カチューシャ
かちゅーしゃ
曖昧さ回避
髪飾り
英語ではアリスバンド"Alice band"。『鏡の国のアリス』の主人公に由来する。
素材はプラスチック・金属・布製など。狭義では硬質の"C"型のものを指し、軟質のものはC状だと外れてしまうのでゴムで繋がってリング状になっており、カチュームと呼び分けることもある。
日本では大正時代にトルストイの小説『復活』を題材にした演劇がヒットし、劇中歌「カチューシャの唄」も流行した。
演劇で松井須磨子が演じたカチューシャがこの形のヘアバンドを付けていたことが由来とされているが、当時の様子を収めた写真や演劇の台本にはそれらしき様子は確認できない。
しかしヒットを理由にヘアバンドを始め「カチューシャ」の名を付けた様々な便乗商品が売り出されたのは事実である。
そのため、通じるのは日本だけである。
ソビエト連邦の楽曲
作詞:ミハイル・イサコフスキー
作曲:マトヴェイ・ブランテル
出征した兵士を思い、恋人カチューシャが歌うという内容。
日本ではロシア民謡と見なされがちだが、作詞者・作曲者が明らかなので流行歌(ポップ・ミュージック)である。
元々の歌詞は2番までで、カチューシャの恋人が赴いたのが戦地であることを示唆する描写はなかった。しかし当時の世界情勢を反映する形で発表段階で3番と4番が追加され、事実上の軍歌として認識されるようになった。
1941年6月の独ソ戦以降は出征した兵士をたたえる歌となり、女性兵士を讃える「兵隊カチューシャ」などの替え歌も作られた。ロケットランチャーのカチューシャの由来はこの曲のヒットによるものとされている。
戦後は東側諸国を中心に広まり、中国語やベトナム語、ドイツ語のバージョンもある。
またイタリアでは独自の歌詞が付けられたパルチザンの歌「風は鳴る」として歌われた。
日本では1955年に安藤まり子が歌唱したものが日本コロムビアから発売(訳詞:関鑑子)。1959年のNHK紅白歌合戦では森繁久彌が歌っている。
歌詞は恋人が出征したことを示唆する歌詞が削除されたのを除けば概ね原詩に忠実になっている。
テレビアニメ『ガールズ&パンツァー』では第8話で原語版をカチューシャとノンナが1番と2番を歌っている場面があり、サウンドトラックではフルコーラスで収録されている。