おまえ、つまんないウソつくね
プロフィール
概要
「サイドエフェクト」と呼ばれる超感覚の持ち主であり「相手の嘘を見抜く」事ができる。
亡くなった父の友人に会うべく近界からやって来た近界民で、ひょんな事からトリオン兵に襲われたクラスメイトの三雲修に素性を明かした事から、この物語はスタートする。
人物
物心つく前から父・空閑有吾と、彼が作った自立型トリオン兵・レプリカと共に近界の国々とその戦禍の中を渡り歩いて育つ。3年前には自身も戦場に出向くようになっており、半人前の見習い傭兵として父と共に活動していた。
しかし、身を寄せていた国家が敵国の侵攻を受けた際、「今回の敵とは戦うな」との父の忠告を無視して前線に出向いた結果、謎の黒トリガー使いに遭遇して敗北。肉体にも致命傷を負わされ死を待つのみとなったが、父が自身の命と引き換えに新たな黒トリガーを創り出し、その機能により特殊なトリオン体を生成し新たな肉体とした事で生き永らえた。現在の白髪と小柄な体躯はこの影響である(元々は黒髪であった。)
その後は黒トリガーの能力を使って敵国の侵攻を凌ぎ切り、3年掛かりで講和へと導くとレプリカの助言から、父の友人がいると聞いた「ボーダー」に接触するために「こちら側の世界」へとやって来る。
性格
幼少からのサバイバル経験と父親の教えから、合理的思考のリアリスト。
それに加え飄々とした竹を割ったような言動とこちらの常識に疎いことが相まって、物語初期ではよくトラブルを招いていた。
敵に対しては全く容赦が無く、関わりのない他人に対して殆ど興味を示さない一方で、恩人や目上(と思った相手)には礼節を尽くすため、決して協調性が無いわけではない。三雲隊にヒュースが加入してからは修と衝突しがちな彼のフォローも行っている。
三輪隊から襲撃された際には、修の出世を気にして自分からは手を出さなかったり、忍田本部長からB級昇格案を受けた時も自身の身の上を考慮して周囲の反感を買わないために辞退するなど、彼なりにではあるが周りに気を使っている面もある。
自身の特殊な生い立ちと合理思考、そして「嘘を見抜ける」というサイドエフェクト故に相手に平然と喧嘩を売る一面があるが、それ故に自分に非があると分かるとアッサリ謝る一面も持つ。初対面の帯島ユカリをその外見から男と間違えて「帯島少年」と呼んでしまった際には土下座で謝罪した。土下座までしたのには過去に同様の失敗をした時にはずっと後まで尾を引いたためとの事。
なお、5巻ペーパーや公式ガイドブックによると、学業成績は5歳のおこさま・陽太郎と並んで全キャラクター中最低レベル。無論この年になるまで学校になど通っていなかったため、当然と言えば当然である。
「高校進学はどうする気なんだ?」という声もあったが、ボーダーからの推薦で済ませる模様。
ちなみに、好きなものの「日本の食べ物」というのは、いわゆる和食の意ではなく「日本(こちらの世界)で食べる物」くらいのアバウトな意味。具体的にはハンバーガーなどを好み、その中でも1番好きなものは小南の作ったチキンカレーである。
常時余裕のある態度を崩さない飄々とした性格だが、時折修のストレートかつ予想外な一言には感情が動くことも。
作中での活躍
玄界来訪
亡くなった父親を蘇らせる手掛かりを求め、修達の住んでいる「こちら側の世界(玄界)」にやって来る。伝え聞いた話以上に玄界では反近界民の風潮が強い事を知り、そんな中で協力してくれた修に対する恩義から手を貸しつつも隠れてボーダーと接触する機会を窺っていたが、三輪隊の追跡、及び彼らとの戦闘から予期せぬ形で自身の素性がバレてしまう。この最中に知り合い、三輪隊に退却を促した迅悠一の勧めで、一時玉狛支部の林藤支部長の下へ身を寄せる。
