概要
小説家になろうで連載しているweb小説の一つ。
作者は「トルトネン」氏。2022年2月にてKラノベブックスより書籍化。現在3巻刊行。絵は「創-taro」氏が担当。同月にコミック化し少年マガジンエッジにて連載開始。絵は「齋藤八呑」氏が担当。現在2巻刊行。
各作品でデザインが異なり、書籍版は中世ヨーロッパと異世界が組み合わさった作風に対し、コミック版は中世ヨーロッパ寄り。
中世ヨーロッパを下地に「剣と魔法」を舞台にしたファンタジー小説。
異世界転生・異世界転移モノ。主要人物だけでなく他の登場人物の心理描写や設定が繊細で、濃厚かつ壮絶なドラマが繰り広げられる。
特に主人公のウォルムの半端な全体主義者な一面は協調を優先する日本社会で生きる誰しもが共感しやすく、前世の道徳観によって現世の戦争の人殺しに苦悩する描写は非常に生々しい。
しかも、なろう作品の中でも特出した重厚で迫力のある戦闘表現が魅力で、文章力も他の作品を圧倒的に凌駕している。
内容はダーク・ファンタジーに分類し、作風の雰囲気はベルセルクと似ている。
そしてガチの変態は男のみ登場する。
物語
地球で過労死した高倉頼蔵は小人達の導きで異世界へ転生する。
ハイセルク帝国の農家の三男ウォルムとして生まれ変わり、健やかな暮らしを謳歌しようとした。
しかし祖国は周辺諸国との衝突を繰り返し、徴兵されたウォルムは先兵として最前線に送られてしまう。
前世の道徳観念を捨てきれないウォルムは戦争の過酷さから精神を疲弊させていくが、生への執着と闘争本能が彼の眠る才能を目覚めさせた。
全てを焼き払う《鬼火》
祖国を勝利に導く蒼き炎は敵兵達を冥府へ送り、全てを燃やし尽くす。
周辺諸国は勢いを増すハイセルク帝国の侵略に抵抗すべく、クレイスト王国は異世界から転移した戦士「三栄傑」を投入。彼らは日本から転生した高倉頼蔵と同郷の人間だった。
四カ国同盟の結成によって、ついにハイセルク帝国は北部諸島で孤立。そして圧倒的な兵力の差と激しい猛攻で大軍は壊滅するのだった。
しかし同胞達の亡骸の中で目覚めたウォルムは蒼炎を纏う復讐の鬼と化し、単騎で同盟陣地を襲撃。友軍の怒涛の追撃に同盟軍は敗走し、ハイセルク帝国の逆転勝利となる。これで北部の覇権は目前か……に思えたが。
追い詰められた四カ国同盟は人の手で大災厄を引き起こす凶行手段に出る。
---それは地獄の戦乱の幕開けだった。
登場人物(ネタバレ注意)
主要人物
本作の主人公。ハイセルク帝国出身。農村生まれの三男。年齢は20歳。
しがない歩兵に過ぎなかったが、戦いの才能を開花させ「ハイセルクの鬼火使い」として戦場に恐怖をもたらしていく。濁ったような瞳を宿す異様な雰囲気を持つ青年。
前世は高倉頼蔵。享年33歳。地球出身。
職業はサラリーマン。老け顔。出勤中に心筋梗塞で死亡する。
意思を持つ武具の一種。バイブの如く振動して感情を表す。
ハイセルク帝国
コズル隊分隊長。ウォルムの上官。
筋肉隆々で人間離れした腕力と《強撃》を持つ。豪放磊落な性格。
四カ国同盟軍の戦闘で全身の皮膚が無くなる程の重傷を負い、治療魔術師によって戦死した部下達の皮膚を使い復活。その歪な姿から「継ぎ接ぎ」という通り名で呼ばれるようになる。
大暴走でも生き残り、中隊長に昇進。元懲罰中隊を率いてリベリトア国境線で暴れまくり「皆殺し部隊」と恐怖に名を轟かせる。
ハドロとの対談でウォルムの生存を知り、目的の為にホゼや部隊を率いてアレイナード森林同盟(書籍版では共和国)へ向かった。
船で帰国中、開戦が勃発し艦長を説得(脅迫)しクレイスト王国軍を襲撃。投降しようとした「三英傑」のユウトを背後から襲い殺害後、殿となったリハーゼン騎士団団長グランを討伐する。
色々と無茶苦茶な人物で数々の逸話を残している。
愛国者で部下達への愛情も深いが為にリベリトア商業連邦とクレイスト王国の殲滅を誓っており、憎悪の狂気に呑み込まれている。出撃時の掛け声は亡き部下達との共闘の意味も込められている。
大暴走後に特殊なスキルに目覚めたが詳細は不明である。
武器は鉄鎚。大暴走後は巨大な斧へと変わった。
デュエイ分隊に所属する兵卒。商家の出身。ウォルムの相棒。
情報通で物資の確保も得意とする。色黒で巻き毛が特徴。陽気な態度とは裏腹に辛辣な一面を持つ。
四カ国同盟軍の戦闘で生還し、大暴走でも分隊の中では唯一生き残った。デュエイと東部方面軍に身を置き、彼のストッパー役として行動を共にしている。
デュエイ分隊に所属する魔導兵。火、水属性魔法の適正持ち。
禿げ頭が特徴の寡黙な男。全身脱毛のある種の変人。優秀な魔法使いであり、ウォルムに魔法を教えた。
四カ国同盟軍の戦闘では生き残ったが大暴走で戦死した。遺体の皮膚はデュエイの一部となる。
デュエイ分隊に所属する新人兵。少年。鶏冠のような髪型が特徴。髪に拘りがあり、傷つけば絶叫する。
兵士として成長していたものの、四カ国同盟軍の戦闘で死亡。
書籍版での死因は魔法攻撃による爆死であり、腕一つしか遺らなかった。遺体の皮膚はデュエイの一部となる。
デュエイ分隊に所属する新人兵。少女。ちゃっかりしている。祖父が狩人で弓が得意。
バリトより優秀でウォルムが期待していたものの、四カ国同盟軍の戦闘で死亡。
書籍版での死因は魔法攻撃による爆死であり、腕一つしか遺らなかった。遺体の皮膚はデュエイの一部となる。遺体の皮膚はデュエイの一部となる。薄い栗色の髪に青緑色の瞳を持つ。
漫画版ではウォルムに憧憬を抱く。
レイヌス、ティバード、ダンファンというデュエイ分隊に所属する一般兵達。
ウォルムからは「三馬鹿」と呼ばれている。お調子者だが有能。四カ国同盟軍の戦闘で死亡。
書籍版での死因は対人戦闘による戦死であった。
コズル隊隊長。デュエイの上官。
下腹部が出ている中年の男。その見かけに反して足が速く意外と実力者。
何事も程ほどを愛しており、前線に送られないように戦功を控える行動を起こしデュエイが出世しない原因を作っていた。
フェリウス方面軍司令官。自国では「軍神」、敵国からは「悪魔」と恐れられる老将軍。
稀代の策略家でありハイセルク帝国を常勝に導いた立役者でもある。その手腕は三大国から一目置かれている。絶大な戦果を挙げたウォルムを気に入り、赤鬼の面を贈呈した。
一度は四カ国同盟軍の罠にはまりジェイフ騎兵隊に並ぶリグリア大隊を失うが、ウォルムの単騎の襲撃に便乗し四カ国同盟軍に致命傷を与え、大勝利をもたらした。しかし四カ国同盟が引き起こした大暴走で炎帝龍の侵攻から国民達を守るべく立ち向かい、討ち死にした。
