アレクセイ・N.トルストイ
代表作
・大きなかぶ…ロシアの昔話を彼が再話した。
レフ・トルストイ
ロシアの作家(1828年 - 1910年)。フョードル・ドストエフスキー、イワン・ツルゲーネフと並び、19世紀ロシア文学を代表する文豪。他の同姓の人物と区別して大トルストイと呼ぶこともある。
ヤースナヤ・ポリャーナという広い土地を有した、伯爵家の四男として生まれる。祖先は父方も母方も歴代の皇帝に仕えた由緒ある貴族だった。富裕な家庭ではあったが、1830年、2歳のとき母親を亡くす。1837年1月、9歳のときに父親の仕事の都合で旧首都であるモスクワへと転居するが、同年6月に父親をなくし、祖母に引き取られたがその祖母も翌1838年に他界、父親の妹が後見人となったが彼女もしばらくして他界し、最終的にはカザンに住む叔母に引き取られ、1841年にはカザンへと転居した。
1844年にカザン大学東洋学科に入学するが、舞踏会などの社交や遊興にふけって成績はふるわず、1845年には法学部に転部するもののここでも成績は伸び悩み、1847年にカザン大学を中退。このころルソーを耽読し、その影響は生涯続いた。
1847年、ヤースナヤ・ポリャーナを相続し、農地経営に乗り出し、農民の生活改善を目指すが、すぐに挫折。その後、ヤースナヤ・ポリャーナで暮らしたりモスクワとペテルブルクで放蕩生活を送るが、この時期は様々な事柄に手を出しているもののすべてものにならなかった。その中で、1850年にはじめて小説の執筆を始めている。1851年コーカサス戦争にて、コーカサスの砲兵旅団に志願して編入される。この時の体験は後年『コサック』や『ハジ・ムラート』や『コーカサスの虜』などに反映された。1852年、24歳でコーカサスにて執筆した『幼年時代がネクラーソフの編集する雑誌『同時代人』に発表され、新進作家として注目を集める。
1853年のクリミア戦争では将校として従軍し、セヴァストポリで激戦の中に身をおく。セヴァストポリ包囲戦での体験は『セヴァストポリ物語』などに結実し、のちに非暴力主義を展開する素地ともなった。
退役後、イワン・ツルゲーネフらを擁するペテルブルクの文壇に温かく迎えられ、教育問題に関心を持つと1857年にヨーロッパ視察旅行を行なった。ワイマールを訪れた際の逸話がトーマス・マンの『ゲーテとトルストイ』に記されている。パリ滞在中には公開処刑を目撃し、衝撃を受けている。帰国後、アレクサンドル2世による1861年の農奴解放令に先立って独自の農奴解放を試みるが、十分には成功しなかった。1859年には領地に学校を設立し、農民の子弟の教育にもあたる。強制を排し、自主性を重んずるのが教育方針であった。
『コサック』(1863年)では、ロシア貴族とコサックの娘の恋愛を描きながら、コサックの生活を写実主義の手法によって描写した。1863年7月18日にヴァルーエフ指令が公布されてウクライナ語での言論活動が禁じられた為、コサックが母語で文筆活動を行なえない皮肉な状況になった。
『戦争と平和』(1864〜69)はナポレオン軍の侵入に抗して戦うロシアの人々(祖国戦争)を描いた歴史小説であり、500人を越える登場人物が写実主義の手法によってみな鮮やかに描き出されている。『戦争と平和』の主人公ピエール・ベズーホフにもトルストイ自身の思索が反映している。『戦争と平和』で、トルストイはロシアの貴族社会のパノラマを描き出した。
『アンナ・カレーニナ』(1873-77)は当時の貴族社会を舞台に人妻アンナの不倫を中心に描く長編小説であり、『戦争と平和』に比べより調和に富み、構成も緊密である。『アンナ・カレーニナ』では、社会慣習の罠に陥った女性と哲学を好む富裕な地主の話を並行して描くが、地主の描写には農奴とともに農場で働き、その生活の改善を図ったトルストイ自体の体験が反映している。
世界的名声を得たトルストイだったが、1870年代から徐々に精神的な危機が進行しており、『アンナ・カレーニナ』を書き終えたのちの1878年頃から人生の無意味さに苦しみ、自殺を考えるようにさえなる。精神的な彷徨の末、宗教や民衆の素朴な生き方にひかれ、山上の垂訓を中心として自己完成を目指す原始キリスト教的な独自の教義を作り上げ[16]、以後作家の立場を捨て、その教義を広める思想家・説教者として活動するようになった(トルストイ運動)。
晩年には若い頃のマハトマ・ガンジーとも文通を行っており、彼に大きな影響を与えた。
代表作
関連イラスト
創作でのトルストイ
トルストイを題材にした人物、またはモチーフにしたキャラクターが登場する作品。
- 『ラヴヘブン』
乙女パズルゲームの攻略キャラクター。→トルストイ(ラヴヘブン)
異世界の危機を救うため、主人公により召喚された。緑色の髪に眼鏡の男性。
敵モンスターであるアビンに対しても対話を試みようとするほどの非暴力主義者。
詳細はトルストイ(文豪とアルケミスト)にて。