僕がそうするべきだと思ってるからだ!!
プロフィール
概要
『ワールドトリガー』の主人公の1人。
ボーダー玉狛支部所属B級2位、玉狛第二隊長。ポジションは射手〈シューター〉。
トレードマークはほぼ常にかいている冷や汗と、父親からのお下がりであるアンダーリムの眼鏡。
作中でも度々「メガネ」「メガネくん」などと呼称される。
当初は学校に隠れてボーダーのC級隊員(訓練生)として活動していた。
といっても、一度は入隊試験で落とされたほどの落ちこぼれに過ぎなかったのだが、近界からの転校生・空閑遊真との出会いによって、彼の運命は大きく動き始める。
人物
性格・思考
遊真に「面倒見の鬼」と評された通り、自分の身を顧みずに他人を助けに行く性格。よく言えば真面目で正義感が強いが、悪く言えば向こう見ずな人物とも言える。
基本的な思考はかなりの慎重派であり、最悪の事態を想定してそれを回避しようとする。そのため一見常識人に見えるのだが、異常なほど利他的な側面を併せ持っており、自らの弱さや不利益を全て理解した上で人助けに突っ走る傾向が見られる。
目的の為ならば己の安否や周囲からの評価は全く勘定に入れておらず、割と常軌を逸した精神性の持ち主。過去にも入隊試験の結果に納得がいかず、訪ねたボーダーの人事部長から不合格になった理由を説明された上でエンジニアかオペレーターで入ることを勧められたのだが、それを受け入れられず、基地に乗り込んでボーダーの上層部に直談判するために、有刺鉄線をペンチで破壊して警戒区域に侵入したことがある。そのため、読者からは「ワートリで一番ヤバい奴」「頭ペンチ」「ペンチメンタル」等この逸話絡みで評価されることが多い。
なお、こうした無謀な行動は『自分が「こうするべき」と思うことから自分自身が逃げないようにやっている』とのことで、「己の弱さを自覚しているからこその自戒」であると意識している。遊真と関わったのも当初は親切心や同情よりも、飽くまでこの思いによるものが強かった。
一方で、自身の弱さや経験不足ははっきりと自覚しているため、鋼の意思の硬さに反して自信満々なシーンは少なめ。誇張抜きで「冷や汗をかいていない方が珍しい」と言われるくらいには冷や汗をかきまくっている。
他人を守ることには敏感だが、自分自身に向けられる敵意や悪意には非常に無頓着であり、自身が陥れられそうになっていても気づきすらしない。「自分のことには無頓着だが他人のことは背負い込む」その姿勢は、東春秋から「アンバランス」だと危惧されている。
ボーダーに入隊した理由も、自分の家庭教師だった雨取麟児の妹である雨取千佳をトリオン兵から守るためである。
また、そうした性格もあってか木虎藍や菊地原士郎のようなキツイ正論をぶつけてくる人に対しても一切の不快感を示すことはなく、むしろ良好な友人関係を築いている。
流石に初対面でいきなり散々な敵意を見せてきた(しかも修からしてみればその理由も分からない)香取葉子に対しては苦手意識を持っているが。
家族・人物
一人っ子。非常に若く見える美人の母・香澄がおり、しばしば姉弟に間違えられるほど。「アイデンティティ」とされるだけあって滅多な事では眼鏡を外さないが、外すと母親似でファンからは意外と美形という声も。なお、原作中では第二次大規模侵攻で重傷を負い昏睡状態で入院していた際にしか外しておらず、自発的に外したシーンは存在しない。
父親は作中に登場していないが、存命。海外で橋を建築する仕事をしているらしい。修のメガネは父のお下がりのため、父もまたメガネであることが窺える。
好きなものに挙げている「母の手料理」「橋」は、どちらも両親に由来するものであり家族仲は良好と思われる。手料理の中で最も好きなものはカニクリームコロッケである。