書籍版では部下達と共に激戦を繰り広げ、真なる愛国者の英姿を見せた。
部下であったジェイフ、デュエイ、ウォルムは「ジェラルドの遺産」として生き残った帝国兵達の希望となる。
温和だが食わせ者で非情な面も併せ持つ。本人曰く「愚直な人間」。
ジェラルドの右腕。騎兵隊の隊長。
高い実力を備えた有能な軍人。大暴走時は隊を率いて一部をリベリトア商業連邦へと誘引した。軍事的には英断だが誘引路となった西部や北部はウォルムの故郷が含まれており、生き残った一部のハイセルク人がリベリトアに帰化してしまう一因を作る。
大暴走後も生き残り、慣れない文官の仕事を両立しながら再建国を目指す。
西部方面軍の輜重兵。小隊長。
ジェラルドに賞賛を受けてから、己の仕事に誇りを持っている。経験の低さから戦闘力は低い。
移送中に残党のマイヤード兵とアル達冒険者パーティの襲撃に遭い、仲間の犠牲が出ながらも逃亡に成功する。
大暴走時には荷駄を放棄せず運び通し、一年後は協議に参加する等変わらず軍内部を支えている。
司令部付きの小間使い。《毒耐性》を持つ。毒の分野に詳しく、悪食家という一面も。
大暴走ではウォルムの両目が失ったとき、大鬼王の魔眼を移植するよう提案した。
仕える主と思っていた彼の帰還を願ったが叶わず、マイヤードのセルタ領へ亡命した。一年半後、ウォルムと再会したときは少し肥満体型となった。
開戦後はアヤネ抹殺の任を受けたリハーゼン騎士団から彼女を守るべく後方治療所に駆けつける。彼女と避難中、窮地に陥ったもののウォルムの救援により生還する。
物腰穏やかな中年男性。地頭が良く容量が良い。
帝国軍歩兵中隊の中隊長。大暴走で戦時大隊長の階級を得る。
指揮をとりながら密かに通信魔導具で周囲の状況を探り、ジェラルドの戦死と祖国崩壊を知る。
生存者を救うべく旧友であるマイヤードの軍人と話を通し、生存者達と悲観しながらマイヤードセルタ領へ亡命した。その後はハイセルクに帰還せずケジメを取る為にマイヤードに帰属し、双方の調整役を担う。
ユストゥスの部下で一個体の中隊長。
大暴走では戦時大隊長の座に就いたウォルムの指揮下に入る。後に消息不明となった彼を捜索し続けたが見つからずマイヤードのセルタ領へ亡命。その後はハイセルクに帰還し、ウォルムを本国に帰還を要請するべく捜索を開始。ダリマルクス子爵の紹介状を得て崩壊した迷宮都市ベルガナに辿り着き、ウォルムと再会し帰国した。
開戦後は内陸侵攻中のクレイスト軍主力からラガ砦後方を死守する命を受け、中隊とマイヤード敗残兵で奇策を用いて迎撃した。しかしユウトの襲撃により一部の部隊は壊滅し、時間稼ぎの為にサウラに指揮権を渡して死に体で敵部隊に突っ込んだ。ユウトの前に辿り着き一太刀浴びせる事は叶わなかったが、冥府を渡る直前にウォルムの救援を確認し満足したように眠りについた。後に愛剣はウォルムに受け継がれ、ユウトを切りつけた。
規律に厳しく生真面目な性格。目つきが鋭い男。大暴走の一件でウォルムを英雄視しており、良くも悪くも影響を受けている。
余談であるが第一幕から登場し、ダンデューク城の生き残りであり群島諸国にいたウォルムを自ら迎えに出向く忠犬ぶりと空気を読まない天然発言などから作中の人気キャラの一人であった。
そんな彼の死にショックを受けた読者は多く、感想欄では最後の雄姿を讃える声や追悼、惜しむコメントが続出した。
フリウグの部下。ダンデューク城の生き残りで最古参の下士官。
ユウトの襲撃により一部の部隊は壊滅し、フリウグに部隊の合流を提言したが彼に指揮権を渡される。ウォルムの救援により生き残りと共に後退した。
南部方面軍連隊長。長身痩躯な壮年の男。性格は寡黙。
大暴走で祖国を失い、兵や民達を連れて部下達の犠牲を出しながら南方へ避難した過去を持つ。
群島諸国の貴族と魔法銀鉱の共同開拓で内乱が勃発した為、ダリマルクス家に派遣される。
戦争中に発動した《鬼火》を見て狂喜し、ウォルムの生存を確信する。終戦後はデュエイと対談した後はウォルムを捜索するべくフリウグを派遣させる。
マイヤード公国に派遣された兵士。アヤネの護衛兵の一人。
レフン鉱山での大事故でアヤネの現地入りに同行。リハーゼン騎士団と離反した元フェリウス兵達の襲撃を受けるが、数多の犠牲の末に生還する。
開戦後は後方治療所をリハーゼン騎士団に襲撃され、モーリッツとアヤネを逃がした後、マイアを含む護衛兵達と囮となった。血戦の果てに致命傷を受け、ジュスタンより先に戦死した。
ヘイズの弟でウォルムの兄。次男。
村の外で兄を含んだ若い衆と作物を移送中に大暴走に巻き込まれて死亡した。遺体はヘイズが隠した。
回想によると食い意地が張ったお調子者で、常に貧乏くじを引いていたらしい。死因も打ちどころが悪かったのが原因との事。
兄として幼少期から子供らしくないウォルムを心配していた。
マイヤード公国
マイヤード公国の王。旧カノア王国の元公爵。
五年前にハイセルク帝国軍の軍事力を見誤り、領地を切り離してフェリウス王国に寝返った。
マイヤード攻略戦ではウィンストンの戦死で指揮系統が完全に失われ、帝国軍も猛攻と元領民達の狂乱に抗えず死亡した。
リタからは政治家として反面教師にされている。
マイヤード公国の姫。ユースの一人娘。金髪と金眼の美少女。
自国がハイセルク帝国軍に敗れた後、ウォルムに見逃され脱出した。父亡き後はマイヤード代表の座に就く。ハイセルク帝国に勝つべく四か国同盟を結ぶが、国力の格差から発言力は最も低い。
「鬼火使い」の野営地襲撃では彼の正体が自分の恩人であったと知る。逆転策として三カ国から自国の外縁の魔領を焼き、大暴走を誘発させる作戦が提示され、反対するも多数決で強行される。
己の非力さを痛感し、大暴走後は同盟を脱退。アヤネを含んだハイセルク兵やフェリウス兵を受け入れ、再建国を目指すハイセルクと同盟を結ぶ道を選ぶ。セルタ領に訪れたウォルムと再会し、感謝を伝えた。
大暴走から一年後にリベリトア商業連邦、クレイスト王国から開戦宣告を受け、同時にレフン鉱山街の壊滅に加え支配下に置いた元フェリウス領主達から敵側に寝返られるがハイセルク軍と立ち向かう。
リタに仕える老騎士。槍使い。
自国がハイセルク帝国軍に敗れた後、リタと共にウォルムに見逃され脱出した。
「鬼火使い」の野営地襲撃ではウォルムの正体に気づくが、リタを守るべく横やりを入れる。
