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概要

突如として近界(ネイバーフッド)から現れた侵略生物…と思われていたが、その正体は近界民によって製造・運用されているれっきとした兵器

トリオンで作られており現代兵器の効き目が薄いため、同じトリオン兵かトリガーを使用した攻撃でなければ太刀打ち出来ない。

自立型以外は人語を介する事は無く、その殆どはプログラムに沿っての自動行動を行っているが、稀に外部から人間が操縦しているものも存在する。

使い捨てなのか何かしらの手段で補給できるのかは今のところ不明。

種類により製造コストに差があり、巨体なものや高度な機能を付加させているもの程高くなる。

小さな卵の状態で大量に運搬可能で、小国の艇でも100体は余裕、大国ともなれば大小含めて1000体を超える卵を遠征艇へ持ち込める。できる限り人員を絞らなければならない遠征の際、人間代行をする補助戦力として重宝する。

物量面と安全性(緊急脱出のような確実な撤退手段は希少)の観点から侵略の主力を担っており、大半の近界民はトリオン兵のみを送り込み散発的に市民の拉致を目論んでいる。

「こちら側の世界」の一般市民にとっては「近界民=トリオン兵」であり、その裏に人間が存在して糸を引いているなどとは思われていない。

ボーダーでもトリオン兵の研究はされているが、コストや市井の感情を考慮して実戦投入はされておらず、訓練で用いる程度となっている。

トリオン兵の種類

バムスター

  • 捕獲用トリオン兵

2~3階建ての家くらいの大きさで、トリオン兵の中では最も広く運用されている。一般市民が言う近界民(ネイバー)とは、ほぼバムスターのことを指す。ボーダー内では「大型トリオン兵」という呼称も使われている。

人間を口で咥えて捕獲し、トリオン能力の高い人間はそのまま体内に保管し回収、低い人間はトリオン器官だけ抜き取り体は廃棄する。トリオン器官は心臓のすぐ隣にあるため、抜き取られた人物は死亡する。

腹部に多種の小型トリオン兵を格納する事も可能。

装甲がそれなりに厚いが攻撃力に乏しく、普通は正隊員なら苦もなく倒せる。

こいつに苦戦したはボーダー隊員としては少し恥ずかしいらしい。

モールモッド

  • 戦闘用トリオン兵

自動車に脚が生えたくらいの大きさで、3対のブレード付きの腕があり、使わない時は折り畳んで格納されている。モノアイの両サイドに副眼が2つ付いている。

肉眼で捕らえるのは難しいスピードでブレードを振るう。ブレードの硬度は、トリオン兵の中でも最高とされる。

「戦闘用」というだけあって汎用トリオン兵の中では比較的強く、一般的なC級隊員では勝つことは難しい。

イルガー

  • 爆撃用トリオン兵

小学校くらいの大きさ。モノアイの両サイドに副眼が2つ付いている。

上空を周回しながら地上を爆撃する。背面に飛び乗られた際の対策として、背にも爆破機構が存在する。

深刻なダメージを受けると自爆モードに移行し、最も多くの人を巻き込める場所目がけて落下し、自爆する。自爆モードになると背に突起が現れ、A級の木虎ですら傷を付けられないレベルにまで防御力が上がるなど、使われる側からすれば迷惑極まりないトリオン兵である。一応ボーダートップクラスの攻撃手ならば切り落とせない硬度ではないが、黒トリガー状態の空閑遊真が「破壊するより安全な場所に引きずり落とす」方が楽だと判断するほどには硬い。

製造コストが高いせいか使用する国は限られており、遊真が知る限りではキオンとアフトクラトルの2国のみ。

ラッド

  • 隠密偵察用トリオン兵

お掃除ロボットくらいの大きさ。

殆ど攻撃力を持たない雑魚だが、その圧倒的数により対応には一定の労力を必要とする。

アフトクラトルでは、周囲の人間からトリオンを収集して門〈ゲート〉を開く機能を取り付けた改造種が使用されている。

また、出撃の際には予め他のトリオン兵の体内に格納させておき、撃破された後のドサクサに紛れて外部へ出すという手法を用いる。

バンダー

  • 捕獲・砲撃用トリオン兵

「バムスターが激ヤセしたような」姿。砲撃と捕獲という相反する役目を一体で行おうとした結果、特化型のイルガーやモールモッドと比べてコンセプトの作り込みが甘く、B級に昇格した直後の修に倒されてしまうなど戦闘力はあまり高くない。

