概要
ボーダー創設者の一人である最上宗一が、全トリオンを注ぎ込み、文字通り命を捧げて作り出した黒トリガー。
通常の黒トリガーと違い比較的人を選ばない性質を持っているため、争奪戦の時点で20人以上、現在も10人以上の適合者が存在する。
ちなみに、本編で初めて登場し解説された黒トリガーでもある。
性能
見た目は普通のブレードであり、そこから幾本か光の帯が出ている。
能力は「物体に斬撃を伝播させ、目の届く範囲ならばどこにでも攻撃ができる」というもので、壁や地面を伝って離れた場所に刃を飛ばす。
ブレードから出ている帯が残弾であり、遠隔斬撃を1発放つ毎に1本消費し、0になると再装填の為に隙が生じる。
遠隔斬撃を使用しない間は「ただのブレードと同じ」と言われているが、実際にはスコーピオンよりも軽く、弧月よりも切れ味と耐久力の高い超高性能ブレードである。
単に遠くのものまで切れるだけではなく、斬撃を仕掛けておく事で時間差攻撃による罠とする事も可能であり、さらに敵の座標さえ分かれば離れた相手に斬撃を命中させることも出来る。
本人も言うように、未来視により相手の動きを読む事ができる迅悠一のサイドエフェクトとの相性は抜群である。
一方で、シールドやベイルアウトなど防御のための機能が一切存在しないという重大な欠点を持つ。攻撃偏重のきわめてピーキーな性能であるため、適合者の数に反して、使いこなすのは非常に難しい。
迅が近接戦闘で使いこなしているのは当人のサイドエフェクトありきであり、超長距離の遠距離攻撃として使うのが無難だと思われる。作中で出てきた他の黒トリガーと比べると汎用性には欠けるが、ガロプラ戦で見せた超射程は黒トリガーの名に恥じない性能。
上述した光の帯の最大数は使用者のトリオン量に左右されるようで、迅は11本、三輪は6本である。
もし、莫大なトリオン量を誇る雨取千佳が風刃を起動できれば、光の帯は50~60本程出るらしい。作者曰く「たぶんもう剣に見えない」。逆にトリオンが貧弱な三雲修の場合は起動できたところで光の帯は1本しか出なさそうだと遊真は推測している(アニメ版のオマケコーナーより)。
また、トリガー起動前と後で使用者の見た目は一切変わっていないが、これは起動時の見た目をそのまま反映したトリオン体に換装しているため(なので全裸で起動すれば全裸のトリオン体が形成される)。
変遷
物語が始まる数年前に、最上の弟子である迅悠一が風刃争奪戦を勝ち抜き保有。
物語序盤に巻き起こった(空閑遊真の)黒トリガー争奪戦後に行われた取り引きにより、遊真のボーダー入隊を認める代償として本部に献上された。
第二次大規模侵攻では三輪秀次に預けられていたが、三輪も終戦後に「攻撃一点特化の能力ゆえに対応力に欠けるため、専有させずに状況に合わせて投入すべき」と進言して返却している。
近いうちに迅が適合者達全員に使い方を教える予定との事。
迅以外の使用者候補
氏名 | 階級 | ポジション | 備考 |
---|---|---|---|
風間蒼也 | A級3位 | 攻撃手 | 攻撃手2位個人総合3位 |
三輪秀次 | A級7位 | 万能手 | 万能手3位 |
一条雪丸 | A級8位 | 攻撃手 | 攻撃手7or5位 |
片桐隆明 | A級8位 | 銃手 | 銃手3位 |
加古望 | A級5位 | 射手 | 射手3位 |
佐伯竜司 | A級4位 | 万能手 | 元隊長 |
嵐山准 | A級5位 | 万能手 | 万能手2位 |
木虎藍 | A級5位 | 万能手 | 入隊時3600Pt |
生駒達人 | B級4位 | 攻撃手 | 攻撃手6位 |
弓場拓磨 | B級8位 | 銃手 | 銃手2位 |
村上鋼 | B級9位 | 攻撃手 | 攻撃手4位 |
ポジションを問わず多数の隊員が使用候補者に名を連ねている。
これだけの適合者が存在するのは、通常作り手の意思を残し適合者が少なくなる黒トリガーとしては異例である。
上記のメンバーも迅が風刃を返却したタイミングでのボーダー内の候補者として口頭で挙げられていただけであり、ランカー級の実力者のみが名を連ねていることから「実力不足」や「戦闘スタイルが風刃と合わない」などの理由で候補から外れた隊員が他にいる可能性もある。
しかし太刀川慶は明確に適合できず、争奪戦にも参加できなかったと語られているため、少なくとも実力者であれば誰でも良いというわけではない。