眼鏡なだけあって(?)学業成績は相対的に優秀な部類に入るが、ボーダーの現役メガネ学生に限定した中では若村麓郎に僅差で敗れ最下位である。なお、現役縛りを無くすと直属の上司が平均にも届かず下に来る。高校は一般校の三門市立第一高等学校への進学が決まっているが、学力グラフによれば進学校のC以下のクラスの生徒よりは上に配置されている(犬飼、菊地原、歌川など)
男子中学生とは思えないほど作中で異性に対する興味を示した事がなく、玉狛支部の女性陣3人と自分1人で外食に出かけた際も、偶然遭遇した辻新之助から指摘されるまで意識すらしていなかった。女性に対して全く緊張しない理由について小南からは「お母さんが美人だから」、自分では「母以上に圧の強い女性に会ったことがないから」であると分析している。
唯一出会って直ぐの遊真に千佳は恋人かと尋ねられた際に赤面を見せているが、それ以降は色恋沙汰に関連した気配を一切感じさせていない。
作中の行動
遊真との会合〜三雲隊結成
近界民を名乗る転校生空閑遊真との接触後、学校に現れたトリオン兵を遊真の助けを借りて倒したことによりボーダーに所属している事がバレてしまった上に、「C級はボーダー外でトリガーを使ってはならない」というボーダーの規定に反したため一時は立場が危うくなり、ボーダーを除隊されかける。
しかし、迅の機転により処分保留となり、さらに遊真が最近のイレギュラー門頻発問題の原因を突き止め、その功績を貰う事でクビ取り消しと共にB級隊員へと昇進する。
その後玉狛支部でA級になれば近界にいけるかもしれないと知った千佳が「近界に行き兄と友達を探したい」と言い出したため、彼女と隊を組んでそれを手伝うことを決意。
その際に、父親を蘇らせるという目標をなくし無気力になっていた遊真に、一緒に隊を組んで手伝ってほしいと頼むことで新しい目標を与えた。
修自身は隊を組む際のリーダーは遊真がなると思っていたが、遊真と千佳が「修がリーダーじゃなければチームは組まない」「リーダーは修がいい」と口を揃えて言ったため、隊長となることに決まった。
第二次大規模侵攻
第二次大規模侵攻では、千佳を狙うアフトクラトルを相手に玉狛支部を始めとしたA級隊員達の力を借りながらも戦い抜き、最終的にレプリカを敵の遠征艇に投げ込む事で強制撤退させる。
その後の記者会見にて、根付の"仕込み"により「学校の一件での三雲の行動がC級隊員にベイルアウトが無い事を露呈させた可能性」を言及され、その責任の矛先を向けられるが、唐沢の機転で実際に矢面に立つ機会を与えられると、「僕はヒーローじゃない 誰もが納得するような結果は出せない」「攫われた者達を自力で助けに行く」と大見得を切った。これによりボーダーが近界への遠征を計画している事(実際には既に遠征を繰り返しているが、対外的には非公開であった)が周知され、世間の話題を拐うと同時に新規入隊希望者の増加に繋がった。唐沢曰く「大規模侵攻のあとボーダーを辞めた隊員が26人。だがあの記者会見以降その5倍の入隊希望が届いている、スポンサーに名乗りを上げる企業も急増した」
その後は安全面の観点から千佳を正隊員に押し上げたい上層部との利害が一致し、大規模侵攻での修と遊真の戦功を千佳に譲渡する形で全員がB級に昇格したため、正式にB級「三雲隊(玉狛第二」を結成。遠征参加の選抜を目指しランク戦を戦って行く事となる。
B級ランク戦
B級ランク戦が始まると、初戦は大規模侵攻での後遺症の影響もあり不参加だったが、遊真・千佳両名の活躍から危なげなく勝利。
「vs諏訪隊・荒船隊」戦では、修の立てた作戦で常に相手を対応する側に回させて順調に勝利を収め、続く「vs鈴鳴第一(来馬隊)・那須隊」戦も、不利な戦局を前にしながらも上手く立ち回り、個人では那須に返り討ちに遭ったものの、チームとしては勝利する。
