「ぬるい解説しやがって…」
プロフィール
概要
初登場は10巻の修の回想で雨取千佳の兄・麟児の失踪直後、雨取家を訪ねてきていた。
その後、12巻のB級ランク戦ROUND3・昼の部終了後にて名前付きで正式に登場。
人物像
射手1位&総合2位の実力に裏打ちされた高圧的かつ自信に満ちた態度の持ち主。才能のある人間には敬意を払うが、それ以外には極めて辛辣。三雲修に対して「戦術をかじっただけの雑魚」と容赦なく切り捨てている。
一方で、自分にない技術を教わるために自分より歳も個人ランクも下の出水に弟子入りして教えを請うたことがあるなど、必要ならば頭を下げることができるストイックさを持ち合わせており、総じて自他ともに厳しい人物であると言える。
入隊当時はボーダー随一のトリオン能力にものを言わせて幅を利かせていたが、忍田本部長の計略により当時の東隊に入隊。
加古や三輪と共に東の下についたことで戦術の重要性に気づいたらしい。B級ランク戦で三雲隊の試合を観戦した時は、辛口ながらも的確な評論をしている。
三輪のことを「秀次」と呼ぶなど、旧東隊の頃からのメンバーとは今も仲が良い模様。
活躍
自隊のB級降格の原因となった鳩原未来について独自に調べている。
その一環として、玉狛支部にて協力者の一人と目される雨取麟児の妹・千佳と修に接触を図り、麟児が計画の首謀者である事を聞き出した。また鳩原のことを「あの馬鹿がそんな大層なことを計画できるわけがない」と辛辣に語っていたが、逆に言えば鳩原も一種の被害者と考えており、その真相を探っているようでもある。
後日行われたB級ランク戦ROUND4では、影浦隊・三雲隊・東隊と対戦。
転送位置が近かった絵馬ユズルと北添尋を優先で狙い、合間を縫って影浦側へ援護射撃する隙を与えはしたが難なく撃破した。特にゾエさんの方は自分の得点にするために東の狙撃からわざわざ守っている。
その後、影浦と遊真の一騎打ちに乱入して2人を分断し、ハウンドとアステロイドを使った巧みな戦法で手負いの遊真を仕留めて3点目を獲得。試合はそのまま膠着状態に陥り、二宮隊が逃げ切る形で勝利を挙げた。
ガロプラ襲撃では、加古隊や嵐山隊などと共に基地の外で人型トリオン兵「アイドラ」の大部隊を迎え撃った。
合成弾であるギムレットを使用し、単身で連携したアイドラを撃破するなど、加古と共に地上の射撃戦の要となり、同時に地上班の指揮官を務めた。
B級ランク戦ROUND8では、三雲隊・生駒隊・弓場隊と対戦。
千佳が人を撃てるようになったか見極めるべく、序盤から「誘導炸裂弾」による爆撃で攻勢を仕掛ける。
この爆撃からは逃げられたものの、以降も護衛が居ない状況での隠岐をホーネットで追い込んでから辻に仕留めさせたり、弓場を1対1で下すなど、普段よりも積極的に攻撃する姿勢が見られる。
そして、終盤では背後を突いた修からの射撃を躱して遊真を仕留めようとしたが、撃たれたのがそれまで誘導を切ってひた隠しにしていたハウンドであった事から被弾し、トリオン漏出過多で攻撃が止まった隙に遊真からトドメを刺され敗北した。
遠征選抜試験では、8番隊の隊長に選出され、第一プールでは1番手でそのプールで最大人気の東を躊躇なく指名し、周りからの顰蹙を買うも本人は平然としていた。王子曰く「遠慮ってものがないよね」。第二プールでは2番手になり雨取を指名する。第三プールでは8番手になり、残った隊員から本人はあとは誰でも良いと思っており、絵馬が雨取が仲が良いと知っていたのと、絵馬の様子を見て絵馬を指名した。結果として剣トリガーを使う攻撃手か万能手が最低1名はいる他の10部隊とは違い、攻撃手や万能手は0で部隊の3/4が狙撃手というかなり偏った編成となった。だがオペレーターが狙撃手3人部隊を支援する加賀美である為、オペレーターの事も考慮した結果とも言えなくもない。
23巻の巻末おまけで公開されたアンケートでの自隊の隊員以外で一緒に遠征に行きたい人の5人の中にはかつての隊長であった東や、同じ射手の出水や水上と、防御力と対応力の高い村上に加えてオペレーター能力の高い月見蓮を上げた一方で、一緒に行きたくない人2人には同級生でもあり、それぞれA級部隊の隊長でもある加古と太刀川、両名を上げた。理由として(加古⇒わがまま)(太刀川⇒頭が悪い)としている。
二宮はこの遠征選抜試験で雨取や絵馬の若手を鍛える方針が有るらしく、特別課題を敢えて苦手な絵馬にやらせたり、戦闘シミュレーション演習でも、自身は特別な指示は出さなく、隊員たちの自主性に任せる方針を取っている。
戦闘シミュレーション演習では、ヘルプユニットの中から一人選ぶメンバーで「俺のチームに太刀川はいらない」と、半ば私情めいた理由で除外し、太刀川本人から減点を喰らっている。
4日目の戦闘シミュレーションで千佳のユニットの弱点が狙われて苦戦してた時も特に指示を出さずにいた。その後千佳の言葉を聞くと、自分の手に余るのなら事態が悪化する前に他人の手を借りるべきだと千佳に言った。
4日目の夜は絵馬と同室の寝室になり、戦闘シミュレーションでの千佳の様子のことから、絵馬と口論となり、自分のせいで鳩原が遠征を諦めたと言われると、絵馬に「鳩原は諦めておらず、近界にいること」、鳩原が部外者を仲間に選んで密航をしたことに納得が出来てないので、直接鳩原の口から理由を聞きだす事が自身の遠征を目指す目的である事を告げる。同時に、絵馬には密航ではなく試験に合格して正規のメンバーとして遠征を目指すように諭した。(なお、鳩原の密航はボーダー内でも極秘となっているが、彼も最初から想定していたようで、事前に上層部から許可をもらっている。)