しかし、林藤支部長からは探していた父の友人・最上宗一もまた黒トリガーとなって命を落としている事を知らされ、ボーダーの技術でも父を蘇らせる事は不可能だと理解して、「こちら側の世界」に来た理由を失ってしまう。
目的を失った事で単身で近界へ戻る事も考えたが、修から「近界に兄を探しに行きたい」と願う千佳を守るために協力してほしいと頼まれたことで、彼のお人好しで面倒見な性格に父と似たものを感じ取っていた遊真はこれを承諾。ボーダー玉狛支部へと入隊し、3人でA級への昇格を目指すことになった。
この裏では自身の黒トリガーを狙って本部からA級合同の精鋭部隊が派遣されていたが、迅と本部の穏健派である忍田派に属するA級部隊、嵐山隊が抗戦して撤退に追い込んでいる。
ボーダー入隊~第二次大規模侵攻
ボーダー正式入隊後は持ち前の経験と実力を生かし急速にポイントを伸ばす。入隊時点で風間からはマスタークラス(個人ポイント8000pt以上)の実力はあると高く評価されていて、緑川とのランク戦の結果などを観た、忍田からは特例でのB級昇格を提案されるも、自身の素性を考慮し悪目立ちを避けるべく、特例でのB級昇格は拒否して地道にポイントを稼ぐ道を選ぶ。
大規模侵攻では修と共に出陣。
城戸司令からは無断での黒トリガーの使用は禁じられていたが、ラービットがC級の訓練用トリガーでは手に負えないトリオン兵だと理解するなり、躊躇なく黒トリガーを起動する。
その後は茶野隊に敵性の人型近界民と誤認された事が理由で、城戸司令から黒トリガーの使用は許可するが嵐山隊との同行を命じられて、千佳を助けに行く修と別行動を取る。その後やってきた迅の未来視に従い、彼と共に修達の援護に向かってヒュースとヴィザに対峙する。自身が迅の戦闘スタイルを知らない事やコンビで戦えば相手方に利があると判断すると、黒トリガーで両名を分断させ自身はヴィザと交戦する。
実力でも経験でも格上の相手を戦いのペースを握る事ができず、更には修のフォローに向かわせるためレプリカを別行動させた事による戦力低下で少しずつ追い詰められていったが、自身の境遇に由来する1回限りの捨身の賭けとも呼べる奇策を押し通した事でヴィザからの勝利を掴み、その後はハイレインへの射撃で修を援護した。
最終的に貢献を認められ、当時まだC級でありながら個人で特級戦功を獲得。またその戦功によるポイントを使用せずに実力のみでB級への昇格を果たしている。(ポイントは修同様、千佳に移して彼女をB級に昇格させるという特例措置を取るために使用した。)
そうして遊真と千佳がB級に昇格したことで、B級部隊・三雲隊が正式に結成される。
B級ランク戦
B級ランク戦ROUND1では、吉里隊・間宮隊の両隊を瞬殺し、その後のROUND2・3でも荒船哲次や村上鋼といった実力者を破って点を稼ぎ、三雲隊の順位を上げていく。
しかし、ROUND4:対二宮隊・影浦隊・東隊戦では、修が早々に撃破され、千佳も離脱した事で単身の戦いを余儀なくされる。どうにか小荒井を倒して1点取るも最後は動きを誘導された二宮に撃ち抜かれ、悪あがきに放ったマンティスも届かずに敗北する。
こうした「エース頼みの状況」に対して修と千佳は木虎と絵馬の2人からそれぞれ教わったスパイダーと鉛弾によって援護力を強化し、「エースの遊真の負担を減らしてさらにエース重視の戦術に特化させる」という開き直った戦法を確立。
ROUND5:対香取隊・柿崎隊戦ではこれらの新戦法を披露して両隊を圧倒。途中柿崎国治からの攻撃で相打ちにされかかってしまったものの、スコーピオンで傷穴に応急処置を施した事でどうにか生き残り大勝を上げる。