大暴走後も変わらずリタを支えている。
《剛力》と《金剛》のスキルを持つ。元冒険者の中年の女性。
亡きファルムンク共和国で時の大暴走を経験している。その後はハイセルク帝国の実効支配の村に住んでいた。大暴走が起きて家族と共にダンデューグ城へ逃げ延び、兵達や冒険者共々戦闘に参加。その手腕により隊長と同等の扱いをされた。後にマイヤードのセルタ領へ亡命し、新兵の教練役を勤める。
開戦後は練兵中隊の隊長に就任。クレイスト民兵団を撃退しリハーゼン副団長サイランスを夫婦の愛で討伐したが奇襲作戦に欺かれてしまった。
巨体かつ苛烈な性格で夫や子供を尻に敷いている。武器は素手。
デボラの夫。元冒険者の壮年の男性。
《直感》のスキルを持つ。亡きファルムンク共和国で当時の大暴走を経験している。
妻や息子と比べると細身で凡庸と自負しているがスキルを応用した戦闘力は高い。大暴走の予期を感じとり、家族とダンデューグ城へ逃げ延びる。兵達や冒険者共々戦闘に参加し生き残った。後にマイヤードのセルタ領へ亡命し、教練役の妻の補佐役となる。
開戦後は錬兵中隊の小隊長に就任。クレイスト民兵団を撃退しリハーゼン副団長サイランスを夫婦の愛で討伐したが奇襲作戦に欺かれてしまった。
幸が薄そうな外見をしているが、内面は強かで妻以上に好戦的。愛妻家。
《直感》と《剛力》のスキルを持つ。デボラとヨーギムの一人息子。父親に似て細身の青年。
村では一介の農民として暮らしていたが、戦闘能力は高い。大暴走から家族と共にダンデューグ城へ逃げ延び、兵達や冒険者共々戦闘に参加し生き残る。後にマイヤードのセルタ領に亡命し教練役の母の補佐役となる。
開戦後は父と同じく錬兵中隊の小隊長に就任した。人間相手の戦闘が皆無で、かつてのウォルムのように人殺しに苦悩するが、克服した。
実は幼少期、偶発的なスキルの覚醒によって幼馴染を大怪我させた過去を持つ。
母親の事は「ママ」と読んでいる。作中では両親と同じスキルを発現させている唯一の人物。
冒険者ギルド
Aランクパーティの一人。リーダー。マイヤード出身。
風属性魔法の適正持ちで《バースト》を使う。武器は両手剣。青髪青眼の端正な容姿を持つ青年。冷静沈着な性格。
故郷の為にマイヤード攻略戦では義勇兵として参戦するが、仲間達と揃って対人戦に慣れていない弱点をウォルムに見破られ、ハイセルク帝国軍に敗れた。
リーティアとレフティの失踪後に四か国同盟が起こした大暴走に巻き込まれ、ダンデューグ城に避難。
そこでウォルムの制裁を受け入れて和解。共に戦うも鬼王に敗れ戦死した。
アル達の死はウォルムに冒険者を嫌うと同時に罪悪感を抱かせ、冒険者への道筋を拒む原因となる。
Aランクパーティの一人。アルの恋人。マイヤード出身。《強弓》のスキルを持つ弓使い。
故郷の為にマイヤード攻略戦では義勇兵として参戦するが重傷を負う。面倒見が良く、リーティアに世話をやいていたが彼女の気持ちには気づいていなかった。
リーティアとレフティの失踪後に四か国同盟が起こした大暴走に巻き込まれ、ダンデューグ城に避難。そこでウォルムの制裁を受け入れて和解。共に戦うもアルに先立たれ、ウォルムが駆け付けたときには死んでいた。
Aランクパーティの一人。マイヤード出身。《鉄壁》を持つ盾役。
仲間の中では最年長。故郷の為にマイヤード攻略戦では義勇兵として参戦するがデュエイに敗れ片目を失った。リーティアとレフティの失踪後に四か国同盟が起こした大暴走に巻き込まれ、ダンデューグ城に避難。そこでウォルムの制裁を受け入れて和解。共に戦うも、アルとエイミーは戦死してしまいセルタ領へ亡命した。
その後は冒険者を辞めて兵役に就き、一年半後に恩人であるウォルムと再会。その際に失踪したリーティアとレフティの情報を聞き、大暴走を引き起こした訳ありの依頼を帝国側に伝えた。
Aランクパーティの一人。マイヤード出身。罠の設置や解除、尋問を得意とする斥候役。
無口で愛想がない。マイヤード攻略戦を受け故郷の為に義勇兵として参戦するが敗北。仲間達を守るべく囮役となり無事に合流した。
実はリーティアに好意を抱いており、支える為にアル達に内密にリーティアと訳あり依頼を受けて大暴走に加担した。
大暴走後はリベリトア商業連邦に帰化し、冒険者業を辞めて兵役に就く。
「鬼火使い」の取り込み又は暗殺の任務で精鋭部隊の一人としてヘイズと同行。リーティアの暴走を庇い、鬼の面の予期せぬ襲撃により重傷を負う。生還したものの任務は失敗して帰国した。
Aランクパーティの一人。マイヤード公国出身。風属性魔法の適正持ち。
パーティの中では最年少の茶髪の少女。優れた魔法の才能を持ち、同期の中でも群を抜いているが人殺しを嫌う繊細な心の持ち主。
アルに恋心を抱いており、罪悪感から想いを隠している。故郷の為にマイヤード攻略戦では義勇兵として参戦するがウォルムと対峙し、《風牙》を覚えるも実力差で完膚なきまでに打ちのめされた。敗戦後はウォルムへの恐怖心とハイセルク帝国への憎しみを募らせていく。祖国を侵略した復讐心に憑りつかれ、アル達に内密で訳ありの依頼を受けたが自らが加担した大暴走を前に精神が破綻しかけ、そのままリベリトア軍と逃亡した。大暴走後はリベリトア商業連邦に帰化し、冒険者業を辞めて兵役に就く。
「鬼火使い」の取り込み又は暗殺の任務で精鋭部隊の一人としてヘイズと同行。説得中にウォルムに奇襲で致命傷を負わせ、鬼の面の予期せぬ襲撃により四肢を嬲られる。生還したものの任務は失敗した。
余談だが、登場回数は少ないものの上記の犯行の通り作中では上位の因果人である。
それぞれ要請があった上での行動だが、起因は明確な私怨。また、奇しくもウォルムとは妙な因果が交わっており、立場と結果が真逆。
彼が敵を屠る死神ならリーティアは死を招く疫病神と言ったところ。
迷宮都市ベルガナを拠点に活動する冒険者パーティ「三魔撃」のリーダー。ベルガナ出身。
三属性魔法の適正持ち。《三魔撃》を放つ事ができる剣士。緑色の髪に赤と青のオッドアイの持ち主。武具や容姿を含めて色彩豊かなのが特徴。
迷宮制覇者候補の一人であり、パーティの前衛不足に悩んでいた時に迷宮のセーフエリアでファウストのパーティに襲われていたウォルムを見初めて助力する。後日、勧誘に成功し五人目の仲間に迎えて制覇した。式典でグンドール家の動乱が勃発し、人間爆弾の九頭龍の毒に侵され生死を彷徨うがウォルムが口移しで真紅草を与えた事で生還する。不完全ながらも戦場に参戦して腐骨龍に致命傷を負わせ、英雄と名を馳せる。毒の後遺症で半身不随となるが回復は見込める様子。
