たない。発売直後の数日間はSNSで悲鳴を挙げる声も多く、かつてのドミナント共の一部にも叩き落される者が出た。
主な武装
- 多連装ミサイルポッド×2
両翼外側に装備されたミサイル発射機。小ぶりなミサイルを絶え間なく連射する。動き続けていればダメージはそれほど大きくないが、爆風によるACS負荷はなかなかきつい。
- 四連装機関砲×2
両翼内側に装備された機関砲。威力はそれほど高くないが、ちまちまと被弾を与え続けてACS負荷の回復を妨げてくる。
- 四連装ロケットランチャー×2
巨大なロケット弾を拡がるようにして斉射し地上を火の海にする。直撃すれば大ダメージに加えてスタッガー状態に陥るのは言うまでもなく、回避を行っても効果範囲の広さ故に爆炎から逃げ切れず大ダメージは免れない。発射直前には「ピーッピーッ」と警告音が鳴り、攻撃位置を示す赤いガイドが表示されるので、予兆を確認したらすぐさま上昇して空中に退避すべし。
挙動
追尾性能の高いミサイルと機関砲によりダメージとACS負荷をじわじわと蓄積させ、エネルギー切れないしはスタッガーで動きが鈍くなったところに高威力・広範囲のロケット弾を叩き込んでくる。
加えてライフルやミサイルではろくにダメージが通らない重装甲により、撃ち合いで勝つことはまず不可能である。
ただし弱点もあり、全ての兵装が前方に固定されているため、機体直下や至近距離は致命的な死角となっているので、懐に入り込むとほとんど被弾のリスクがなくなる。
また、防御面は耐弾・耐爆性能が高い一方で耐ENに関しては非常に脆弱であり、パルスブレードで斬りつければ敵に多大なACS負荷を与えると共にAPをごっそりと削り取れる。
ミサイルの機動や機体の外観、ウォルターの助言も含めた空中への誘導など、プレイヤーを接近戦に誘うデザインとなっており、死角にさえ気づければ高度な操作テクニックなど無くとも被弾を大幅に減らし、痛打を与えることが可能である。
攻略法
上述の通り懐に飛び込んで斬りかかるのが定石となるが、本ミッションで使用可能な初期機体は滞空時間があまり長くないため、直線的に吶喊してもエネルギーが持たずに逃げられることが多く、更に敵の弾幕の最も濃い部分を突き抜ける羽目になるのでダメージもかさむ。
なのでまずはクイックブーストやアサルトブーストで地面を這ってAH12の下方に潜り込み、エネルギーが回復次第アサルトブーストで接近して斬りつける、というのが基本の動きとなる。
一度斬りつけたら深追いせずにさっさと降下し、ライフルとミサイルを撃ちながら真下につきまとい、ブレードが使用可能になったら再び接近して斬る。これを数度繰り返せば落ちる。
スタッガーについてはさほど意識せずとも撃破可能で、むしろやたらと意識してしまって焦りが出る方が良くないだろう。
攻撃サイクルが崩れてしまった場合は一旦遮蔽物に隠れて立て直すと良い。すぐに回り込んでくるが、エネルギー回復、リロードの時間ぐらいは稼げる。
機動力に頼った回避をしようとすると、負荷の蓄積かエネルギー切れで悪循環に陥りやすい。
反響
アナウンスメントトレーラーの段階でも編隊を組んで爆撃する様子が映っていたが、発売日である2023年8月25日、X(Twitter)のトレンドに「#アーマードコア6」と共に
- チュートリアルのヘリ
- 最初のヘリ
- ブレード
などの多数のトレンドワードが載った。
更には「ルビコン惑星封鎖機構のヘリコプター」を略した「ルビコプター」なんてあだ名も早々に付けられている。
また、「フィニッシュアクションを組み立てる(チクチクしたり様子見スライドで敵の攻撃を延々と躱しながら、一瞬の隙に蹴りとミサイルを全弾ぶち込んでスタッガーを起こさせ、白兵戦に持ち込んでからトドメにもう一発蹴る)」という今作のゲームコンセプトを分かりやすく反映したボス(ただし、チュートリアル開始時点ではOSチューニングがアンロックされていない為、蹴りはまだ使えない)であることから「先生」と呼ぶ声もチラホラ。
初見殺し