ROUND6:対生駒隊・王子隊戦では、王子一彰も含めた3人を撃破。しかし、生駒達人には敗北している他、この試合中は修と千佳の援護で奔走せざるを得ない場面も多く、「自身の他にも前衛が出来る人物が必要」と解説の当真に言われるなどの課題も残る勝利となった。
ROUND7:対影浦隊・東隊・鈴鳴第一戦からはヒュースが加わりエース2枚体制となる。
ヒュースと共に別役を撃破し、続いて影浦とゾエさんと村上・来馬の2組のコンビの三つ巴の状況から、ヒュースのエスクードで影浦隊との2対2の状況を作り出し、結果的に影浦は鈴鳴の撃破扱いとなってしまったものの、ゾエさんを倒しポイントの獲得には成功。
続く村上・来馬コンビは修も加わり3人で攻略。来馬は絵馬に倒され、咄嗟の機転で曲芸技を見せた村上相手に危ない場面もあったが、こちらも機転を利かせ撃破に貢献。この試合から加わったヒュースとは息のあった連携を度々見せていた。
終盤は千佳の護衛に回り、東隊が離脱したことで生存点を獲得した。
ROUND8:対戦相手は二宮隊・生駒隊・弓場隊。序盤に千佳と合流し、二宮の爆撃からともに逃れる。修と合流後は孤立して袋叩きにされているヒュースを援護しようと画策するが、外岡の妨害などもあり、結局ヒュースは生駒を取った後に緊急脱出することになった。ヒュース包囲網が崩れた後は単独行動して帯島と南沢を襲撃した。南沢は帯島に獲られたが、修のワイヤー陣とスコーピオンとグラスホッパーを活用した新技で帯島を無傷で撃破した。その後は修と合流して二宮隊と交戦。修が密かに用意してきた隠し球のハウンドで二宮に出来た隙をついて二宮に止めを刺し、千佳が辻を倒したことで目標であった四点を獲得し選抜試験を受ける条件であったB級2位以内を確定させた。
遠征選抜試験編
選抜試験の前に迅に請われて修とともにガロプラとの交渉の席に着く。相手の話に噓が無いかをチェックしていた。交渉後には修にガロプラとの話で一個だけあった名前の嘘を述べた
選抜試験の事前アンケートでは、遠征にいっしょに行きたい人に本部で仲良くしているという理由でしゅん・カゲ先輩・ゾエさん・むらかみ先輩・トーマ先輩の5人を挙げていた。理由は全部『仲がいいから』とのこと。一方、行きたくない人間に関しては他の人のことはよくわからないという理由で誰も挙げなかった。
ドラフトにより選抜試験での所属部隊は歌川1番隊となった。チームメイトは歌川・小夜子・漆間・虎太郎。
閉鎖環境試験では遊真がまだ難しい漢字や長い文章が読めないことから、周りからのサポートを受けている。漆間から初日の成績が悪いのは自分が原因だと言われるが、課題の字が読めなかった自分が志岐に字の読み方を聞いたことで、志岐の課題が遅れたと言われると納得していた。(男が苦手な志岐に字の読み方を聞いていたのは、歌川から最初の顔合わせの段階で既に動揺していた志岐に弟がいることから、年下なら話しやすいかもしれないと思って、虎太郎と共に緊張させすぎない様に上手く志岐のサポートして欲しいと言われていたからであった。)その後歌川から明日からは質問があったら自分に聞く様に言われた。
2日目からの戦闘シミュレーション試験では、本人はたぶんこう言うのは得意と思うと言っていた。2日目の特別課題では、自分がやってみたいと言うが漆間から「読み書きの能力的に無茶だろ」と突っ込まれていた。その後、特別課題をやる事になった虎太郎からアドバイスとかありますかと聞かれた時には、林道支部長からランク戦のシステムを考えたのが父親だと聞いていたので、虎太郎へ「ランク戦は『練習試合』だけど、『近界へ行った時のこと』を考えて作ってある」とアドバイスをした。