ウォルムに異性として好意を抱くようになるが彼がハイセルク帰還を躊躇うのを後押しし、再会を誓った。
聡明かつ好奇心旺盛。年齢にそぐわぬ鋭い観察力を持つ。性別は女性だが一人称が「僕」で仕草も口調も中性的なのでウォルムは一時まで男性と思い込んでいた。
元は食い扶持を稼ぐために冒険者となった。年齢は18歳。
「三魔撃」の一人。六角形の戦棍を扱う僧兵。《金剛》の使い手。
回復属性魔法の適正持ち。医療知識も豊富。一行の中では年長者。外見は武骨な形相の修行僧で、常識人に見えるが目にこだわりを持ち、ウォルムの魔眼に執着心を向ける。この変態性が原因で教会から追い出された過去がある。
迷宮のセーフエリアでファウストのパーティに襲われていたウォルムを助力する。後日、仲間を募集していた彼を迎え、共に制覇した。
式典でグンドール家の動乱が勃発し、ウォルムにメリルを託された後は目覚めた彼女を支えて腐骨龍に致命傷を負わせた。
ちなみにウォルムが加入するまでメンバー唯一の男性であったが、上記の理由で全く問題がなかった。男色家なのかは不明。
「三魔撃」の一人。杖を操る魔法使い。
珍しい寄与魔法を持つ。辛口な口調で一行では仲裁役と苦労役を担う常識人の女性。ハリが変態性を見せると自らの杖で鉄鎚を下す。
迷宮のセーフエリアでファウストのパーティに襲われていたウォルムを助力する。後日、仲間を募集していた彼を迎え、共に制覇した。
式典でグンドール家の動乱が勃発し、ウォルムにメリルを託された後は目覚めた彼女を支えて腐骨龍に致命傷を負わせた。
「三魔撃」の一人。弓使い。
傍観を貫く口数が少ない女性。後援が主だが前衛もこなせる。
迷宮のセーフエリアでファウストのパーティに襲われていたウォルムを助力する。後日、仲間を募集していた彼を迎え、共に制覇した。
式典でグンドール家の動乱が勃発し、ウォルムにメリルを託された後は目覚めた彼女を支えて腐骨龍に致命傷を負わせた。
迷宮都市の冒険者ギルド最古参の一人。五人パーティのリーダー。剣士。
長らくギルドに貢献した模範者で教導役も務めている。周囲からの信頼は厚く、冒険者達からも慕われている。実は裏クラン翁直属の部下として密かに人狩りを行い、上位階層の探索者が増えない原因を作っていた。翁の命で迷宮内でウォルムを襲撃するが仲間を二人失い、更に「三魔撃」の介入で失敗。逃走後は指名手配犯となり、拠点を燃やし翁と合流する。
正体は一世紀前にベルガナを統治していたグンドール家の家臣。真紅草と魔物の細胞により生き長らえている。式典で一世紀ぶりの復讐戦争を開始し、魔人と化して挑むが仲間と共にウォルムに敗れる。後に死霊騎士として復活するものの森林同盟の探索班によって討伐された。
温厚で人はよさそうだが演技に過ぎず、素は真面目。一世紀の歳月と人狩りによる負い目で精神を病んでいる。外見は壮年の男性。
迷宮都市で活動する駆け出し中の冒険者。四人パーティのリーダー。
仲間はきつい性格の紅一点ドナ、大食漢のマッティオ、お調子者リークの四人で同じ村出身者で構成されている。年長者を理由にリーダー役を受けたものの、理性的な性格と高い統率力で問題なく活動できている。
ウォルムが知らずに見逃した素材を運よく回収して装備を整えた結果、低層から脱却する。ウォルムを恐れていたものの、踏破した彼に憧憬を抱くようになる。
式典でグンドール家の動乱が勃発し、招集を受けて慣れない迷宮以外での戦闘に身を投じる。死霊騎士と化したファウストに襲われるが、森林同盟の探索隊の助太刀で事なきを得た。
迷宮都市の冒険者ギルドの受付嬢。迷宮都市出身。
責任感の強い女性で、冒険者達の被害を減らそうと独自で情報提供している。
ギルドに登録せずに迷宮に挑むウォルムを気にかけ、サポートした。彼からはお礼に腕輪を贈られ、意識するようになる。迷宮を制覇した彼に個人的な感情も含めて、冒険者として生きる道を勧めた。
しかし式典でグンドール家の動乱が勃発し、人間爆弾の九頭龍の毒に侵される。ウォルムが真紅草で救おうとしたが同じく毒に侵されたメリルとの天秤をかけた事で間に合わず死亡した。
迷宮都市の冒険者ギルドの受付嬢。リージィの友人。
私生活も男関係もだらしがないが仕事面は優秀。グンドール家の動乱で友の死に錯乱し、結果的にメリルを救ったウォルムを罵った。
戦後はリージィの墓の手配に尽力し、墓参りに居合わせたウォルムに謝罪した。
迷宮都市の冒険者ギルドの副支部長。
大柄な樽肥満体型の男性。ギルドの運営体制を格段に向上させた有能な人物。相次ぐ有望冒険者達の死を調査し、育成に力を入れ、生存性を上げるべく努めていた。
ファウストの一件でギルドの信用が落ちてしまい、原因であるウォルムを疎ましく思っている。
裏クランの接待で人間爆弾にされた後、式典で破裂し支部長共々死亡した。
勤務態度は真面目だが性格は尊大。
迷宮都市の冒険者ギルドの職員。元冒険者。ラッファエーレの部下。
若かりし頃は迷宮専門の斥候役を務めていた。危険を察知する能力に長けている。
裏クランの接待で生餌の刻印を刻まれ、式典での騒動で図らずも加担してしまった身の上に恐怖し、国外へ逃亡しようとした。死者に囲まれ窮地に陥っていたときにウォルムに救われ、情報を全て吐き出した後は荒治療を施された。その後は生死不明。
フェリウス王国
フェリウス王国の国王。武闘派な弟とは異なり痩躯な男。
扇動していたカノア王国が滅び、そのままハイセルク帝国軍の侵略を受けて四か国同盟を結んだ。
最愛の弟であるウィンストンの死後は私怨に囚われていく。
その復讐心をヒューゴに利用され、マイヤード外縁の魔領を焼き払い大暴走の誘発を強行。しかし想像絶する狂乱によりハイセルク帝国だけでなく自国までもが滅ぼされ、自身は魔物に喰われた。
後にリベリトア商業連邦とクレイスト王国から責任を全て押し付けられ、他国からは愚王として歴史に名を残す事となる。
王弟。武の才能に富んだ優秀な男。
マイヤード攻略戦では派遣軍の司令官の任を受ける。ウォルムの《鬼火》の奇襲に為す術もなく、彼との一騎打ちで死亡する。兄に溺愛されている。
近衛隊の騎士。階級は十人長。
祖国への忠誠心はあれど大暴走で国が終息に迎える事を感じ、部下や家族と共に国外へ出航した。しかしマイヤード公国セルタ領前で部下共々失い、負傷したまま無気力でいたがアヤネに救われる。以降は恩義から護衛隊に入り、自ら戦争の抑止力となる彼女を守るべく命を懸けるようになる。
