データ
性別 | 牡 |
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生没年 | 2020.4.24-(3歳) |
血統 | 父:ドゥラメンテ/母:モアザンセイクリッド(by More Than Ready) |
毛色 | 青鹿毛 |
オーナー | キャロットファーム |
調教師 | 尾関知人(美浦) |
生産者 | ノーザンファーム |
概要
生い立ち
ニュージーランドオークス(G1)など重賞3勝を挙げ、日本へ輸入された母モアザンセイクリッドの4番仔。なお、モアザンセイクリッドは彼が1歳の時にミックスセールで売りに出され、現在はオーストラリアに帰国している。
セリには出ず、キャロット所有で1口10万×400口、計4000万で募集された。
馬名の由来は、「激しさ、厳しさ」という意味の音楽用語と父ドゥラメンテからの連想。
競走馬時代
尾関知人厩舎へ入厩。
2歳時
9月3週に中山(芝2000m)で鞍上クリストフ・ルメールを背にデビューするが、3着に敗れる。この時の2着はパクスオトマニカだった。
2戦目として11月にルメール続投で東京芝2000mの未勝利戦に出走し、後の重賞馬のサトノグランツを下して勝ち上がる。その後、12月の2歳戦へ向かわず休養に入る。
3歳時
オープン入りを目指す日々
復帰戦は1月を予定していたが挫石で回避。結局レースに戻ったのは4月の3歳1勝クラス戦の山吹賞。このレースではルメールから横山武史に乗り替わるが、6頭立ての少頭数もあり単勝1.7倍の圧倒的な1番人気。レースは末脚勝負となり、作戦通りに直線で1頭だけ33秒台のアガリを記録する伸びで突き抜け、1馬身の着差以上に余裕のある勝ち方で2連勝を飾る。レース後の陣営からタービートライアルへ向かうことも検討したいというコメントがあったため、日本ダービー出走を期待する声もあったが、ローテーションが厳しくなるため、陣営はダービー出走を固辞せず、秋戦線を見据え、ローテーションを重視しつつ、夏競馬も含めたオープン入りを優先することに舵を切る。
次のレースは、ダービー翌週の3歳以上2勝クラス戦のホンコンJCT(ホンコンジョッキークラブトロフィー)。鞍上はルメールに戻り、初の古馬相手ではあったが単勝1.3倍と圧倒。レースは今回も直線の瞬発力勝負となる。だが、直線入口の時点で前とかなり離されていたが、上がり3ハロン32秒7というとんでもない末脚で差を詰め、きっちり1馬身差し切って勝利。3連勝を飾る。
約2ヶ月の間隔を空け、今度は新潟に転戦し、8月の3歳以上3勝クラス戦の日本海ステークスに出走。ここには同じ3歳で京都新聞杯2着のダノントルネードもいたが、本馬が1番人気に支持される。なおこのレースは戸崎圭太が騎乗。
このレースは2枠4番の内枠もあって終始内々での競馬。4コーナーも最内で回り、直線入り口で馬群がばらけた隙を突いて馬場の真ん中に持ち出す。ここから伸びて先行集団からは抜け出したが逃げた2頭がまるで止まらず、脚色が同じになったかと思われたが残り100mでさらにギアが上がり前を急追。ギリギリの競馬にはなったが半馬身差し切って勝利。未勝利戦から4連勝でオープン入りを果たした。
次走については一旦未定となっていたが、10月5日、馬主から鞍上ルメールで菊花賞へ向かうことを発表。また、重賞初挑戦がクラシック最後の1冠を賭けたものになるうえ、同時に前哨戦なしで直行することも意味した。
菊花賞~主役は最後にやってきた~
皐月賞馬ソールオリエンス、ダービー馬タスティエーラ、神戸新聞杯レコード勝ちのサトノグランツが三強の様相を呈する中、本馬は上がり馬ではトップとなる単勝7.3倍の4番人気に支持される。ここまでの戦歴から同馬なら好走でき、最後の直線での瞬発力勝負となれば勝算はあるかもしれないが、それ以外の展開では厳しい戦いになると思われていた。
あまりありがたくない大外17番から発進。スタートはまずまずだったが最初の3コーナーを待たずに外から一気に進出、ハナを奪っていくというこれまでにない競馬を始めたもんだから、一か八かの逃げの勝負かと思われたが、2コーナーあたりでスッと3番手に下げて馬の後ろに入れた。垂れたのかと思いきや馬は余裕綽々。これでハナ争いが押し出し合いになったことで、1000m~2000mの通過タイムは64秒1と一気にスローダウンしていたのである。
これで息も入り、このまま2番手で直線に突入。逃げ馬を悠々と抜き去ってあとはここまで勝利を勝ち取ってきた上がりの末脚勝負。3番手から上がり最速を使われては後続はどうしようもなく、2着タスティエーラに3馬身半差をつけてゴールイン。圧巻の5連勝かつ重賞初挑戦・初勝利でクラシック最後の一冠を手にした。