3日目の夜には修と組んだほうが勝てると言う理由から、歌川に諏訪7番隊との共闘を提案していた。
5日目の自作のトリオン兵を作って戦う『特殊戦闘シミュレーション』では今まで意見や判断が良かったことから、虎太郎から意見を求められるが、自身がやたらトリオン兵について詳しかったら怪しいと思われるのではないかと思っていたが、歌川からの「玉狛は遠征に行ってるし、宇佐美先輩がいるからトリオン兵についても詳しそう」と言うアシストを受けて、宇佐美から教わったことだけと言う前提で自身が知ってるトリオン兵についての知識を話し、戦術に関しても速攻優先の戦術を提案していた。
戦闘能力
傭兵生活で培われた実戦経験と豊かな応用力に基づいた、ずば抜けた戦闘能力の持ち主。
入隊指導において模擬訓練用のトリオン兵(バムスター)を0.6秒で倒し、最速記録を叩きだした。(それまでの最速記録は緑川駿の4秒。なおあくまで入隊指導時での記録であり、正隊員を含めればこれ以下のタイムで倒せる隊員がいる可能性は高い。)
対人戦でも、C級~B級下位レベルは束で来ても瞬殺しており、その実力は同年代では頭1つ抜けたものを持っている。
素早い動きで相手を撹乱し、隙を見せた瞬間に急所を狙って一撃必殺に持ち込む戦法を得意としており、米屋からは「淡々と相手を殺すための動き」、影浦からは「虫かメカかってくらい敵意が読めない」と評されている。
入隊時点で小南からは「余裕でB級上位くらいはある」、風間からは(推測レベルだが)「マスターレベル、8000pt以上の実力はある」と鑑定されている。
無論無敵という訳ではなく、師匠となった小南には初戦では1-9、ボーダーのトリガーに慣れた頃でも3-7と負け越している。ずば抜けた戦闘能力と言ってもあくまで同世代に限定した場合の話で、ボーダー隊員の中でもトップ層に目を向ければ、遊真以上の戦闘能力を持つ隊員は少なくない。
だが、そうした格上相手でも小技を効かせたり、多少のダメージを覚悟した捨て身の策で渡り合うバイタリティも持ちあわせており、ヒュース加入まではランク戦における三雲隊のほぼ唯一の得点源となっていた。
現在のところ、彼に勝ち越し、または撃破に成功しているのは、前述の小南の他、村上、二宮、影浦、生駒、ヴィザ(黒トリガー時)の6名。いずれも作中屈指の実力者たちである。
影浦とはROUND4以降、連絡先を交換しており、個人ランク戦のブース前で待ち合わせをしていたりと、互いの遊び相手としてそこそこ良好な関係を築いている模様。ROUND7頃には村上も加わった3人で、腕を磨きながら遊んでいる。
戦闘能力の高さが注目されるが、生存能力の高さも作中随一である。B級ランク戦全8戦でベイルアウトしたのはわずか2回であり、これは東春秋と並んで同率一位である。ベイルアウトのない世界で生き抜いてきたため、生存することに関して特に重要だった故であろう。
外見の幼さに似合わない驚異的な戦闘能力を有することから、一見天才肌のようにも見える。しかしその実彼自身のトリガー使いとしてのキャリアはボーダー隊員の中でもかなり長い方であり、睡眠を取れない体になってからは夜の時間を戦闘のシミュレーションや発見した課題の反芻を行う事を日課として過ごしてきた。その実力は才能と言うよりも、積み上げた経験と意識して育んだ戦術眼に基づいた、必然的かつ洗練された強さと言える。
ノーマルトリガー
下記の黒トリガーを常用すると自動的にS級扱いとなり、隊が組めなくなるため、ボーダー所属後は基本的にこちらを使用。
戦闘スタイルは、スコーピオンを軸としたスピードタイプの攻撃手。主にスコーピオンで相手の急所や首を飛ばして倒している。