レフン鉱山での大事故でアヤネの現地入りに同行し、因縁のあるウォルムと対面。リハーゼン騎士団と離反した元フェリウス兵達の襲撃を受けるが、数多の犠牲の末に生還する。
開戦後は後方治療所をリハーゼン騎士団に襲撃され、モーリッツとアヤネを逃がした後、マイアを含む護衛兵達と囮となった。血戦の果てにマイアを守り、救援に駆けつけたウォルムにマイヤード公国を託して戦死した。
ロマンチストな性格。実は戦場でウォルムに尻を焼かれた事がある。
余談であるが第一幕から登場し、敵兵からウォルムの戦友と呼ぶべき存在となった彼の死には感想欄で読者からの追悼や惜しむコメントが続出した。
エスキシュ砦の守将。百人長の地位を持つ。
《強撃》の使い手で武器は金砕棒。優れた戦闘の才能を秘めていたが世渡り下手で愚直過ぎる人格故に左遷され、老年を迎えても戦知らずのまま現在に至る。
セルタ領帰還を目指すウォルム達一行の襲撃を受けて待望の初陣を果たし、僅かな時間で小技を習得した。敗北したままウォルムを逃した。
開戦後はウォルムとの再戦を求めクレイスト民兵団に加わり襲撃を仕掛ける。敗北したが満足して生涯を閉じた。遺体は慕っていた部下達によって回収された。
リベリトア商業連邦
商業連邦の外相。火属性魔法の適正持ち。
若き頃は戦場を駆け回り、頭皮には修羅場を潜り抜けた火傷の痕が残っている。
評議会では主戦派の筆頭格。ハイセルク帝国の猛威を危険視し、魔領を焼き払い大暴走を引き起こして国の戦力を削ぎ落とす案を提示。フェリウス王の復讐心を利用し、計画通りに実行されたが予想を反し二カ国が崩壊。書籍版では計画当初は四カ国の中で最も損害が低いと高を括っていたが、ジェイフ騎兵隊による誘因により自国も大暴走の波に巻き込まれ、謹慎処分を受ける(作者によると炎帝竜の登場には冷や冷やしていたとの事)。
その後は破綻した穏健派を押しのけて議会で主導権を握り、再建国を目指すハイセルクを滅ぼそうと仕掛ける。作戦の一環としてヘイズを利用して「鬼火使い」の取り込み又は暗殺を実行するが精鋭部隊の先走りと鬼の面の復活により部隊は壊滅した。
国民を財産と考え、政治家よりも経営者の思考を持つ狡猾で残酷な合理的主義者。敵味方でも私情を挟まず分析できる聡明な頭脳の持ち主でもある。しかし作中では実行する作戦には決まってウォルムが関わっているので、中途半端な結末になっている。
余談であるがハイセルク帝国とフェリウス王国崩壊させた首謀者として諸悪の根源と読者から認識されている。しかし事の発端は外交を疎かに侵略を強行したハイセルク帝国であり、序盤での自国の兵は戦に不慣れで質は低く、あくまで為政者として国の存立危機事態を回避させる為の決断に過ぎない。だが結果的に國焼の大鬼「灰塵童子」の契機を作った挙句、開戦によって鬼と契約した「鬼火使い」の参戦と同時に鬼の復活に大量の生贄を必要とする環境条件を知らずの内に整えてしまった。
歩兵中隊の指揮官。土魔法属性の適正持ち。
四か国同盟の決行で冒険者達を率いて魔領を焼き払う任務を担う。本人は乗る気ではなく、大暴走を目の当たりにして人間の戦争に魔物を使うべきではないと改めて認識した。現実主義者。
階級は中隊長。ウォルムの実兄。長男。
《氷結》を操る亡命ハイセルク人。水属性魔法の適正持ち。
大暴走で祖国と次男、両親を失った後リベリトア兵に保護された。生きる為に敵国のリベリトア商業連邦に帰化し、兵役に就いて出世。リベリトア人の女性と結婚して二児を儲ける。
不幸にも経歴をヒューゴの目に留まり、戦死したと思っていた末弟の生存を知らされ、懐柔を命じられる。故郷でウォルムと再会し、一時の兄弟の時間を楽しむが帰化の説得中に精鋭部隊の先走りで致命傷を負ってしまった弟を断腸の思いで自らの手で仕留めた。しかし鬼の面の復活で部隊は壊滅し、任務は失敗。弟の生死と鬼の正体を掴めぬまま帰国した。開戦後は大軍を移動させる為にセルタ湖を氷結させる。
ハワードに大暴走が意図的に仕組まれていた事実を知らされても、ウォルムを手にかけた悔恨から軍人の人生を全うする道を選んだ。
家族思いの真面目な性格。容姿はウォルムと似ている。
兵士。階級は不明。
大暴走に巻き込まれたヘイズを保護した恩人。以降は戦友として共に任務をこなしている。「鬼火使い」の取り込み又は暗殺の任務で精鋭部隊の一人としてヘイズと同行。鬼の面の襲撃に遭うが生還し、帰国する。
軍人の矜持と愛国心を持ち、任務の非情性に理解は示すが戦友であるヘイズに大暴走発生の噂を告げて亡命を勧めた事もある。
クレイスト王国
日本からクレイスト王国に転移した高校生。「三英傑」の一人。
光属性魔法の適正持ちで《聖撃》を使う。武器は剣。転移前からアヤネを大事に想い続けており、マコトより優先しがち。
良い意味でも悪い意味でも律儀で純粋な性格。故郷への未練はあるが幼馴染であるマコトとアヤネの為に戦いに身を投じている。しかし転移者の中では高い火力を持つものの、二人よりも精神的に未熟で打たれ弱い。リハーゼン騎士団を善と疑わず、情報操作によって戦うだけの傀儡と化す。
ハイセルク帝国軍のリグリア隊を壊滅させ「鬼火使い」も倒したと思われたが、その彼に野営地を襲われる。その際、アヤネ達を人質に奪われ自身は《聖撃》の誤爆で重傷を負ったまま敗走を余儀なくされる。大暴走後はグランの命で魔領に送られ、在りし日の想い出に縋りながら討伐の日々を送り続ける。開戦後はマコトの凶行を知らないままグランに騙され、抹殺対象のアヤネを救出する言葉を信じ、軍勢と共にマイヤード公国に侵攻。フリウグ中隊とマイヤード敗残兵の防衛を進撃し壊滅させるが救援に駆けつけたウォルムと対峙する。
殺し合う中で彼が同郷と判明して戦意が揺らぎ、最後通牒された事で投降を選ぶ。しかし背後からデュエイの刃を受けて死亡した。
実は高倉頼蔵が通っていた母校に在籍していた。
日本からクレイスト王国に転移した高校生。「三英傑」の一人。
火、風、水、土属性魔法の適正持ち。性格は快活明朗。学生の頃からユウトに好意を抱いており、常に彼に優先されるアヤネに劣等感を抱いている。八重歯が特徴の僕っ娘。栗毛の美少女。
野営地の治療所でウォルムにアヤネ達を人質に取られ、ユウトの誤爆に巻き込まれ重傷を負う。アヤネ達を人質に奪われたまま敗走した。
