「組織の評判を守るのは我々の仕事だ」
プロフィール
概要
ボーダー本部のメディア対策室長。
外見は痩身で、いかにも「曲者」と言った顔つきをした男性。
あらゆるメディアに対応して、ボーダーの印象向上と問題処理や隠蔽を行っているスポークスマン。三門市にアンチボーダーの団体が少ないのはこの人の根回しのおかげともいえる。
こうした立場上ボーダーのイメージに傷が付く事を恐れており、黒トリガー争奪戦での天羽月彦動員や第2次大規模侵攻でB級を集めての各個撃破策には難色を示していた。
また、大規模侵攻後の会見では死亡者やC級隊員の行方不明者を出した件から話題を逸らすために仕込みの記者を用意する(ついでに言えば修をスケープゴートにする)、「玉狛第2の新人隊員がネイバーである」という噂(実際は事実)が流れたときには噂の上書きで対処し揉み消すなど、ボーダーという組織を守るためであれば裏工作も厭わない。
三雲修に対しては、市民受けするヒーロー的な立ち回りをする一方で、組織の規律に対する頓着が無く、度々騒動を起こすというアンバランスさゆえに、贔屓にも無碍にも出来ないため、扱いに困っている様子。
ただし、自分の裏工作を模倣して交渉の席に臨んだ際は「悪い知恵ばかりつけていく」と苦笑したり、自隊の問題について、大ごとになる前に報告と対応の依頼、隊長として謝罪に訪れた際には彼の進歩について一応は一定の評価をするなど、必ずしも毛嫌いしているというわけではない。
影浦隊との関係
過去に影浦に殴られたことがあり、それが原因で影浦隊はA級からB級への降格処分を受けている。
鳩原が近界に失踪したとは知らない絵馬が、なんとか鳩原にコンタクトを取りたいと考え、その手段として広報活動を利用するべく影浦隊が一丸となって広報部隊として立候補した。
その際、「申し訳ないがこの件はさすがにメリットよりリスクの方が上回るので、検討した結果ダメだったことにしよう」と考えその場をしのごうとしたところ、影浦のサイドエフェクトに感知された。その追及に対して波風を立てることなく穏便に乗り切ろうとした結果、アッパーを決められて負傷(恐らく、影浦のサイドエフェクトの感知範囲を見誤っていたものと思われる)。
居合わせた柿崎からの弁明もあったため、結果的に警察沙汰にすることはなく、隊の降格及び影浦のポイント剥奪処分のみで済ませており、このことは北添に感謝されている。
影浦曰く「”憐み”が刺さる」とのことであるが、がむしゃらに行動を起こす絵馬と、それを隊全体で後押しする仲間たちの姿に憐みを向けてしまった可能性があり、そうした引け目があったためなのかもしれない。
一応、影浦隊の面々の提案した「嵐山隊とはまた違った層へのアプローチ」や、「チームがメディアをやることの面白さ」にも一定の理解は示しており、真っ向から否定したわけではない。
しかし、ただでさえ表舞台に立ち、様々な感情を向けられるであろうメディア部隊に、それを不快なものとして受信しやすく、その上自分自身の感情のコントロールが不得手な影浦や、師匠である鳩原にコンタクトを取るためなら何でもやりかねない(出るはずがない成果に業を煮やし、ボーダー内部の情報や鳩原の除隊などの重要事項について漏洩しかねない)絵馬など、彼らを広報部隊にするのは確かにリスクが高いと言わざるを得ず、彼の判断は間違いではないと考えられる。
ダメな理由を明確に伝えることも難しく(影浦の人物評はともかく、鳩原の件は模倣犯を防ぐため秘匿事項)、うやむやにしようとすれば影浦に感知されるため、どちらにしても彼らの反感を買っていた可能性がある。本件についても、下記の作者評にあるように、彼自身の運の悪さが絡んでいるのかもしれない。
作者評
敏腕驚き要員【根付さん】 |
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初登場時から常に他のキャラを引き立て続けている広報担当の鑑。万全の仕込みで記者会見に臨んだが、学生時代にラグビーをやっていなかったため唐沢さんのスタンドプレーに計画を狂わされ、最大の見せ場をオサムに奪われた。ラグビーをやっていればこの悲劇は回避できたはずなので、そこだけが悔やまれる。弱点は運が悪いこと。 |
(JC10巻 カバー裏より)