ROUND2直前に緑川からグラスホッパーの使い方を教わっており、トリッキーな動きを得意としている。元々遊真の黒トリガーの印である弾と特徴が似ており、遊真は緑川からグラスホッパーを教わってすぐに慣れている。
多少の負傷は気にせず、寧ろ切られた腕を囮にするなど、相手を仕留めるためならばある程度のリスクも承知の戦い方をする。
戦術研究にも余念が無く、緑川の「ピンボール」、木虎の「脚ブレード」、風間の「モールクロー」、影浦の「マンティス」と様々な技を習得しており、またそれらの技をベースに新技を作るなどしている。
機動力以外にも、経験に裏打ちされた柔軟性と発想力に富んだ戦闘スタイルが特徴的であり、グラスホッパーを相手や味方に踏ませる、損傷した部位にスコーピオンを纏わせトリオン漏出を防ぐなど、トリガーを本来の用途と別の目的で活用することも多い。
射撃トリガーを装備していないが、スコーピオンを投擲したり、瓦礫をグラスホッパーで射出して相手の体勢を崩すなどある程度の遠隔攻撃手段は有する。B級ランク戦最終戦の前には帯島を男と間違えた謝罪として弓場と帯島と緑川へ、スコーピオンを手裏剣状にして投げ、地面に刺さった所でもう1つのスコーピオンを地面を伸ばして通して接続し、手裏剣を拡張して攻撃するという、モールクローとマンティスの合わせ技を見せた。
また、ROUND8での帯島との1対1ではこの技を警戒していた相手に対して手裏剣に変化させたスコーピオンを後述の「曲がるブレード投げ」で投げて、それを多数に分割したグラスホッパーにより相手の周囲で乱反射させる「ブレード乱反射」と言う新技も使用して、帯島を倒した。
またスコーピオン投げに関しては、手裏剣型のスコーピオンに突起を作ってもう一本のスコーピオンを細く伸ばしてレールのようにひっかけて投げる事で、投げたスコーピオンが途中で曲がる「曲がるブレード投げ」も開発していた。技の内容を聞いた外岡は「発想力がエグい」と遊真の発想力を高く評価していた。
本人はグラスホッパーを入れて以降のトリガー構成に慣れているため、咄嗟の切り替えをミスする可能性からこれ以上トリガーを追加するつもりは無い様子である。修が自身はトリオン量の問題からトリガーを簡単には増やせないため、代わりにトリオン量に余裕のある遊真に戦術上必要なトリガーを追加して欲しいと持ちかけられた際には、この理由から「追加したく無い」と断っている。
パラメーター
トリオン | 攻撃 | 防御・援護 | 機動 | 技術 | 射程 | 指揮 | 特殊戦術 | トータル |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
7 | 9 | 8 | 10 | 8 | 2 | 5 | 4 | 53 |
トリガーセット
メイントリガー | サブトリガー |
---|---|
スコーピオン | スコーピオン |
グラスホッパー | グラスホッパー |
シールド | シールド |
FREE TRIGGER | バッグワーム |
黒トリガー
父親の形見である黒トリガー。普段は黒い指輪の形をしていて、中には遊真の瀕死状態の肉体が封印されている。
なお、遊真やレプリカは特に名前を付けなかったため、後に登場した黒トリガーのような固有の名称は無い。
戦闘の際にはレプリカが纏わり付く事で戦闘体へと換装する。
戦闘能力としては、特定の武装が備わっていない代わりに、印(いん)と呼ばれる能力を出して戦闘及び補助を行う。
印は同じ印を重ねたり、複数の印を組み合わせる事でより強化できるが、その分時間が掛かる。