大暴走後も戦場へ渡り、異世界の過酷な生活に順応した結果、元の性格は失われ人命に対する論理感も希薄な冷酷な利己主義者と化す。並行してユウトへの恋情が歪み、グランの命を受けアヤネ殺害を承諾。レフン鉱山で大規模の地滑りを起こす。そして二度の地滑りで鉱山街を潰し、敵兵や住民達を濁流に呑ませた。騎士団を率いて襲撃にかかるがウォルムとの一騎打ちで敗北。追い詰められた末に《重爆》を取得するものの、左腕を残して離脱した。開戦後はユウトに鉱山の一件を隠しつつ大軍を移動させる為にセルタ湖を氷結させる。
実は高倉頼蔵が通っていた母校に在籍していた。
日本からクレイスト王国に転移した高校生。「三英傑」の一人。治療魔術師。
回復属性魔法の適正持ちで、無詠唱で欠損部分も再生できる程の腕を持つ。知識量の不足からマイアのサポートを受けている。温厚で優しい性格の持ち主。黒髪の美少女。
治療魔術師でアヤネの助手。水、回復属性魔法の適正持ち。
孤児出身で生活の為に職に就いた経歴を持つ。アヤネを妹のように想っており、知識や精神面でもサポートする。性格は真面目。21歳。
アヤネと共に捕虜となり、帝国兵の治療に従事。大暴走では生き残りと共にマイヤードのセルタ領へ亡命した。その後は自国へ戻らず、アヤネと共にセルタ領で働く。
開戦後は後方治療所をリハーゼン騎士団に襲撃され、モーリッツとアヤネを逃がした後、護衛兵達と囮となった。血戦の果てに捨て身のジュスタンに逃がされ、生還する。
リハーゼン騎士団団長。小言の多い面倒ごとは部下のヨハナに任せている。
《強撃》のみでありながら、強靱な肉体と研磨した剣技で団長の座に就いた傑物。
ウォルムの襲撃で四カ国同盟軍の敗北を受け入れ、仲間達の逃亡を選んだ。後にヒューゴの案に乗り意図的に大暴走を引き起こす事に賛成した。
大暴走後、クレイスト王国に戻らずセルタ領に居残るアヤネを危険視し、マコトの恋情を利用してアヤネ抹殺を命じるが失敗。
開戦後はセルタ湖を氷結させ、リハーゼン騎士団や軍を率いてマイヤード公国に侵攻し、同時にアヤネ抹殺作戦を同時実行。ユウトには偽ってアヤネ救出を名目にラガ砦襲撃を命じた。
作戦は好調に見えたが駆けつけたウォルム、懲罰部隊、マイヤード公国軍の援軍によって逆に孤立してしまい、ヨハナと残兵を逃がすべく部下達と殿を務め迎え討つ。
最後は団長として帝国騎士のウォルムを待ち構えていたが、雑兵とデュエイの刃によって首を刎ねられ死亡した。
冷酷非情な性格で、国益を優先した歪んだ人材育成を好む。異常な精神力を持つウォルムを恐れている。理想主義のヨハナに甘い傾向にある。
リハーゼン騎士団の女騎士。転移した三人を迎え「指南役」となる。
豊富な魔力量を有し、水魔法属性の適正持ちで《強撃》《鉄壁》スキルも持つ。
紫色の髪の美女。勇猛果敢で騎士の英雄譚に憧れを抱く理想主義者。良くも悪くも甘さを抱えており、騎士団の非情な面に染まり切っていない。
ウォルムの襲撃で重傷を負い、アヤネ達と野営地を切り捨てユウトとマコトを連れて逃走した。大暴走後はユウトと共に魔領へ赴き討伐に勤しむ。
開戦後は軍勢と共にマイヤード公国に侵攻。作戦は好調に見えたが駆けつけたウォルム、懲罰部隊、マイヤード公国軍の援軍によって孤立し、率いていた部隊過半とユウトを失った。
グランの命で残兵を率いて逃走する。
リハーゼン騎士団副団長。狂気的なまでに秩序を重んじている。
開国後はセルタ領襲撃を成功させる為の囮としてクレイスト民兵団を率い、デボラ練兵中隊と対戦した。病に侵された肉体を薬で酷使し、デボラとヨーギム夫婦に敗れ死亡。死ぬ間際に作戦の成功を吐露した。
余談であるが国家の命運の戦いで夫妻に惚気られたときはメチャクチャキレてた。
ガルムド群島諸国
子爵。魔法銀鉱を発掘したハイセルク帝国残党に支援し、共同開拓した。
それに目を付けたメイゼナフ家の譲渡要求を断り、内乱を決行。一年前の大暴走でハイセルク帝国兵の活躍と《鬼火》を目撃しているので対等に接するが傘下の貴族達から理解されない現状に悩む。大勝後はハイセルクの再建国にも協力を示し、ウォルム捜索の任務を受けたフリウグに紹介状を与えた。
ダリマルクス家傘下の貴族。男爵。反ハイセルク派の筆頭。部下には割と寛容。
ハイセルク帝国派遣軍を優遇するエドガーに反感を抱いており、ハドロを敵視する。
しかしハイセルク兵の猛威を目の当たりにした事でメイゼナフ家に同情する程に評価を改めた。
ハイセルク人は「政治感覚に鈍く落とし所を探るのが下手な国民性」と観ている。
伯爵。武の才はないが政事と商才の能力は高く、隣領のダリマルクス家には長く不当な交易を強いていた。
エドガー曰く「一族は代々強欲」であるとの事。他の領地でも悪名は轟いており、多額の賄賂で中央政府にもコネを持っている。
ダリマルクス家とハイセルクが共同開拓した魔法銀鉱に目を付け、譲渡を要求し内乱が勃発。
桁違いの兵力を用意したが、ハイセルク兵とダリマルクス家軍勢の追撃に傘下の貴族共々敗北。甥の決死の説得を受け、一族の為に潔く敗北を認めて敗走する。
メイゼナフ家傘下の貴族。子爵。中途半端に優秀。
意欲的だがオディロンや他の貴族達、そして傭兵団からも見下されている。
軍に大打撃を与えたウォルムを英雄の器と認め、傭兵団に討伐を命じるも《鬼火》に狂喜乱舞したハイセルク兵の軍勢に呑み込まれ死亡した。
酒場の亭主。元Bランク冒険者。
自暴自棄になっていた常連のウォルムを警戒しつつも案じていた。
彼の金策の相談にも乗り、メイゼナフ家の戦争を教えた。現役を引退しつつも冒険者達からは一目置かれている。
農村の四男坊。自立心から金銭を稼ぐべく出兵に志願する。
マイペースな性格。ウォルムからフォローを受けるも戦争で足を負傷し、戦線を離脱。
戦後は故郷に帰る前に一定期間の警備兵として働いていたが部隊をサイクロプスに襲われる。そこでデュエイに救われ、ウォルムの現状を伝えた。
クーウェンと同じく自立心から金銭を稼ぐべく出兵に志願する。
マメな性格。ウォルムからフォローを受けるも負傷したクーウェンを連れて戦線を離脱。
戦後は故郷に帰る前に一定期間の警備兵として働いていたが部隊をサイクロプスに襲われる。そこでデュエイに救われ、ウォルムの現状を伝えた。
迷宮都市ベルガナを拠点としている傭兵団の団長。裏ギルドの統括者ジーゼルの実弟。
孤児であった時、翁に拾われ兄と共に歪んだ教育を施された。スキルはないが高い指揮能力と剣術を併せ持つ。弱者を嬲る事を好み、団員達は同種の異常者で構成されている。