しかし、菊地原や二宮から「遊真頼みのワンマンチーム」だと指摘された事から「自分も1人で戦えるようにならなければならない」という焦りを覚え、烏丸の紹介で嵐山や出水の指導を受け、唯我とも奇妙な師弟関係となる。
だが、直後の「vs二宮隊・影浦隊・東隊」戦では「1人でも戦えるようになる」「皆の協力に報いる」という思いが空回りし、何も出来ないまま早期脱落、チームとしても大敗を喫す事になる。
これにより風間から「自身の成長という不確定な要素に頼るだけでは不十分」「隊長の務めを果たせ」という助言を受けると、新戦力として迅を三雲隊にスカウトしようとするが、今はまだやることがあると言われ勧誘は失敗。代わりの適任者の存在を示唆され、それが捕虜になっているヒュースなのではという予想が出るものの、本人にその意思が無くさらに立場上上層部も説得する必要があるため、結局保留で終わる。
もう一度嵐山達の指導を受けようとするが、そこで木虎から他人の厚意に甘えていると指摘され、教えを乞うという態度を取り直し、彼女からスパイダーの使い方を享受する。(これは他人の厚意に報えないと自分を重く責める修の性格を気遣っての態度でもあった。)
その後の「vs香取隊・柿崎隊」戦では、スパイダーと千佳の鉛弾を軸にしつつ、それに対する各部隊の動きを読んだ作戦が見事に嵌り、チームで7得点、個人でも2得点を挙げる大勝利を収めた。
しかし、その直後の祝勝会でヒュースから「根本的な問題は何1つ解決していない事」を指摘されると共に、アフトクラトルへ帰国する手段として三雲隊への加入を申し出される。
ヒュース側からは「本国の情報を喋らない」「直属の主君に害を成すなら船を沈める」という条件を出されたが、途中停泊する国でのガイド役の存在は遠征の成功率を大きく上げる事や、「アフトクラトルに辿り着く」という目的は一致している事から道中での造反はありえないという事を提示して上層部を説得し、入隊許可を取り付けさせる。
スパイダー地帯を広げるため、序盤からバッグワームを使用し姿をくらますが、ランク戦の初期配置は各人一定の間隔が空くというシステム的な観点からおおよその位置を知られ、王子隊からの追跡に遭う。
しかし、過去の反省からあえて自分の位置をさらすことで、南沢と樫尾を鉢合わさせて自分は戦闘域から離脱する。
その後は千佳の援護に回り、千佳と共闘して樫尾を倒すも、追ってきた王子に敗北。
戦闘に敗れはしたが気落ちはせず、最後まで無線で部隊を指揮した。
ROUND7では小荒井、奥寺相手に逃げに徹し、簡単には落とされない。ユズルの狙撃から小荒井を守り、点を取らせないなどの成長を見せたが、停電した時に持っていたレイガストの光で狙撃される、床ぬき狙撃に対して咄嗟にバッグワームを着けないなど、戦闘経験の少なさから来る咄嗟の反応は他の隊員に比べてワンテンポ遅いと言う弱点も見せた。最終的にはトリオン切れによってユズルの得点となる形でベイルアウトする。
ROUND8では対二宮の戦術を重点的に練り、二宮のメイン戦法であるフルアタックをあえて誘発して、その隙を突くチーム戦術を構築する。しかし、偏った転送位置によってヒュースが他の隊員に囲まれてしまい、粘りの戦闘をさせつつも強引な合流狙ったり巻き添え覚悟の爆撃を狙ったりと手を尽くしたが全て阻まれた末に脱落されてしまい、「ヒュースの"隠し玉"で二宮を落とす」という事前の作戦が使えなくなってしまう。
しかし、殻を破った千佳が人を撃てるようになった事で何とか巻き返し、最終的には修が密かに用意していた次善の策によって二宮の撃破に成功、遠征部隊選抜の目標であったB級2位昇格を達成する。