黒トリガーだけあってその力は絶大であり、対三輪隊戦は1対4の状況で、防戦に徹したものの凌ぎ切った。
また、前述の通りボーダートリガーではよっぽどの腕がない限り1人では撃破困難のラービットに、一撃で大きな損傷を与えている。
だが、このトリガーの真骨頂は他のトリガーの機能をコピーし、その特性を元にした新しい能力の印を作成できることにある。作中では三輪の「アステロイド+鉛弾」をコピーし、コピー元以上の出力を発揮してみせた。
他の黒トリガーと比べると派手な異常性こそ無いが、多様性と対応力に優れた強力なトリガーと言える。
ただし、遊真単独ではその機能を扱いきれないため、レプリカが補助する事で多重印の瞬時発動などを可能にさせている。
レプリカはあくまで補助だけなので、遊真だけでも使用する事は可能だが、能力は低下する(印の強化などに時間を消費する)。
印一覧
弾(バウンド) | 上に乗った物を弾いたり跳ね飛ばす。重ね出しで勢いが増す。 |
---|---|
強(ブースト) | トリオン体の働きや併用した印の効果を強化する。重ね出しでさらに強力になる。 |
盾(シールド) | 攻撃を防ぐバリアを張る。固定式にすると防御力が上がる。重ね出しで防御範囲が広がる。 |
鎖(チェイン) | トリオンで生成された鎖を出す。鎖同士が接近すると自動的に連結される。重ね出しでより長くなる。 |
響(エコー) | トリオンの微弱な波動を発して、周囲の地形や生物、位置や距離などを把握する。 |
門(ゲート) | レプリカが「ラービット・遊真型(仮称)」を召喚する際に使用。 |
錨(アンカー) | 触れた相手に物質化したトリオンの錘を埋め込む。三輪のトリガーからコピー。 |
射(ボルト) | トリオンや併用した印を射出して攻撃する。重ね出しで弾数か射程が増える。三輪のトリガーからコピー。 |
遊真の黒トリガーに最初から備わっていた印は7つで、上記の印のうちでは弾・強・盾・鎖・響の5つがそれに該当し、残りの2つの印はまだ不明。
残りの錨・射は三輪との戦闘時にコピー能力を使い会得し、門はいつコピーされたのか不明だが、おそらくは近界にいた頃にコピーしたと思われる。
副作用(サイドエフェクト)
効果は嘘を見抜くこと。具体的には「嘘をついている人間の口から黒い煙が見える」というもの。超感覚に当たるためボーダーのランクではS~A。
冒頭にあげた「おまえ、つまんないウソつくね」という口癖もそこから来たもので、相手の嘘によっては「おもしろいウソ」とも言う。
人が嘘をつく時の「声」の変化が「視覚」に作用して嘘を見破っている。そのため、嘘をついているという自覚の無い者や、文面での嘘の真偽を見破ることはできない。また人だけでなくレプリカにエネドラットのロボットの嘘も見抜くことができる。
このサイドエフェクトは、黒トリガーと共に父親から受け継いだものである。
発動する条件は「ウソか否か」の2択ゆえに、嘘の裏にある思惑までは読めない事も多いが、虚実入り混ぜた回答には「半分ウソ」などの部分的な判別が可能。
どちらかと言えば交渉・尋問に向いた能力であり、実際そうした場面に呼び出される事も多々ある。一方で、戦闘でもハッタリやブラフに対して有効であり、応用性は高い。
普段の身体について
前述の通り、瀕死の肉体に代わり普段からトリオン体で活動している。
元々黒髪だった髪が白髪になったのも、作られたトリオンの肉体が白髪だったからである。
これは戦闘体とも呼ばれる通常のトリオン体とは性質が異なっており、強度が低い代わりに自己修復機能が備わっている(車で轢かれてもひび割れるだけですぐ修復された)