数を揃え遠方に配置して砲撃を行うのが正しい使い方とされており、遊真の回想においてもそのような運用法で登場している。

バド

  • 飛行トリオン兵

モールモッドに光の輪っかが1対付いたような形状をしている。

飛行機能を活かした偵察が主だが、C級隊員の仮想訓練で人間を捕獲する姿も確認でき、さらにゲーム版では周囲への射撃も行っている。

ラービット

  • 戦闘員捕獲用

体躯は3mほどで、前傾姿勢の状態で長い腕部を地面に付けた二足歩行を行う。トリオン兵の中では比較的人に近い形状をしている。

7年以上前からアフトクラトルで開発が進められており、第二次大規模侵攻編の時点では運用可能なレベルに到達、実戦に投入された。

一般人よりも高いトリオン能力が見込める戦闘員を捕獲する事を目的としているため、他のトリオン兵とは一線を画す性能を誇る。特に装甲の厚さと挙動の速さが脅威で、並の使い手ではダメージを与えることができない。対トリオン兵用としての側面が強い、威力特化型の狙撃銃「アイビス」を弾くほど。

初めて遭遇した時点ではB級部隊では勝ち目が薄く、A級隊員でも単独で挑むのは捕獲されるリスクが大きいと評された。

攻撃手段は主に徒手空拳だが、頭蓋には電撃発生機構が存在する。胸部を開くことができ、中には3対のカマキリのカマのようなものを覗かせる。

これをトリオン体の心臓部(トリオン供給器官?)に突き刺すと対象はキューブに変えられ、然るべき機材を用いて解凍処理をしなければ活動出来ない状態になる。

また、危険な攻撃を認識すると避けるようになり、膠着状態になると攻撃パターンを変えるなどプログラムの精度も高い。

以上がプレーン体と呼ばれるラービットの基本能力であり、更にトリガーの能力を簡易的に付加した改造(モッド)体と呼ばれるラービットも存在する(そのため、キューブ化能力自体も卵の冠の能力が元になっているのではないかとも読者に推測されている)。

また、高性能ゆえに製造コストが非常に高く、プレーン体でもイルガーの3倍ほどのコストが掛かる。

  • ランバネイン体……目からの砲撃と推進器によるジェット飛行が可能。
  • エネドラ体……腕を液状化させて、奇襲や広範囲攻撃が行える。
  • ヒュース体……黒い破片を飛ばし、埋め込んだ相手を磁場に捕らえる事で動きを止める。
  • レプリカ体……レプリカがコピーしたもの。キューブ化能力はオミットされているが、代わりに遊真の黒トリガーの印が使える。

アイドラ

  • 集団戦闘用トリオン兵

ロドクルーン製の「人型」トリオン兵。直立二足歩行で動き、ラービットより更に人間に近い形状をしている。

単体の能力ではモールモッドに劣るが、多数で固まってシールドや射撃を重ねた連携をとる事で能力を補っている。集団運用が前提のため、コストパフォーマンスの面でも優れているとの事。

外部からの操縦にも対応している。

ドグ

  • 偵察・集団戦闘用トリオン兵

ロドクルーン製の犬型トリオン兵。

主に頭部からのビーム砲で攻撃する。

単体の戦闘力は低いが、数の優位を利用した連携と敏捷性を活かした撹乱を得意としている。

ただし、行動をある程度指揮する必要があるため、同時展開できる数に限りがある

  • タキア……レーダーに映らなくなる「偵察モード」を持つ。
  • マンヴェールド……シールドを発生させる事が出来る。
  • バトリーレ……ビームの代わりに頭部のブレードで攻撃する。

名前の由来はそれぞれ秋田犬ドーベルマンレトリーバー

その他

レプリカ

  • 多目的型トリオン兵

遊真のお目付け役。空閑有吾により製作された。

ヴィザ翁曰く、「トロポイの自立型トリオン兵で非常に珍しい」らしい。

黒い炊飯器のような外見で、本体は武器こそ持っていないが、高度な意思と様々な補助機能を備えており、遊真黒トリガーに同期し戦闘に多彩さを加える。

時には解析データと内臓トリオンにより「ラービット」を製造し、使役することすらやってのける。

エルガテスのトリオン兵

アニメオリジナル。他国とは大きく異なっており、自立トリオン兵も大きく発展している。

レオフォリオのトリオン兵

レオフォリオでは、特殊なトリオン兵に騎乗して戦うと作中で語られている。

余談

原作で登場したトリオン兵の名称は明言こそされていないが、実在する動物(特に哺乳類)を連想させるものとなっている。

バムスター→ハムスター

モールモッド→モルモット

イルガー→イルカ

ラッド→ラット(

バンダー→パンダ

ラービット→ラビット(

バド→バット(蝙蝠)またはバード(

ドグ→ドッグ(

例外としてアイドラはidol(偶像)のもじりと推測されるが、偶像→人形→人型と考えれば法則を外れていないともいえる。

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