概要
近界民〈ネイバー〉とは、漫画『ワールドトリガー』に登場する異世界の住民達の総称である。
彼らは『近界〈ネイバーフッド〉』と呼ばれる「門の向こう側の世界」に生きる人間であり、同時に彼らが使用する侵略兵器トリオン兵の事も近界民と呼称する。
ボーダーでは前者のことを特に区別して『人型近界民』と呼んでいる。
近界には大小様々な多数の国家が存在するが、その多くは恒常的な資源不足に悩まされており、近界独自のテクノロジーであるトリガーを使用した戦争行為に明け暮れている。
その一環として、主人公の三雲修らが暮らす「こちら側の世界」へも侵略行為が行われており、彼らの侵攻から街を守るべく存在しているのが界境防衛機関「ボーダー」である。
ボーダーの存在する「こちら側の世界」から見て異世界を『近界〈ネイバーフッド〉』と呼称する事に対し、近界民から見た「こちら側の世界」は『玄界〈ミデン〉』と呼称されている。
なお、近界民は近界の国家同士でも侵略戦争を繰り広げているが、近界民から見た玄界は「トリガー技術が発展していない」「土地、人口ともに近界とは比較にならないほど膨大」という2つの点に於いて特殊な位置づけの存在となっており、その特徴から優先的な侵攻対象に据えられており、作中では近界民の大半が三門市に出没するが海外にも稀に出没する模様。
玄界の民間人の間では、『近界民』と言えば街を破壊し人間を拉致するトリオン兵(特に広く運用されているバムスター種)の事と認識されており、門の向こう側から侵攻してきている勢力の正体が人間であるとは認知されていない。
これはボーダーの情報統制の結果である。目的は明確に描写されてはいないが、事実上の戦争状態にある敵対勢力が実は国家規模の存在で、その正体が同じ「人間」であると知られれば、世間からの風当たりどころか民間組織という体制の維持自体が極めて困難になるからであると考えられる。
遊真曰く「近界の人間もこちら側の人間と変わらない普通の人間である」らしい。
トリオン兵
近界(ネイバーフッド)から来た侵略生物…と思われたが、トリオン兵と呼ばれるれっきとした兵器。
トリオンで作られており現代兵器の効き目が薄いため、同じトリオン兵かトリガーを使用した攻撃でなければ太刀打ち出来ない。
詳細はトリオン兵の項目を参照。
近界(ネイバーフッド)
玄界〈ミデン〉(=こちら側の世界)に対してのあちら側の世界、またはあちら側の世界の国家のことを指す。
単一の世界ではなく、様々な国々が宇宙のような暗黒の世界の中にそれぞれ独立した空間で漂っており、ほとんどの国は決まった周回ルートの中を移動している。
長年調査した空閑有吾はこのような世界の在り方を「惑星国家」と名付けた。また、決まった周回ルートを持たない「乱星国家」というものも存在する。
そのような移動ルートの中で互いの距離が一定以上近づいた時のみ、専用の船を用いて行き来することができる。
玄界に比べると近界の国々は非常に小さく、資源不足からか多くの国が慢性的に紛争と戦争に明け暮れている。
科学の発展で進歩してきた玄界とは全く異なり、トリガーとトリオンエネルギーを根幹とした独自の技術が文化に根付いている。
母〈マザー〉トリガー
近界の国々の核となっている巨大なトリガー。「女王〈クイーン〉トリガー」とも。
近界における太陽はこのトリガーが創った擬似的なものであり、その他の自然現象や国土の形成も司っている。
動力源として優れたトリオン能力を持った人間を生け贄にする必要があり、巨大な国家を創るにはそれ相応の能力者を用意しなければならない。更に数百年に1度の周期で新たなトリオン能力者を入れ替える必要もあり、仮に活動が停止してしまった場合その国そのものも死滅する事になる。
冠〈クラウン〉トリガー
母トリガーに直属して存在する、その星における最も強力なトリガー。