遠征選抜試験
ランク戦終了後に、迅に請われて遊真とともにガロプラとの交渉に出席。ガロプラと玉狛支部の同盟の証としてラタリコフから腕輪型通信機を貰った。
遠征選抜試験の事前アンケートでは、『一緒に遠征に行きたい人』として木虎・出水・菊地原・東・二宮を選択。この他唯我と風間とも行きたがっていた。
一方、『一緒に遠征に行きたくない人』には香取を選んでいたが、共に諏訪7番隊に指名されてしまった。尚、『一緒に遠征に行きたくない人』は2人まで選べるが、漫画ではその欄は見切れていたため香取以外に選んだ人物がいるかは不明である。また、修は『一緒に遠征に行きたい人』の5人目に二宮を選ぶよりも先に、『一緒に遠征に行きたくない人』に香取を選んでいた。
香取には相当な苦手意識を抱いているようで、臨時部隊を決める際に諏訪が香取を指名した時はギョッとしており、試験開始後にも諏訪から「一部の隊員がアンケートで『一緒に遠征に行きたくない人』に選んだ相手と同じチームになるよう、運営側がクジを操作していた可能性がある」と聞かされて思わず動揺して香取にアンケートの件がバレて慌てて目を逸らし、香取が遠征に行く気がないと知って見るからに嬉しそうな表情を浮かべながら念を押すなどしていた。
1次試験の初日は、閉鎖環境訓練用の施設へのトリオン供給を2回行った(その内1回は香取にやらされたもの)ために作業時間を約8時間残した段階でトリオン切れを起こしてしまうが、即座に「隠岐にPCの画面を見せてもらい、メモ帳に手書きで回答を記入しておいて翌日自分のPCに打ち込む」という対策を講じて佐鳥と当真から評価されている。
しかし、やはりこのトリオン切れでチームの足を大きく引っ張ってしまい、諏訪7番隊は初日最下位に沈んでしまった。
2日目は戦闘シミュレーションが始まり、5連続で敗北を喫した。改善案を提示した矢先に特別課題が配布され、諏訪に投げられ課題に取り組む。自分が取り組んでいる間に戦闘で勝利した事を気にしたが、自分の案が生きていることに安堵する。
3日目には諏訪の指示で「明日だけうちが勝てる『ネタ』を見つけろ」と言う指示から、戦闘シミュレーションの攻略法を模索するも、2日目よりもユニットの数が増えたことと、敵が弱い駒である自分のユニットを優先的に狙っていってるが、自身のユニットのトリオン量の無さによる防御力の低さから、囮役としても機能しなく攻略法を見出せないでいた。3日目が終わった後に起こった香取のやる気が急に無くなったことが解決してからは、古寺6番隊との情報交換によって、データや情報が揃ったことで、戦闘シミュレーションでは1試合トータルで考えるよりも、最初の戦闘が1番重要だと言う考えと、連携が綺麗に決まるための1つの正解である、水上隊が行っていた全ユニットを水上1人で操作したことで『連携を1人で全部組む』のを、2日目よりも3日目の戦闘ユニットの数が多かったことから、4日目もユニットの数が増えると想定した上で、7番隊が他の部隊と違うところである、隊長経験者が3人いる部分を利用して、修と諏訪と香取の3人で手分けして諏訪7番隊の中に3つの『ミニ水上隊』を作ると言う策を出した。諏訪隊と香取隊にいない狙撃手に関しては隠岐に担当してもらい、他の部隊よりも複雑で正確な連携部隊を3つ組める利点を話して、諏訪からもこの策の使用する方向で決まった。
4日目の朝には共通課題の『映像問題』で流れる動画はカメラでは撮影出来ないが、回答である質問文はカメラで撮れるのを利用して、まず自身の映像問題で出てくる20個ある質問を4個に分けて5人で分配して、その上で全員がそれぞれのパソコンで問題の動画を一回ずつ見ることで通常よりもかなり正確な回答が出来ると言う思いつきをする。修自身もこの考えはルール的には有りか無しかが分からないでいたが、映像問題の課題に『発想力』があることから、上層部は正攻法以外の解き方も想定していると推察した。一連の根拠を聞いた諏訪は修の案を採用することにした。