バーンズを利用し友兵を巻き込んでウォルムを攻め討とうとしたが失敗。最後は体が真っ二つとなり死亡した。ジーゼル曰く「馬鹿ではないが頭に血が上りやすいタイプ」との事。旧民の末裔の一人。
団員。巨漢で醜悪な面構えの男。頭は悪いが小技まで扱う《強撃》と《金剛》の使い手。しかも少年愛好者であり、ガチの変態である。
好みの少年を「兎ちゃん」と呼称し、戦闘中でも執拗に追い求める。その趣向は仲間達からも敬遠されている程。クーウェン達に惚れこみ、彼らを庇ったウォルムと対峙。全身を黒焦げにされる末路を迎えた。
余談であるがその光景を見た団員からは「いつかあぁなると思っていた」と呟かれていた。ジュストと同じく旧民の末裔の一人。
団員。傷んだ赤毛が特徴の元娼婦。火、風属性魔法の適正持ち。魔導兵達の長。
傭兵団の中では理性的であるが外道なのには変わりはない。ウォルムが放った《鬼火》の猛威から逃れ、生き残った傭兵達を率いて迷宮都市へ帰還してジーゼルに報告した。
式典でグンドール家の復讐が開始された後はスラムに潜伏し、ジーゼルの死後に人質に紛れてウォルムに一矢報いる事に成功するが首を斧槍で貫かれて死亡した。
ジーゼルと翁を非常に恐れており、過去には幾つもの犯罪を加担させられている。作者によるとジュストに好意を持っていたらしい。ジュストと同じく旧民の末裔の一人。
アデリーナ号の船員。水属性魔法の適正持ち。ウォルムが認める程の水魔法の使い手。
客であるウォルムを迎え、船に案内した。クラーケンの襲撃では共闘して生き残る。快活な性格で説明が上手く、ノリがいい。
ジュストの実兄。迷宮都市ベルガナの裏クラン統治者。
元はスラムで徘徊していた孤児で弟ジュストと共に翁に拾われ、暴力と謀略を教え込まれ現在の地位を築き上げた。その手腕のみならず《強撃》と《鉄壁》を持つ強者。
敗走したリュッカ達からの報告で弟の訃報を受け、仇であるウォルムをつけ狙う。式典でグンドール家の復讐が開始され、部下達を率いて復讐を果たすべくウォルムに挑むが敗れた。
冷酷無慈悲で恐れられる人物だが過酷な生い立ちから唯一の肉親である弟だけを大事に想っていた。
年齢は三十代。凶相の持ち主。旧民の末裔の一人。
迷宮都市ベルガナの裏世界に潜む謎の人物。
孤児で旧民の末裔であるジーゼルとジュストを拾い、歪んだ英才教育を施した張本人。
正体はアイゼンバッグ・ファン・グンドール。一世紀前にベルガナを統治していた旧王であり、死霊魔術師でもある。
共和国の支援と家臣達や旧民の末裔達と共にボルジア家に復讐するべく虎視眈々と機会を狙っていた。
式典で一世紀ぶりの戦争を開始し都市を死者の都へと変えた後、自身を生贄に長年造り上げた腐骨龍を復活させた。しかし兵士や冒険者達の死闘の末に腐骨龍は早くも討伐され、共和国の進軍は失敗に終わる。
真紅草と研究の研磨により、既に肉体は魔物「リッチ」と化している。
迷宮都市ベルガナを統治する侯爵家の三男。
実直な青年で、日陰者の立場でも放蕩せずに日夜精進に励んでいる。読書家。
式典でグンドール家の動乱が勃発し、父と嫡男であった兄や血族を一度に失い継承権を得る。突然ながらも当主として指揮を執り、エドアルドに前線指揮官を一任する。兵士や冒険者達の死闘の末に都市を破壊した腐骨龍の討伐、そして共和国の進軍を防ぐ事に成功した。
エドガーと同様にウォルムを配下に加えたかった模様。
ボルジア家に所属する兵士。階級は千人長。
式典でグンドール家の動乱が勃発し、混乱する中で冷静に対処した。生存した中で唯一階級が高かった為、トリィオの命で前線指揮官に一任された。
腐骨龍の出現ではウォルムの提案を呑んで《鬼火》で足止めし、メリルの《三魔撃》で倒れた腐骨龍の討伐に加わった。
その他
自称「しがない行商人」。
ウォルムと同じくアデリーナ号に乗船し生き残る。彼の実力に感心し、縁を結んだ。薬品や薬草の造詣が詳しい模様。細身の外見に反して腕力はある。
グンドール家の動乱後はハイセルクへ移動しウォルムと再会。本国の命令でヘイズの情報を伝えた。
実はリベリトア商業連邦の間者。ただし訓練は受けておらず、本国に強制的に協力させられている。ウォルムと敵対する道を恐れている。
国家
大陸の中央、南に位置する国。
元は小国の一角だったが完勝に続き併合を重ね、現在の軍事国家となった。
四カ国同盟が引き起こした大暴走によって滅び、東、南、西方面に分かれる。群島諸国のダリマルクス家と魔法銀鉱開拓の資金を元に再建国を目指す。更にグンドール家の動乱で縁が深まり、交易を開始する。
マイヤードと同盟を結び、クレイストとリベリトアの再戦に備えている。
「政治感覚に鈍く落とし所を探るのが下手」な国民性と見られ、華美さのない合理的思考と過去の侵略戦争から餓狼と例えられている。
軍事に特化し過ぎて文化は栄えていない。
フェリウス王国の南方に位置する国。
旧カノア王国から離脱後、フェリウス王国の傘下となる。
五年後、ハイセルク帝国軍の進行により敗北し領地は一部を残して合併される。リベリトア、クレイスト、フェリウスと四カ国同盟を設立。劣勢に追い込まれた末に人為的な大暴走を決行されてしまう。結果的に予想を上回る大災害が起き、責任は滅びたフェリウスに全て押し付けた。
大暴走後は同盟を抜け、再建国を目指すハイセルクと同盟を結び、二カ国への戦争に備え戦力を拡大している。
フェリウス王国に唆され、ハイセルク帝国と戦争を起こすが焦土作戦で裏切られて滅んだ。
クレイスト王国の隣国。
カノア王国を唆しハイセルク帝国との戦争を意図的に起こさせるが援助はしなかった。
マイヤード公国崩壊後、マイヤード、リベリトア、クレイストと四カ国同盟を設立。劣勢に追い込まれた末に人為的な大暴走を決行し、結果的に予想を上回る大災害が発生。都市まで魔獣の大軍に呑み込まれ、滅びた。大暴走後はリベリトア、クレイストに責任を全て押し付けられた。生き残った民はクレイスト、マイヤードに移住している。
帝国の東に位置する国。
各地に迷宮を有し、資源や資産が豊富。他の国々と比べると戦力は低く象徴的なものがない。
ハイセルク帝国からの侵略を受け、マイヤード、クレイスト、フェリウスと四カ国同盟を設立。劣勢に追い込まれた末に人為的な大暴走を決行し、結果的に予想を上回る大災害を起こす。責任は滅びたフェリウスに全て押し付けた。