星を守る為の物や星を豊かにする為の物などその役割は星ごとに異なったものが存在し、冠トリガーの性質によって国家そのものの特徴も左右される傾向がある。
カルワリアの「ツチガミ」と呼ばれる冠トリガーは建築物の修復や掘削を行なっていた。
現在判明している冠トリガーは「ツチガミ」ともう一つの二つのみである。
近界の国一覧
カルワリア
4年前に遊真と有吾が加勢していた中規模国家。別名「城塞国家」。
遊真曰く「城塞での籠城戦を得意としていたけど、決して強い国ではなかった」と。名前や特徴はアニメ版にて判明。
カルワリアとはラテン語で「頭蓋骨」を意味する。
- ライモンド
CV:増谷康紀
防衛団長。当時36歳。有吾の友人。
浅黒い肌に短髪。下二人の父。
名前の由来はドラえもん。
- イズカチャ
CV:鎌田梢
当時13歳。
浅黒い肌に跳ねたボブカットの少女。ヴィッターノの姉。
名前の由来はしずかちゃん。
- ヴィッターノ
CV:鉄炮塚葉子
当時8歳。
浅黒い肌に跳ねた短髪の少年。イズカチャの弟。
名前の由来はのび太。
スピンテール
4年前にカルワリアに侵攻していた国家。
黒トリガーを得た遊真が先頭に立って3年に渡り奮戦したため侵攻を断念、後に講和した。名前はアニメ版にて判明。
スピンテールとはギリシャ語で「火花、火の粉」を意味する。
リーベリー
広大で豊かな海を持つ水の世界。別名「海洋国家」。
第2次大規模侵攻の相手国候補の一つ。
リーベリーとはラテン語で「子供たち」を意味する。
レオフォリオ
特殊なトリオン兵に騎乗して戦う。別名「騎兵国家」。
第2次大規模侵攻の相手国候補の一つ。
レオフォリオとはギリシャ語で乗り物の「バス」を意味する。
キオン
厳しい気候と地形で敵を阻む。別名「雪原の大国」。
第2次大規模侵攻の相手国候補の一つ。
7年前の情報だと黒トリガーを6本保有していた。
キオン(正確な発音はキオーン)とはギリシャ語で「雪」を意味する。
アフトクラトル
近界最大級の軍事国家。別名「神の国」。
第2次大規模侵攻の相手国候補の一つであり、実際に攻めてきた。
7年前の情報だと黒トリガーを13本保有していた。
アフトクラトルとはギリシャ語で「皇帝」を意味する。
詳細はリンク先参照。
ガロプラ
アフトクラトルの属国の一つ。
アフトクラトルから玄界の遠征を妨害するよう指令を受けるが、同時に玄界から余計な恨みを買いたくないとも考えている。小国なのもあってトリオン兵の数は乏しいが、兵士は少数精鋭と評される。
ガロプラとはギリシャ語で「七面鳥」を意味する。
詳細はリンク先参照。
ロドクルーン
アフトクラトルの属国の一つ。
小国な上にトリオン兵の開発が中心のため、兵力は乏しい様子。
ガロプラ同様にアフトクラトルから玄界妨害の指令を受けているが、大量のトリオン兵を提供する事を条件に指令の遂行をガロプラに任せている。
ロドクルーンとはギリシャ語で「桃色」を意味する。
アリステラ
旧ボーダーと友好関係にあった国。現在は滅亡しているが王女と王子はボーダーに保護された。
アリステラとはギリシャ語で「左」を意味する。
メソン
旧ボーダーと友好関係にあった国。現在は滅亡している。
メソンとはギリシャ語で「中央」を意味する。
デクシア
旧ボーダーと友好関係にあった国。現在は滅亡している。
デクシアとはギリシャ語で「右」を意味する。
アニメオリジナルの国家
エルガテス
アニメオリジナルストーリー『逃亡者編』に登場した乱星国家。
砂漠地帯で、下級層は日々の飲水にも苦労している。
高い技術力を持ち、トリオンの直接搾取を始め、様々な特殊機能を備えた独自のトリオン兵を開発しているが、その技術は門外不出としている。
エルガテスとはギリシャ語で「工員」を意味する。
詳細はリンク先参照。