4日目の戦闘シミュレーションでは古寺隊から得られた情報から防御力を高くするために自身のユニットをレイガストを両装備することで、防御に徹して囮役にしており、スパイダーによるワイヤー陣も守りに強いことと香取のユニットのワイヤー機動適正との相性の良さから、1試合目と2試合目では勝利を得られなかったが、3試合目からは破竹の勢いで3連勝を達成した。対戦した他部隊からも「水上隊にやられた時と似ている」「連携が正確過ぎる」「練習したから出来るレベルでは無い」と言われており、最終的には6勝3敗1引き分けの成績であった。上層部は事前予測では日程が進むほど引き分けが多くなると思っていたので、この成績には上層部も想定はしてなく、修の分析力やアイディアを高く評価しており、『映像問題』に関しても攻略していたと言われている。3日間の累計だと10勝16敗4分であるが、配点が大きい3日目に照準を合わせた諏訪の指示もあって4位となっている。
戦闘能力
作中で嫌という程散々言われているが、はっきり言って弱い。
というのも、そもそも運動センスが無く、腕っ節も弱く喧嘩はからっきしな上に持久力もサッパリ、そしてトリガーを操るのに必要な素質であるトリオン量が非常に乏しい。どれほど乏しいかと言えば入隊試験の時点で足切りで不合格にされるほど。要するに戦士としての才能が無い。
玉狛支部に転属した際に烏丸を師匠に仰いだが、烏丸もその弱さに頭を抱えてしまい、「本当にB級か?」と疑問を呈されてしまったほどである。
その後、訓練中に射手に転向することを決意。能力の低さを発想で補うスタイルを勧められる。
以後は烏丸の指導の下、少しでも強くなろうと努力を続けている。
A級3位風間隊の隊長である風間との模擬戦闘で24連敗の末、最後の1戦を引き分けに持ち込んだり、大規模侵攻の際には以前遊真に「修が20人いないと倒せない」と言われていたモールモッドを1人で倒すなど、訓練の成果は徐々に表れているようだ。
大規模侵攻では千佳やレプリカの助けが大きいとはいえ、一級戦功まで上げている。依然として弱い事には変わりないが。
B級ランク戦では作戦立案を担当しており、相手の考えを読み遠巻きに戦局を動かしていく戦略は出水や嵐山から「筋が良い」と評価されている。
とはいえ、緑川には0-10で完敗し、大規模侵攻も決死の活躍と引き換えに重症を負って生死の境を彷徨っている。
作戦立案に関してもまだまだ経験不足であり、ハイレインや二宮からは「拙い戦術」「戦術を少しかじっただけの雑魚」といった手厳しい評価を受けており、まだまだ前途多難。
だがスパイダーを利用した戦術やヒュースを新たに加えると言った行為やランク戦を戦っていくなかで徐々に成長しつつあり、B級ランク戦ROUND8では遊真に対して二宮が「三雲では到底二宮隊の脅威にはならない」と言うが、その発言を聞いた遊真は自身のサイドエフェクトが反応した事から「つまんないウソつくね」と二宮に返しており、ROUND8の時点では二宮は三雲を二宮隊の脅威として認めていることがわかる。
洞察力も高く、二宮が他のメンバーと比べて感情的である事を見抜いたり、犬飼の僅かな失言を見逃さずに勝利の一途を掴むなど、脅威として認定されるだけの実力はある。
ランク戦では味方のサポートと敵の妨害に徹するスタイルが功を奏し、「放置すると面倒な相手」として小さくない存在感を見せるようになってきているが、直接戦闘における扱いは依然としてカモであり、基本的に1対1ならば問題なく倒せる存在と認識されている。