大暴走後は領土を増やし亡命したフェリウス、ハイセルク人を受け入れて戦力を蓄え、再建国を目指すハイセルクを滅亡させようとクレイスト王国と協力する。
各国からは守銭奴という印象を持たれている。
大陸の北部に位置する国。異界と繋がりやすい土地を持ち、異界からの来訪者により文武両面で国土を発展させてきた。
ハイセルク帝国を危惧し、マイヤード、リベリトア、フェリウスと四カ国同盟を設立。劣勢に追い込まれた末に人為的な大暴走を決行し、結果的に予想を上回る大災害を起こす。責任は滅びたフェリウスに全て押し付けた。
大暴走後はフェリウスの民を受け入れるも、領地や人材不足、食糧難に悩まされる。
ハイセルク帝国の南、西に位置する国。三大国の一つ。複数の島国で構築されている。
統一戦争時、当時のベルガナはグンドール家が支配する独立国家で共和国と同盟を結んでいたがガルムド軍に敗北後、併合された。
現在は国外では戦争もなく、平和が続いていたがグンドールの動乱で都市ベルガナは壊滅。共和国との開戦寸前となった為、警戒している。
またダリマルクス家の魔法銀鉱開拓や防衛協力などで縁が深まり、ハイセルクと交易が始まった。
共和国の西に位置する国。三大国の一つ。
人間、ドワーフ、エルフ、獣人の他種族国家で構成されている。
群島諸国の北に位置する国。三大国の一つ。巨人族の末裔。
統一戦争時代、グンドール家と同盟を結んでいたがガルムド軍と森林同盟軍に援軍を阻まれベルガナは陥落。ベルガナが群島諸国に併合後は密かに落ち延びたグンドール家と繋がり、虎視眈々と開戦の機会をうかがっていた。グンドールの動乱時、国境に軍勢を揃えていたが腐骨龍討伐により後退する。
魔法とスキル
スキル
本作では魔力を扱える者が使用できる技能である。
スキルの有無で実力は天地との差があり、魔法も含め所有者は十人に一人の割合。
魔法では複数属性持ちはいるが多くて二属性で、三属性持ちは滅多にいない模様。
魔力膜
魔法、又はスキルの使用者は魔力で肉体や装備品を膜の如く覆わせる事で耐性を上昇させる。
色は無色透明。適正の属性魔法によって各耐性がつき、体得したスキルの階級で効果も変化する。
剣、槍、斧といった刃物の武器に魔力を纏わせ剛撃を喰らわせる。
使用者の実力次第で魔法スキルを相殺させる事もできる。
鋭い矢を放つ。
《強弓》の強化版。
盾に魔力を纏わせ、攻撃を防ぐ。応用で攻撃にも転換できる。
肉体を覆う魔力膜を強化し、攻撃を防ぐ。《鉄壁》の肉体版。
肉体を魔力膜で強化する。
毒の耐性を持つ。気づかずに取得してる者もいる。
物事の真相を即時的に感知する。
3つの魔法属性を合体させて放射する魔法スキル。威力は強力な分、比例して魔力を消費する。
4つの魔法属性を合体させて爆発させる魔法スキル。
火魔法
火属性魔法に適正を持つ人間が使用できる。取得後は耐性を得、魔力膜が火魔法と火傷に強くなる。
火と浄化の効果を持つ魔法スキル。
特徴は蒼炎で、使用者の放つ火魔法も同色となり威力は上がる。アンデッド種にも有効。
火・熱耐性は破格級で同属性魔法はほぼ無効。欠点は激しい魔力の消費。
戦場で語られる程有名であり、英雄や名高い冒険者が取得していた。ちなみに所持者はウォルムのみで地球の鬼も使用できる等、謎が多い。
火の球体を発射する魔法。詠唱によって威力が上がる。
火槍を発射させる魔法。
小さな火を灯す魔法。夜や暗い洞窟などに使われる。
土魔法
土属性魔法に適正を持つ人間が使用できる。属性魔法の中では地味だが有用。既存の物質を使うので魔力量の消費が抑えられる。取得後は耐性を得、魔力膜が土魔法に強くなり土木作業にも効果を発揮する。
土魔法の初歩にして主力魔法。戦場では見ない方が難しいといっていい程、頻繁に使われている。
血を媒体に文字通り土の人形を生み出す魔法。壁や囮、兵力の増強など使い方は有用。
地面を勃起する魔法スキル。
水魔法
水属性魔法に適正を持つ人間が使用できる。使用者の意思次第で氷結も可能。海では強力だが陸では色々な意味で不遇であり、魔力量の大小構わず給水機代わりにされる。
水の球体を発射する魔法。
氷の槍を発射させる魔法。負傷した場合、溶けた水が体温を奪い魔力膜と血液の凝固を阻害する為、致命傷となる。
氷の壁を出現させる魔法。ただし破壊されると発動者や周りが負傷する事もある。
水を空中に浮かべ、対象者を移動する魔法スキル。
使用者の創造で氷を形成する魔法スキル。《鬼火》とは相性が悪い。
風魔法
風属性魔法に適正を持つ人間が使用できる。燃費がよく、速度上昇といった補助魔法があるので白兵戦には有利。
身体を加速する魔法。攻撃の他、移動手段に使用される。
物質を風で射出する魔法。
空気を圧縮し放出する魔法。
《風刃》の強化版の魔法スキル。
猛風を操る魔法。
光魔法
光属性魔法に適正を持つ人間が使用できる。
適正者はユウトの一人のみ。
高密度の熱を放射する魔法スキル。殺傷能力は高く危険度は《鬼火》と同等。欠点は持続性に欠ける。
回復魔法
回復魔法に適性を持つ人間が使用できる。四大属性と比べると少数。術者の力量により欠損すら回復する。
聖魔法
名前のみ登場。
アンデッド種に絶大な効果を発揮する。魔法なのかスキルなのか不明。
寄与魔法
魔力を他者に分け与える。
転生者と転移者
異世界から魂、又は肉体が転移した存在。
世界を越えた存在(肉体と魂)は逸脱した能力を得る。作者曰く「素質が開花していないか、その世の理に素質が適していないか」。
能力と共に魔力量は一般的な量の数十倍も得る。
転生者の場合は土地関係なく誕生する。
転移者の場合は異世界に干渉しやすい土地を持つクレイスト王国に渡る。
転生者
ウォルム
ハイセルク帝国で転生。
三属性・豊富な魔力量・魔物半適正・人殺しの才能を与えられた。
戦闘未経験から僅か二年(実質一年)でハイセルクの最高戦力となる。
転移者
三英傑
今世の転移者で高校生(ユウト・マコト・アヤネ)三人組。
光属性、四属性、回復属性といった適正魔法と豊富な魔力量を与えられた。
四カ国同盟とハイセルク帝国軍との戦争で活躍したが、大暴走後は一人の離反によってこの称号は廃れた。
謎の集団
統一戦争時代、三大国と敵対していた所属不明の戦闘集団。
鬼の面の回想から時期的に第二次世界大戦で活躍した大日本帝国軍の部隊の可能性も。その内の一人は鬼の面の所有者であり、《鬼火》を使用していた。
現時点で生死不明。
与えられた能力は不明。