戦闘能力
モンスターと改造人間を除けば、ボーダーの正隊員の中でトップのトリオン量を誇る。
攻撃用トリガーは、主にアステロイドとハウンドを使用。
発射の際にトリオンキューブを四角錐や三角錐といった鋭利な形状に分割して出すのが特徴的。
「銃手・射手は、基本的に火力が低いため点を取りづらい」と言われているが、彼は豊富なトリオン量により高火力と弾数を維持しており、仲間の援護が無くともシールドを削り取って獲物を仕留められるポイントゲッターである。
高いトリオン量をシンプルに押し付ける戦法は単純ながら強力。1対1の場面では、細かく割った数重視の散弾と大きく割った威力重視の大弾を緩急つけて両攻撃するが、これに対してシールド1枚ではどちらか片方の弾しか防げず、どちらも防ごうとシールド2枚による全防御を展開しても、そのまま逃げられずジリ貧で削り殺されてしまう。
非常に単純だが、それ故に小細工の入り込む余地が無い事から対処が難しく、里見がこの戦法を修に教えた時には「知ってても防げない」と笑いながら語っている。ヒュースもこの戦法に対して一度でも受けにまわるとそのまま倒されると発言し、B級ランク戦全体においてもどうやってこの戦法を破るのか考えるのでは無く、そもそも二宮との1対1にならないようにする方向で対策が取られている。
また、出水から教わったと思われる合成弾も難なく使いこなしており、実際に「徹甲弾(ギムレット)」、「誘導炸裂弾(サラマンダー)」、「強化追尾弾(ホーネット)」を使っている。
力押しだけではなく、ハウンドの追尾性能を自在に操り、狙った相手を自分の思い通りに動かすことで確実に仕留める頭脳的な戦法も得意としている。
トリオンが多いのでシールドの硬度も高く、広域状態でもイーグレットを防いでいるほか、集約状態の2枚重ねでは、1枚割られるもののアイビスさえも防いでみせており、攻守ともに隙が無い。
なお、何故か常に両手をポケットインして戦闘を行なっている。(合成弾使用時は普通に手を出している)。
また、スーツ風の隊服に合わせてかバッグワームも他の者達と異なり、襟が立った独特のデザインになっている。
アニメでは影浦と遊真の一騎討ちに乱入する際に、まるでスライドしてきたかのように滑って登場した事からネタにされることも。
のちに原作でも、修の弾をスライドステップで避けており逆輸入されたと言われる。
パラメーター
トリオン | 攻撃 | 防御・援護 | 機動 | 技術 | 射程 | 指揮 | 特殊戦術 | トータル |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
14 | 12 | 7 | 6 | 8 | 6 | 7 | 2 | 62 |
トリガーセット
メイン | サブ |
---|---|
アステロイド | アステロイド |
ハウンド | ハウンド |
シールド | シールド |
メテオラ | バッグワーム |
余談
作者のキャラ評でのエピソードに加えて、冒頭に挙げた(元A級ではあるが)B級隊員がA級隊員に掛ける言葉にしては上から目線の発言、自身が客側なのに「突っ立てないで座れよ 三雲」という発言、トリオンキューブの分割法やバッグワームの形状、常にポケットインしながらの戦闘、ランク戦終了時の足元に転がる謎の雪だるま(後に二宮本人の手による作と判明)など、妙に読者の笑いを誘う場面、シュールな展開が多い。
他にも、加古望の創作炒飯に「死にたくないから」という理由で挑んだことが無かったり、隊服にコスプレ感が出るのを嫌ってスーツにしたら逆に1番コスプレ感が出てしまったり、成人ながらジンジャーエールが大好きで焼肉でも常に頼んでいたり、実は免許を持っていなかったりと、本人の性格、立ち振る舞いとは裏腹にネタに擦られそうなエピソードを多く持っている。
作者からも、上記のスーツの件では「天然感ある」、隊章の由来が語られた際には、「ナチュラルに中二病」であると明言されている。
こうしたこともあってか、登場以降猛スピードでいじられキャラの階段を駆け上り、もはや上り詰めている感すらある。
また、Q&Aの295において作者の葦原大介からは「イケメン・男前」だと意識して描いているキャラの中に含まれており、容姿が優れていることが分かる。
紺宮
公式での二宮の頭髪は茶髪であるが、アニメ初登時の回想では紺系統の青みがかった配色がなされていた。本作にはありがちな事であるが、キャラクターの本格登場前の先出し描写が多いため、後に名前を持ったキャラクターとして登場すると認識されていなかったが故のミスだと思われる。
そのためpixivの投稿作品でも、古いものには紺や青系統の髪の色をした二宮が存在している。
ちなみに同じシーンに出ていた犬飼の声も、田中健大氏の学生らしい声ではなくおじさんと呼んで差し支えないような年配の男性のものとなっている。
作者のキャラ評
弾エリート【二宮】 |
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自ら恃むところ頗る厚く、入隊時からボーダー随一のトリオン能力でぶいぶい言わせていたが、忍田さんの計略で加古さん・三輪と共に東隊に放り込まれ、「戦術って、スゲェ……!」と薫陶を受けまくったチョロい男。コスプレ感を嫌って自分の隊の隊服を黒スーツにした結果、最もコスプレ感が出ていることに気付いていない。天然感ある。 |
(JC13巻 カバー裏より)