ただし、トリオンで出来た肉体は成長しないため、肉体年齢は11歳のままで止まっている。体格が小柄なのはこの影響である。
さらに睡眠を必要としない事から眠ることができなくなっているため、夜の間は不眠で活動したり、頭の中で戦闘の予習・復習をして時間を潰している。食事に関しては問題無く飲み食い可能で、栄養はトリオン体を通じて肉体に送られているとの事。
また、性質は違えどトリオン体であることには変わりないため、この状態で強引に戦闘を行う事も可能である。
そして、黒トリガーの中に封印された遊真の肉体は今もゆっくりと死に向かっており、遊真の肉体が死に至ったとき、トリオンで作られた現在の身体も消滅する。
外部作への出演
2021年2月2日より開催されたワールドトリガーコラボにてガチャの星6枠で参戦。
アビリティは超アンチダメージウォールとアンチ魔法陣、友情ブースト、ゲージでアンチブロックとカウンターキラー。
SSは18+4ターンで撃てる自強化+黒トリガーで攻撃するというもの。
友情コンボはコピーと加速。
まず、ダメージウォールと魔法陣、ブロックの3ギミック対応は闇属性のキャラ初のアビセットで、かなりの汎用性である。また、友情火力は無いものの、サポートで優秀な加速、TFAなどの強友キャラと組み合わせれば、友情ブーストと相まってより強力な友情を出せるコピーといった優秀な友情コンボを搭載している。
ここまででも十分に強いが、このキャラの最も壊れている点はSSである。
SSの黒トリガーは、確定でボスに一段階目で0.7倍、二段階目で0.5倍の攻撃力ダウンに加え、一段階目で2.5倍、二段階目で3倍の防御力ダウンを与え、その後一段階目で自身の攻撃力の1.2倍、二段階目で1.3倍の攻撃力でボスを複数回殴るのである。
このSSは、どんな障害物があろうと関係なくボスに飛んでいくため配置も楽である。
これにカウンターキラーも乗れば更なる威力が出る。
但し、このSSの威力は防御ダウンに依存している部分が大きく、何らかの理由で防御ダウンができない場合や、直殴り倍率が極端に低いクエストなどでは威力が出ない。
また、コラボ超究極のヴィザでも最適性であり、サポートの加速、カウンターキラー、確定でボスに飛んでいくSSなどで活躍している。
そして2022年2月、第2弾コラボの開催に伴い、獣神化・改が実装。
アビリティは獣神化のセットをそのままに、コネクトスキルでSSターン短縮/光属性耐性が追加。友情コンボもコピー+防御&スピードアップになり、元々高かった性能に拍車をかけた。
コネクトスキルは発動条件が「スピード型以外が3体以上/合計ラック100以上」となっており、これにより闇属性で覇権を握っているバランス型の某特級呪術師と併用可能で、取り回しの良さはそのままに、彼には出来ないボスの直殴りを担当できる。
SSはグラスホッパー乱反射となり、自強化で暴れた後、ボス本体にROUND8で帯島隊員に対して使用した新技を叩き込むものに変化した。
自強化して暴れ、防御力ダウンを付与する点は獣神化と変わらないものの、獣神化では遊真自身がボス本体を縦横無尽に暴れて殴るスタイルから、改ではグラスホッパー+スコーピオンで少し削ってから、トドメにボスに向かってスコーピオンで一閃するようになった。このため、自身がボスを殴ってる間も友情コンボを誘発しにくくなり、弱点もガツガツ殴れなくなったため、獣神化の持つ爆発力は落ちた。攻撃力ダウンも付与しないため、敵の勢いを削ぐことも出来なくなった。
但し決して弱いわけではなく、上述のアビリティセットから、獣神化と比べて取り回しは格段に向上しているため、味方などに合わせて上手く使い分けてあげよう。