対応を誤るとAPを一瞬で持っていかれる圧倒的な火力と、ブレード以外ではろくに有効打を与えられない防御性能から、実態以上に絶望的な印象を受けてしまったプレイヤーが続出した。
特に過去作品にも触れてきたプレイヤーは、これまでの経験から「近接格闘戦はハイリスクな上級者向けの戦術」という先入観を抱いており、よもやチュートリアルでボスに向かって白刃を振らされるとは思いもよらず、過去作のセオリーに従って中距離での射撃戦に拘った結果「引き撃ちは俺の殺し間だ、死ね」とばかりに圧倒的弾幕で消し飛ばされる事例が後を絶たなかった。
歴戦のフロムファンほど袋小路に陥り、「拡散の尖兵(実質的な負けイベ)」や「ガスコイン神父(クリア率50%未満の超高難易度初ボス)」など別シリーズの高難易度ボスを連想する声は多い。
そして何よりも「初期アセンのプレーンな機体での攻略を強制される」点が、キワモノ機体に機能を最適化した代償に普通の機体の扱い方を忘れたドミナント共の一部が膝を屈した原因となっている。
初期機体に積まれていた最初期のジェネレータなどは上位互換のパーツが解禁されるや否や最悪も最悪なゴミである事が判明する始末で、とあるルートで終盤に使わされるスクラップ上がりよりはマシな程度の代物である。
ちなみに先述したアナウンストレーラーでは一瞬画面に映るだけでも十数機ものこのヘリが編隊を組んで進行するシーンがあるが、本編では流石にこれを複数相手取る地獄のようなミッションは無い。
そしてそのシーンにヘリからミサイルを撹乱する為のフレアのような物が放たれる描写もあるが、実際のゲーム本編でもしっかりと使用し、こちらのミサイルを逸らしてくる。稀なのでミサイラーアセンでもなければ然程脅威ではない。ちなみに本作では珍しくプレイヤー側にミサイルをメタするフレアやデコイ、迎撃機銃等の装備は用意されていない。
脅威は去ったと思われた、が…
本作は一度クリアしたミッションをリプレイミッションにて再プレイできる。チュートリアルで煮え湯を飲まされたプレイヤーの中には装備を整えた上での再戦を考えた者もいるだろう。しかし、チュートリアルは使用できる機体が初期アセンで固定となっている。
他のミッション(というより『AC』シリーズ全般)は自機の装備が拡充することで相対的に攻略難度が下がるのに対し、このミッションばかりは初期機体での攻略を強制されるため、Sランク評価の獲得を狙うには正しく「被弾を抑え、一瞬のチャンスをものにする」慎重な行動か或いは「登場演出中にABで突っ込んで斬りかかり、ミサイルとライフルをしこたまぶち込みまた近接でハメ続け、殺られる前に殺る」超攻撃的ゲームプレイが試される高難易度ミッションへと変貌する。
こう書くと物々しいが、道中の雑魚のカスダメが積もる方がABゴリ押し接近時に余程恐ろしいので、まず道中で余計な被弾を抑え、2〜3回くらいなら機銃の中ABで突っ込んでも問題なく、一発くらいはミサイルの被弾もオーケー程度のAPを残すことが肝要である。
なお、ストーリー中盤でもコイツと再戦する事になるが、その頃には好きにチューンして長年連れ添った相棒の機体を使える上に、ステージ上の遮蔽物も多く、デコイのドローンを起動できるなど、条件は格段に良い。
そのミッションに辿り着く前には「ミサイルハリネズミ、リングフィットアドベンチャーこと"バルテウス"」「デスルンバこと、"スマートクリーナー"」「海蜘蛛、フライングデスぼっくりこと"シースパイダー"」などの強敵を切り刻んでプレイスキル自体も上がっていることが見込まれるため、大して苦労せず撃墜できるだろう。
関連動画
ファミ通公式youtubeチャンネルでの先行プレイ映像
関連タグ
AH12HCHELICOPTER AH12_HC_HELICOPTER AH12
バカガラス:ボディと翼のバランスや鈍重そうなフォルムは類似しているが、サイズや用途の違いはあれど、「なんちゅー脆い船じゃ…」と言われたこちらとは対照的に上記の通り重装甲。
カプコン製ヘリ:フロム製の武装ヘリと真逆に、いとも簡単に毎回のように落されることで有名な他社のヘリ。