その認識を逆手に取り、自分を餌にして敵同士をかち合わせたり、威力の低い特殊弾を通常弾と思い込ませるなど、自分が弱い事を徹底的に利用している為、弱いが厄介な存在として各チームから警戒されている。
ただ、そうした修の「弱さを受け入れ、必死に足掻く姿」を評価する者は少しずつ増えてきており、今後の更なる頑張りに期待される。
戦闘スタイル
C級時代はレイガストのみだったが、最初は盾モードの事すら知らなかった。しかしトリオン貧者の修にとっては、力押しで叩き割られない強度を保障してくれるレイガストのシールドモードは生命線とも言える存在であり、専用オプションのスラスターを利用した推進力を加えた攻撃で攻撃面でもそれなりに鋭い一撃を出すことが出来るため、欠点を補完する欠かせない武器となっている。
B級昇格後は弾トリガーのアステロイドを加えており、射手転向後はこちらをメインとしている。トリオン量の寡多が火力、弾速、射程、弾数の全てに如実に影響を与えてしまう射手の性質上、修の放つ弾は「ヒョロヒョロ」と称されてしまうほどに貧弱なものであり、シールドで簡単に防げてしまう上センスが求められる合成弾や変化弾の扱いも不得手とあって他の射手のような多彩な弾道を引くこともできない。しかし、どれだけ威力が低かろうがガードしていない部分に直撃すれば甚大なダメージとなるトリガーとトリオン体の特性を活かし、必要最低限の場面で姿を見せて弾を放つ。また射程を活かして「他の相手と交戦中」の敵の前であえてレーダーに映り込み、存在をチラつかせることで敵の意識を逸らし戦局をスローダウンさせるなど、隊員たちと連携して正面切った撃ち合い以外の手段で有利な場面を作り出す手腕は一定のレベルに達していると嵐山准に評されている。しかし個人戦ではまだまだ動きが固く、戦術が単調になりやすい。
木虎から伝授されて以降新たにワイヤー型トリガーのスパイダーを装備し使用している。トリオンの消費量が少なく修でも満足に使えるスパイダーで、ワイヤー陣を張る事で自分がその場にいなくても間接的援護でエースの遊真を生かす戦い方に重点を置くという戦術方針を教わり、「エースと並び立つ」のではなく「よりエースを特化させる」事で戦力の増強へと繋げた。三雲隊の理想的な動きはワイヤー陣を完成させてその奥から千佳の砲撃で陣地外の敵に圧力を掛け、相手に遊真に有利な環境での戦闘を強いる形として確立された。
またワイヤーの色を操作して相手に見えにくいワイヤーで罠を仕掛ける技も習得した。
トリオン量の余りの少なさ故にボーダーのトリガーの「セットするだけでトリオンを消費する」という仕様上、枠自体は空いているにもかかわらず修が新たなトリガーを追加するには今使用しているトリガーから何かを抜かなければならないというギリギリな状態でやり繰りしており、トリオン量の乏しさから戦術や作戦面での創意工夫や立ち回りなども制限されてしまっている。
ROUND8では対二宮の戦術を練っていく中で、自身の「トリオン量が乏しすぎるため新しくトリガーを追加する余裕がない」事がバレていることと「トリオン量が乏しすぎるため威力重視のアステロイドでも簡単にシールドで塞がれてしまう」という2つの弱点を逆に利用して「三雲はトリガーを追加できない」事を知っている相手の心理を利用し、新たにトリガーを追加するのではなく、アステロイドをハウンドと入れ替え、ここ1番の使い所まで誘導性能を切ったハウンドを普段のアステロイドのように使用していた。本来ならアステロイドとの威力差でバレてしまうが、元々三雲はアステロイドですらシールドで簡単に防げる程の低威力のため、相手や観覧してた誰もがその微々たる差に気づくことが出来なかった。
最後の局面で初めて追尾機能を使用し、不意を突かれた二宮に大ダメージを与える事に成功。そのまま遊真とのコンビで二宮を撃破し、ランク戦最終戦の勝利に大きく貢献した。
戦闘員としては「ここぞという場面以外では会敵を避けつつ、複数のトリガーで敵の意識にプレッシャーをかけ行動を制限し相手の思考や行動を予測する」という嫌がらせの戦法で優位を取り、隊長としては「予測した状況下での自分たちの手駒を武器を活かした発想でチャンスを作り、味方との連携を以て勝負をものにする」という勝ちの画を描く力を活かして勝利に貢献する。
単純な戦士としての資質には多くの場面で疑問符を付けられているが、自身の弱さを知るが故に観察と準備を怠らず、使えるもの全てを使って勝ちに行く姿勢は一定の評価を受けている。
その上でタイマン以外の更なる弱点としては、経験不足から来る咄嗟の出来事への対応の遅さ。予想外の事態に陥った際に行動がワンテンポ遅れる事があり、その隙を突かれて計画が狂う事がある。事前に用意した勝ちパターンを崩された際にどこまで食い下がれるかが今後の課題と言えるだろう。
パラメーター
トリオン | 攻撃 | 防御・援護 | 機動 | 技術 | 射程 | 指揮 | 特殊戦術 | トータル |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2 | 3 | 4 | 4 | 5 | 4 | 6 | 4 | 32 |
※「トリオン:2」という数値はボーダーの全正隊員中最低である。
他の正隊員には「トリオン:3」すらおらず、次点は「トリオン:4」の木虎・米屋・小荒井であることからもその低さが際立つ。
トリガーセット
メイントリガー | サブトリガー |
---|---|
レイガスト | アステロイド |
スラスター | FREE TRIGGER |
FREE TRIGGER | シールド |
スパイダー | バッグワーム |
round8ではアステロイドをハウンドに変えている。
余談
上述したように修はトリオン量が少なすぎるために戦闘員の採用試験で不合格になったはずなのだが、どういうわけか作中での彼は何食わぬ顔で戦闘員をやっており、一体どのような経緯で戦闘員になれたのかは不明である。
ジャンプの配信するスマホアプリ『ジャンプチ ヒーローズ』では、迅、遊真、千佳などの他の3人の主人公や、ハイレインや三輪秀次といった作中印象に残る活躍を残した強キャラが⭐︎5レアで実装されている中、メイン主人公の一角である修は⭐︎3レアで実装されており、ある意味原作リスペクトな扱いを受けている。
別のスマホアプリ『モンスターストライク』では同じく迅や遊真、そして小南が最高ランクの星6ガチャキャラクターとして登場する中、やはり彼は低ランクの星4-5ガチャキャラクターとして登場している。こちらでは千佳も星4-5キャラだが、彼女は低ランクながら下手な星6キャラを軽く上回る破壊力を有する最強クラスの星4-5キャラとなっている。それに対し修は味方のサポート能力にはそこそこ優れてるもののあまり火力は出せず、キャラ性能評価では千佳とかなり差をつけられているのが現状である。しかし、第二弾コラボでは「玉狛第2 三雲修&雨取千佳」という上記キャラクターとは全く別の星6キャラクターが新たに登場する。こちらはログインおよびミッション報酬キャラクターとして登場しており、優秀なギミック対応力と高い破壊力を併せ持つ、入手が簡単な割に無課金キャラクターとしては非常に優秀なキャラクターになっている。千佳とのコンビとは言え、ようやく彼も報われたと言えるかも知れない。